好きだから
「「「「………………?」」」」
突然怒り出した私を不思議そうに眺める仲間達。
だけどね?
『突然どうしたの?』なんて態度が許せないから、
全力で睨みつけて本気で怒鳴ることにしたのよ!!
「あのね~っ!?どうしてあの時、私を突き飛ばしたのよっ!?」
普段は私が何を言っても言うことを聞かないくせに!
あんな時だけ優しくするなんてずるいじゃない!!
「本気でみんな死んだと思って心配して泣いたんだからねっ!!」
肩を上下させながら全力で怒鳴ったわ。
そして必死に呼吸を整えていると、
彩花が意味不明な言葉を言い出したのよ。
「ふふっ。それは乃絵瑠が好きだからよ。」
…はぁっ!?
「何よそれ?」
言葉の意味が分からずに戸惑っていると、
今度は未来も勝手なことを言い出したわ。
「乃絵瑠が無事ならそれで良くない?」
どうしてよ!?
「全っ然!良くないわよっ!!」
全力で反論したんだけど。
未来は全く気にしてないみたい。
そんな私達の雰囲気なんてお構いなしに、
あずさは彩花に寄り添いながらのほほんとしてる。
「私は〜お姉様がそうしたいかな~?って思っただけですぅ♪」
笑顔全開で答えるあずさは、
自分の意思というよりも彩花の意思を優先したらしいわね。
「…なによそれ?」
それこそ意味不明だと思って呆れていると。
最後に奈々香も答えてくれたわ。
「…恩返し…。」
…は?
…何それ?
いきなり恩返しって言われても地味に困るわよね?
沈黙する奈々香はもう何も言ってくれないけれど。
普段は何を言っても言うことを聞かないわりに感謝の気持ちは持ってたみたい。
常日頃から仲間達の行動に苦労の堪えなかった私の努力も一応、無駄じゃなかったっていうことよ。
でもね?
…はあ。
…ったく、どいつもこいつも。
そんなふうに言われたら、
また泣いちゃうじゃない。
普段の態度からは想像出来ないことだけど。
4人はそれぞれに私のことを想って、
私の命を最優先に考えてくれたみたいなのよ。
その想いを実証するために、
彩花達は私を庇って炎に身体を差し出したっていうこと。
…っとにもう。
「あんた達は本当に馬鹿よ!!私をかばって死んだら意味がないじゃない!!あんた達がいなくなったら、私だって淋しいんだからねっ!!」
必死に叫んだことで涙を浮かべてしまったわ。
そんな私に仲間達が手を差し延べてくれたのよ。
「大丈夫よ。そんな簡単に死なないわ。」
彩花が微笑んでくれてた。
「まだまだ乃絵瑠にはしてほしいこともあるしね~。」
未来も笑ってくれていたのよ。
「お友達ですからぁ♪」
あずさは無邪気に笑顔を振り撒いてる。
「………。」
奈々香は何も言わずに私を見つめてた。
だけどその表情には不思議と笑顔が浮かんでいるように思えたわ。
そんなふうに自分勝手な仲間達の笑顔に囲まれた私は、
涙を堪え切れずに頬を濡らしてしまったのよ。
「もう、本当に馬鹿なんだから…っ。」
「ふふっ。」
「あはははっ!」
「えへへへ~♪」
「………。」
泣いてしまった私の手を引いて外へ歩き出す仲間達。
そんな大切な仲間達に囲まれながら、
私もテントの外へと足を踏み出すことにしたの。




