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失うものは何もない
《サイド:深海優奈》
「もう大丈夫です!私も一生懸命戦います!ここで泣いていたら…泣き続けていたら…。きっと悠理ちゃんに怒られると思うから…だからもう泣きません!」
再び誓いを立てる私の想いを感じ取って、
総魔さんは優しく微笑んでくれました。
「強くなったな…優奈。」
…っ!
総魔さんの言葉を聞いて、
また泣き出しそうになりましたけど。
必死に涙を堪えて微笑みを浮かべました。
「悠理ちゃんの分まで頑張りますっ!」
「ああ。」
「うん。」
涙を浮かべながら微笑む私を見て、
総魔さんも御堂先輩も微笑んでくれていました。
…これで良いんだよね?悠理ちゃん。
栗原さんとミルクに続いて、
悠理ちゃんまで失ってしまいました。
…ですが。
次々と襲い掛かる現実を受け入れた私の心はもう壊れません。
絶望を知り。
全てを失った私にはもう…失うものが何もないからです。
悲しみに立ち向かうと決めた私に恐れるものはもう何もありません。
「行きましょう。」
「ああ。」
「そうだね。」
再び歩み始めた私達は、
数多くの死体を乗り越えて、
ついに最後の扉へとたどり着きました。




