表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
THE WORLD  作者: SEASONS
4月4日
107/194

願わくば

《サイド:米倉美由紀》



…はあ。



沙織と翔子が行ってしまったわ。


もうすぐ試合の時間だから仕方のないことなんだけど。


取り残された側としては感情のやり場に困るわね。



「それで?あなたはどうするの?」


「…さあ、な。」



最後に残った北条君に問いかけてみたんだけど。


北条君はあやふやな返事だけを残して二人の後を追って歩きだしたわ。


その結果として。


室内には私だけが残されてしまったのよ。



「はあ…。」



ため息が止まらないわね。


疲れを吐き出すかのように、

深いため息を何度も何度も繰り返してしまう。



…どうしようかしら?



私以外に誰もいない室内。


一人きりになってしまった私は、

椅子に腰を下ろしてから頭を抱え込んでしまったわ。



「対策を…」



小さく呟いてみるけれど、

どこから手を付ければいいのかも分からないわね。



…前途が多難すぎるのよ。



天城総魔と学園最上位の翔子達。



彼らに対抗する手駒を用意するとなるとどう考えても手札が足りないからよ。



彼我ひがの戦力に差がありすぎるの。


もはや学園の総力なんて言ってる場合でもないでしょうね。


そもそも学園を二つに割るような抗争でも起きようものなら、

その時点でこの国の未来は迷走してしまうわ。



管理できない力が存在するなんて情報が表沙汰になれば、

これまでの外交の努力が全て水泡に帰すことになってしまうからよ。



…本当の、本当に。



緊急事態にならないことを、

ただただ祈るしかない状況になってしまったわね。



…はぁ。



入学式の時には気楽な態度でいたけれど。


まさかこんなことになるなんて思わなかったわ。



だけど。


今となってはもう。


この学園の命運は天城総魔の気持ちに左右されてしまう状況にまで来てしまったと認めるしかないのよ。



「…願わくば、味方であってほしいわね。」



心の底から願ってしまうけれど。



だけどそんな私の気持ちなんて関係なく。


時計の針は午後6時を示そうとしているわ。



第1検定試験会場において。


天城総魔と沙織の試合が始まろうとしているのよ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ