平和な時間
《サイド:常磐成美》
いつの間にか午後1時を過ぎているようです。
お昼が過ぎたことで商店街の賑わいが少しだけ収まってきた頃。
私はお母さんの服の袖を引っ張ってから、
お母さんの顔を見上げました。
「ねえねえ、お母さん。」
「ん?どうしたの?」
不思議そうな表情で向き合ってくれたお母さんに、
少しだけ照れ臭く思いながら話しかけます。
「お腹、ペコペコ…」
「あらあら。」
お腹に手を添えてみると。
お母さんは苦笑しながら私の頭を撫でてくれました。
それから周囲を見回したお母さんは、
近くの時計に目を向けたことでお昼を過ぎていることに気づいたようです。
「さっき、お茶とお菓子を頂いたから気にならなかったけれど、もうお昼を過ぎているのね。」
「…うん。」
「成美は何が食べたいの?」
…う~ん?
…何が良いんでしょうか?
特にこれが食べたいと思うものはありません。
だからお母さんに任せたいと思います。
「お母さんが好きなので良いよ♪♪」
「う~ん。それはそれで困るわね…。どうしようかしら?」
お母さんも特に思い付くことがないようで、
適当な方向に歩き続けながらお店を探していました。
「少し休めるところがいいかしらね?」
「…うん。」
朝からずっと歩きっぱなしなので、
ゆっくりと落ち着けるところのほうが嬉しいです。
「確か向こうに…」
どこかを目指して進んでいくお母さんと一緒に平和な商店街をゆっくりと歩きます。
この平和な時間がいつまでも続くことを願いながら二人で散歩を続けました。
『今日という日』が終わる…その時まで。




