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THE WORLD  作者: SEASONS
4月4日
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私への挑戦

《サイド:常盤沙織》



…私も甘く見られたものですね。



今からでも構わないという言葉からは余裕しか感じられません。


翔子との試合によってかなりの魔力を消耗しているはずなのに。


なにより先ほどの治療でほとんどの魔力を翔子に分け与えているはずなのに。


それなのに彼は戦う意思を示したのです。



翔子と戦った時よりも確実に魔力が減少しているはずの彼にどれ程の余力があるのかは知りませんが、

仮にも翔子を上回る番号の私を強敵とは認めていない発言に思えました。



「私を…馬鹿にしているのですか?」


「いや、そんなつもりはない。」



率直に問い掛けてみたのですが、

彼は表情を変えることなく平然と答えていました。



「お前の実力は十分に認めているつもりだ。魔力の総量は俺を遥かに上回っている。当然、俺が負ける可能性はいくつも考えられるだろう。だが、疲れているからといって戦いを先伸ばしにするつもりはない。本来なら戦いに待ったなど存在しないのだからな。」



…戦いに待ったはない、ですか。



確かにそうかもしれませんね。


今回は試合だから時間の調整は出来ますが、

そうではない戦いにおいて、

時間の調整なんてありえません。



自分の状態がどうかに関係なく、

戦わなければならない時は幾度となく訪れるものなのですから。


だから彼の考えを否定することはできませんでした。



「…そう、ね。」



余裕はないとしても、

それでも逃げるつもりはないと宣言しているのです。


そうまで言われてしまえば、

私としても逃げる事はできません。


素直に戦う覚悟を決めるべきです。



…だけど、どうしよう。



目を伏せて、考えてみることにしました。



…と言っても。



考えるべきことは一つだけです。


ただ単純に試合の時間を決めるだけなのです。



…日程としては今日でいいのでしょうか?



明日に引き延ばすことも出来ると思いますが、

時間を遅らせれば遅らせるほど彼から逃げているように思われてしまう気がします。



だからと言って困ることはないのですが、

どうせ戦うのであれば逃げたと思われたくはありません。



ですので、試合は今日にしたいと思います。


問題は何時に行うかという部分なのですが。



…どうするべきかしら?



みんなと相談しようにも頼れる仲間はここにはいません。


翔子も北条君も理事長室にいるからです。



今すぐに相談する事は出来ません。



一旦この場を離れる事も出来ますが、

わざわざ相談に行くというのも逃げているように思われる気がします。



…それは嫌。



どう思われてもいいなんて言えませんが、

言いたくもありません。



翔子は死を覚悟の上で戦うことを選んでいました。


それなのに。


翔子よりも格上である私が待ったをかけることはできません。


それでは翔子に合わせる顔がありません。



これは私への挑戦なのですから。



あくまでも私の意思で決めるべきことです。


決して、誰かに相談する事ではないのです。



そう考えてから、

もう一度彼に視線を向けてみました。



「………。」



互いに見つめあう私達。


視線を逸らさずにまっすぐ私を見つめる彼の目に迷いは感じられません。


本気で私の判断に委ねるつもりでいるようでした。



「…いいわ。あなたの挑戦を受けます。」



試合を承諾しました。


これにより、

もう後には引けなくなってしまったのです。



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