時間稼ぎ
《サイド:天城総魔》
…ふう。
ひとまず優奈の信頼は得られたようだな。
これで次の段階へと進むことができる。
正直に言えば優奈を避難させられないことが心残りだが、
御堂だけでも生き残れるなら、
それ以上の贅沢は望むべきではないだろう。
俺一人では出来ることに限りがあるからな。
やるべきことは数多くある。
だから今は二人で協力するしかない。
「まずはここにある龍穴の力を暴走させる。32の兵器によって動き出した力を止めることが出来ないのなら、ここで全てを発動させるしかない。共和国へ届く前に、この場で全てを発動させる。」
目的を告げる俺の言葉を聞いて、
優奈は疑問を問い掛けてきた。
「その…。自爆を目的とするのは良いですけど、私は何をすれば良いんですか?」
「まずは龍穴から放たれる力を吸収して時間を稼ぐ必要がある。その間に俺は龍穴の力の解析を行う。」
いつ発動するか分からない兵器の力。
その発動を1秒でも遅らせること。
その為に俺は優奈を必要としていた。
魔力だけではなく、
あらゆる力を吸収出来る優奈だからこそ出来る時間稼ぎだ。
優奈が行う吸収から変換までの力の流れを知れば龍穴の解析の手がかりとなるはず。
正体不明の力を調べ上げ。
その力を操れれば龍脈の流れを操作出来ると考えている。
「共和国を守る為には優奈の力が必要だ。戦場に散っていった多くの仲間達の想いを成し遂げる為に力を貸してほしい。」
「…はい!そういうことでしたら喜んで♪」
協力を願う俺の言葉を聞いて、
優奈は笑顔を見せてくれていた。
死の迫る絶望的な状況でも笑顔を見せてくれたのだ。
これまで足手まといになることが多かったからだろうか。
最後の最後で誰かの役に立つことが出来ると思うだけで、
優奈にとっては十分過ぎるほど幸せだったのかもしれない。




