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THE WORLD  作者: SEASONS
4月18日
1020/1032

不意打ち

《サイド:天城総魔》



「優奈。お前の魔力が必要だ。俺に魔力をくれないか?」



再び魔力を求めたことで、

優奈はルーンを解除してから俺に右手を差し出した。



「良いですけど…どうするんですか?」



問い返す優奈に、一言だけ答えておく。



「一つ、やりたいことがある。」



それだけを答えて優奈の魔力の供給を待つと。


優奈は余計な詮索をせずに、

俺の体に触れてから魔力を送り込んでくれた。



優奈の右手が輝くと同時に流れ込む魔力。



底を尽く寸前まで魔力を分け与えた優奈は、

小さくため息を吐きながら俺から手を離した。



「今はこれが…精一杯です。」


「十分だ。」



優奈に微笑みを返してからルーンを生み出す。



「ソウルイーター!」



俺の呼び掛けと共に現れる剣は、

優奈のルーンと同じく相反する不思議な光を放っている。



暗くもあり。


明るくもあり。


冷たくもあり。


暖かくもある不思議な輝きだ。



俺のソウルイーターを初めて見る優奈は、

自分のルーンと同じ力を持つ俺のルーンを興味深そうに交互に眺めていた。



「それが総魔さんのソウルイーターですか?」


「ああ、そうだ。」



頷いて答えてから御堂へと振り返る。



「御堂。」



呼び掛けを受けた御堂も俺に振り返った。



「どうかしたのか?」


「ああ。」



問い掛ける御堂に…俺は行動で答える。



何も言わずに。


何も告げずに。



ソウルイーターで…御堂の体を貫いた。



「ぐぅっ!?が…ぁ…!?」


「そ、総魔さんっ!?」



苦しむ御堂を見た優奈が慌てて俺の腕につかみ掛かってくる。



「どうして…っ!?」


「さがれ…優奈。」



慌てる優奈を引き離してから、

御堂の体に深く…深く…刃を刺し込んでいく。



「ぐ…ぅぅっ…!!」



苦痛を感じて表情を歪める御堂だが、

体を貫く刃には御堂の血が付いていない。



体ではなく、魔力を斬っているからだ。



「…なっ、何故だ…っ。…総、魔…っ!?」



魔力を失ってうずくまる。


それでも気合で意識を保ち続ける御堂に、

別れを告げることにした。



「御堂…お前は生き残れ。お前まで死ぬ必要はない。」


「な、何を…っ!?総魔…一体、きみは…何を考えて…?」



何を…か。



簡単なことだ。



「兵器は止められない。だが、操作は不可能ではない。だとしたら…俺に出来ることは一つだけだ。」



意識を失う寸前の御堂に、

俺は俺の考えを告げることにした。



「俺の力で龍脈の流れを操作する。そして破壊の力をここに反転させる。上手くいくかどうかは分からないが、成功すれば共和国に被害が及ぶことはないだろう。」


「な…っ!?だ…ダメだ、総魔っ!それでは…それではきみが、犠牲になる…っ!!」



必死に俺を止めようとする御堂だが、

失われつつある意識では思うように動くことさえ出来ない。



…そのための魔力だ。



俺も御堂も限界近くまで魔力を消耗していた。


唯一、優奈だけは吸収の能力によって魔力を維持していたが、

その魔力が今は俺の中にある。



この状況で御堂が抵抗することはできない。


俺の吸収の能力は強制的に御堂の魔力を枯渇させる。



「御堂…。お前をここから退去させる。」


「や…やめるんだ総魔。僕は…僕はきみまで失ってしまったら…っ!全てを失ってしまうんだ…っ!」



涙を浮かべながら訴える御堂だが、

ここで手を抜くつもりは一切ない。



強制的に全ての魔力を奪い尽くす。



「く…っ。総……魔……ぁ……。」



魔力の喪失によって意識を失った御堂は倒れた。



…これで良い。



御堂を行動不能にしたことで、

魔力を得た俺のルーンが輝いた。



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