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THE WORLD  作者: SEASONS
4月18日
1015/1080

慎吾との思い出

《サイド:御堂龍馬》



…武藤君まで死んだ?



それはもう信じたくないというか、

信じられないと思う気持ちが大きかった。



真面目で。


一生懸命で。



どれだけの攻撃を受けてもめげなくて。


どれほどの逆境でも突き進もうとする。



そんな武藤君が死ぬなんて。


そんなことがあるんだろうか?



いや…もちろん誰だって死ぬときは死ぬんだけど。


武藤君だけは何があっても絶対に死なないような…そんな気がしていたんだ。



「武藤君…。」



誰よりも武藤君と関わっていたことで、

僕の中の思い出が蘇ってくる。



『師匠はどうしたいんですか?』



かつて武藤君に問い掛けられたことがあった。


その時に僕は全てを越える力が欲しいと答えた。



『だったら僕と同じですね!』



そう言って武藤君は笑顔を見せてくれた。



だけど、その後で。



『師匠は好きにして下さい!』



突然、僕に告げた武藤君は別れを選んだんだ。



『僕ならもう大丈夫です!色々なことを師匠から教わりましたからっ!!だから師匠は先へ進んでくださいっ!』


『無理言ってばかりですみませんでしたっ!でも僕、楽しかったんです!誰にも相手にされなかった僕に、優しくしてくれたのは師匠だけだったから!!だから、だからこれ以上、師匠に迷惑をかけることは出来ませんっ!!!』



想いの全てを僕に打ち明けて。



『師匠!ありがとうございますっ!!そして、お世話になりましたっ!!!』



たった一人で姿を消したんだ。




…それから数日後。




武藤君は再び僕の前に姿を見せた。



以前と変わらないままで。


嬉しそうに。


そして楽しそうに笑っていたんだ。



…忘れるなんて出来ない。



武藤君の笑顔を見て僕も笑うことが出来たから。


どんな状況であったとしても楽しいと思えたから。



だから僕は…どんな時でも素直に喜んでくれる武藤君と約束をしたんだ。



この戦争が終わったら、

また一緒に検定を頑張ろう…と、約束したんだ。



…忘れられるはずがないっ!



武藤君は最高の笑顔で、

僕の旅立ちを見送ってくれていた。



『師匠!またご一緒できる日を楽しみに待ってます!!』



全力で頭を下げて、

僕を見送ってくれたんだ。



それが…それが武藤君との最後の思い出だった。



ホンの数日しか関わっていないけれど。


それでも僕は誰よりも武藤君を理解して、

誰よりも深く接していたと思う。



だから、かな。



僕にとっては武藤君の死も…辛く重い現実だったんだ。



「武藤君。きっときみは…最後まで悠理を守って戦ったんだね…。」



呟く僕の言葉を聞いて、

深海さんは小さく頷いていた。



「はい、私もそうだと思います。」



武藤君との関わりは多くはないようだけど。


それでも深海さんは僕の意見が正しいと思ってくれたようだ。



ずっとずっと悠理を想い続けていた武藤君なら、

絶対に悠理を置いて逃げたりはしないと…深海さんも考えたんだろうね。



「二人ともきっと…一生懸命に戦ったんだと思います。」



そう言って深海さんは総魔から離れた。




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