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THE WORLD  作者: SEASONS
4月18日
1009/1032

二度目の別れ

《サイド:深海優奈》



『…にゃ…にゃ~…』



ミルクの鳴き声に込められた想い。


それが何を意味するのかは私にも分かりません。



聞こえていなかったわけではないと思うのですが、

はっきりとは覚えていないからです。



ですがその鳴き声こそが、

別れを告げるミルクの最期の想いだったのかもしれません。



本来の体は一度死んで。


私の力によって精霊として生まれ代わり。


そしてまた力尽きてしまったミルクとの二度目の別れでした。



「ここで何があったのか?それは俺にも分からない。だがおそらく、ミルクは優奈を守って力尽きたのだろう。精霊としての消失。その消失によってミルクは魂の行き場を失った。それが今の精霊に意思がない理由なのだろう。」



…ミルクの魂。



総魔さんの説明を聞いてから、

私は抱きしめていたミルクに視線を戻しました。



「ねえ…ミルク…。ミルクは本当に…ミルクだったの…?」



涙を流しながら問い掛けてみました。



…ですが。



精霊は何も答えません。



魂を失ってしまったことで、

今はもう何も答えられないんです。



「ごめん…っ。ごめんね、ミルク…。私のせいで…っ。私のせいで…何度も辛い想いをさせて…っ。ごめんね…っ。」



鳴くことが出来なくなった精霊に必死に謝りました。



…だけど。



その想いさえももう…ミルクには届きません。



それでも…それでも私は謝りました。



「…ごめんなさい…っ。」



何度も何度も謝り続けました。



「ミルク…。ごめんね…。ずっと一緒にいたのに…っ。何も、気付いてあげられなくて…ごめんね…。私が…私がもっとしっかりしていれば…ミルクに辛い想いをさせずに済んだのに…っ。私が逃げ出さなかったら…ミルクは死なずに済んだのに…っ。」



再び私の心に広がっていく後悔と絶望。



現実から目を背けて逃げ出した結果として、

私は栗原さんとミルクの両方を失ってしまったのです。



「私のせいで…っ!栗原さんも…っ!ミルクも…っ!」



自分を責めることしか出来ません。


私は…私自身に失望していました。



「…私がいなければ…っ!私さえいなかったら…!栗原さんは死なずに済んだのに…っ!!私がもっとしっかりしていたら…ミルクは死なずに済んだのに…っ!」



栗原徹さんの死。


そして精霊ミルクの消滅。



二つの犠牲に自己嫌悪を感じていたんです。



「私のせいで…っ!」


「優奈…。」



何度も何度も自分を責めてしまう。


そんな不甲斐ない私の肩に。


総魔さんがそっと手を置いてくれました。




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