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THE WORLD  作者: SEASONS
4月19日
1109/1230

孤独な日々

10分ほど過ぎたでしょうか?



しばらくしてから深海さんのお母さんがお店に戻ってきました。



わざわざ確認しなくても瞳は僅かに赤くなっていて泣いていたことが分かります。



だけど私は追求しませんでした。


もちろんお母さんも何も言いません。



深海さんのお母さんがどんな想いで涙を流したのかを知らないからです。



詳しい事情を知らない私達は、

深海優奈さんという人がどんな想いで日々を過ごしていたのかなんて分かりません。



…ですが。



何となく分かることもあります。



目が見えないことで孤独な日々を過ごしてきた私だから分かることもあるんです。



きっと。



深海優奈さんは私と同じで、

友達が作れずに孤独な日々を過ごしていたのではないでしょうか?



その理由は私とは違っていても、

ひとりぼっちの日々を過ごしていた事実は同じだと思います。



…目が見えるとか見えないとか。



そんなこと以外にも孤独になる理由なんて数え切れないほどあるんです。



そしてその理由の一つに深海優奈さんは関わってしまったんだと思います。



本人の意思なんて関係ないまま。


私と同じように孤独の世界に追いつめられてしまったのではないでしょうか?



…だけど。



私にも深海優奈さんにも家族がいました。


大切だと思える人がいたんです。



それだけが心の支えで、

それが最後の安らぎだったと思います。



家族にまで見放されたら生きてはいけません。



一人では絶対に生きていけないからです。


誰かに助けてもらわなければ生きることさえ出来ないんです。



私と深海優奈さんは、

家族に支えられて大切に育てられたからこそ今まで生きてこられたんです。



その感謝の気持ちだけは絶対に忘れてはいけないと思います。



そんなふうに想うからこそ、

お母さんに話し掛けてみることにしました。



「ねえ、お母さん。」


「ん?どうしたの、成美?」


「…あのね。」



不思議そうに私を見つめるお母さんに、

感謝の気持ちを込めて笑顔を見せたいと思います。



「ありがとう、お母さん。私が今もこうして笑えるのはね。お父さんやお母さんがいてくれたからなんだよ♪」



本当だよ?



「だから、ありがとう。」


「ふふっ。お母さんもね。成美がいてくれるから、すごく幸せなのよ。」



お母さんが私の頭を優しく撫でてくれました。



それが少しくすぐったく感じてしまったのですが。


ただそれだけで喜びが抑えきれなくて、

自然と微笑み続けてしまいました。



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