本当の謝罪
《サイド:天城総魔》
「優奈…。」
「………。」
呼び掛けた声に反応したのだろうか。
優奈は何も言わずに俺の顔を見上げていた。
悲しみしか感じられない表情。
そんな優奈を眺めながら語りかけてみる。
「嘆きたくなる気持ちが分からないとは言わない。」
…だが。
ここで立ち止まれば、
優奈の為に倒れた徹やミルクの想いが無駄になるだけだ。
「本当に謝罪する気持ちがあるのなら全てを受け入れて立ち上がれ。そして…意志を受け継いで前を向け。」
…それが。
「それだけが失われた二つの命に対して優奈に出来る本当の謝罪だ。」
嘆くことが間違いだとは言わない。
心を整理するために、
涙を流す時間があっても良い。
「自分が何をするべきなのか。それだけは見失うな。」
そこまで告げてから御堂に振り返る。
優奈に進むべき道を示すためだ。
「優奈のルーンを…」
「あ…ああ。」
右手を差し出すと、
御堂は優奈のルーンを手渡してくれた。
ルーン『ソウルイーター』
形状は俺の剣とは異なるが、
御堂から受けとった弓を優奈に差し出す。
「優奈。お前の選択肢は二つに一つだ。悲しみから目を背けて逃げ出すか、それとも悲しみを受け入れて立ち向かうか。どちらを選ぶかは自分自身の意志で決めろ。」
選択を求めて優奈の答えを待つ。
「………。」
優奈は差し出されたルーンをじっと見つめながら思い悩んでいるようだ。
だがそれは戦いを恐れているわけではないだろう。
俺の言葉は理解出来ているだろうからな。
…おそらく。
自分に何が出来るのかを考えているのだろう。
俺が伝えたい気持ちも、
待ち望む答えも分かっているはずだ。
だが、それでも。
すぐには選べない様子だな。
自分自身を許せない気持ちがまだ心の中にあるのだろう。
だから今はまだ…即答は出来ない様子だった。




