ルールを破る時
海斗は勢いよく外に出て、ゆっくりと確実にハンバーガーショップへ向かう。
(何がルールだ…腹が減ったって事は食べろって事じゃないか…)と思いながら歩くと、目の前に煌々とした光と、誘惑するような匂いが漂う。
匂いを噛み締め、海斗はついに叫ぶ。「もう我慢できん!」
中に入ると、CMで見たハンバーガーとポテト、コーヒーを頼み、堪能する。
「いや〜食った食った…でもこのままじゃバレるし、アイツに買うために来たことにしよう!」とハンバーガーセットを購入し、家に急いで戻る。
(もし何か言われてもこれで誤魔化せる!俺は悪くない、空腹が悪いんじゃ…)と胸を撫でながら玄関のドアを開けると、妙に静かで電気も全て消えていた。
「なんだ、真っ暗じゃないか?」と手を伸ばすと、目の前で黄色い目が二つ浮かび上がる。
「やあ!随分と早かったね。散歩だからこんなもんかな?」とドッペルはいつもの調子で言う。
海斗は少し安心して、「ああ、散歩してたらハンバーガーがあったからついで買って来たんだ」と誇らしげに見せる。
ドッペルは手を伸ばしながらも鋭い目で、「それは良いけど、君は食べてないの?」と聞く。
海斗はドキッとしながらも、「あはは…もちろん俺はコーヒーだけで我慢したぞ」と嘘をつく。
ドッペルはハンバーガーを頬張りながら、「ああそうなんだ、嘘は良くないよ海斗くん。残念だね、覚悟は良い?」と指を指す。
「ドーン!!」
海斗は咄嗟に「うわぁぁ〜!!」と後ろに倒れるが、何も起きない。
「あれ…?おどかしやがって何も起きないじゃないか…」と立ち上がろうとすると、ドッペルが「オエッ」と毛玉を吐き出す。
「うわぁ汚いな〜!急に大声出すから出ちゃったんじゃないか?」と笑いながら近づくと、さらにオエッともう一個毛玉を吐く。
「うわまたかよ!二個も出しやがって汚いな〜片付ける身にもなれよ」と海斗は毛玉を見て呆然と立ち尽くす。
「ふぅ〜スッキリしたし今日は寝るよおやすみ!君も早く寝たほうが良いよ?海斗くん。」と言うと隣の部屋に進み出したがピタッと止まるとゆっくりと振り向き。
「良かったら残ったの食べてよ僕はもう今日は食べないからさ」と軽やかに寝床に向かう。
「ああ…俺のベッドに居座るなよ…」と言いつつもポテトを一口食べる。
「ああ冷めたらまずいし勿体無いよな…」とハンバーガーとポテチをむしゃむしゃと食べ始める。
ドッペルは目を瞑りながらも
「ほら始まった」とボソッと言うと
毛玉がモゾモゾと動いたのを見たが海斗は
(そんな事より美味いな)と気にする事もなく黙々と食べ続けた。




