S Q15 レアなお宝が眠る財宝MAP 前編
「はい、今回は特別編です。僕たちが何故か昔懐かしいレトロRPGの世界で戦います。今はすごい人混みの中を歩いてる、召喚士に召喚された精霊〝セイク〟のユーキです」
「ドランケンサモナーのミーナです。よろしくです。あっついですね〜こんな灼熱の中を外にいるなんて、皆さん正気の沙汰じゃないですね〜」
ユ「フフフッ。やっと、僕のこのローブの真価が発揮されるね!」
ミ「…………冬の更新がまったくなかったですからね。寒さで凍るネタが出来ずに、夏が巡ってきました。恐怖の11ヶ月ぶりです」
ユ「コールド魔法が常に効いている、この黒いローブを我慢して着用してた甲斐がっ!」
ミ「うぅ……暑い。お水飲んどこ」
ユ「甲斐が……って、ちょっとましだけど、それをしのぐ猛暑。僕が本当に生のお酒なら、傷んでしまいそうです」
ミ「ここは不思議な所ですね。それぞれテイストの違う大きな建物が、あちらこちらに並んでます」
ユ「うん、スカイハイクエストの中の、世界各国の紹介をしている博覧会だそうだよ」
ミ「それで大勢の人が詰めかけてるんですか?」
ユ「みたいだね」
ミ「今日はここが舞台なんでしょうか? ……あ、空から何かが落ちてきました」
ユ「これは……紙? 地図が書いていますね」
ユーキ&ミーナ「こ、これはーーっ!!!!」
天の声【世界の〝命の雫〟MAP(非公式)だよ〜】
ミ「キャーッ!! レアなお宝が眠る財宝MAPじゃないですか!?」
ユ「珍しい〝命の雫〟しか並んでないっ!! これはテンション上がるっ!!」
ミ「絶対全部コンプリートしましょうっ!!」
ユ「よしっ、まずはここから近いドイ◯ビールに行こうか!!」
ミ「ファンタジーの世界なのに、めっちゃ馴染みのある国名ですねっ! あははっ!!」
天の声【そうして2人は、〝命の雫〟をゲットして回ることにーー】
ユ「はぁ、人が多くて疲れる〜。ここは席に座れてよかったね。優しい人が、相席してくれました」
ミ「しかもこの国は、並ばずに裏ルートから来れば、すぐいただけますからね〜」
ユ「あ、このワインも美味しい!」
ミ「ほんとですね〜! おつまみが欲しくなる〜」
相席の人「よかったら用意しましょうか?」
ユーキ&ミーナ「えっ?」
クライヴ「初めまして。僕はグルメサモナーのクライヴ。君たちも見たところ、何かのサモナーだよね?」
ミーナ「あ、ドランケンサモナーのミーナです」
ユーキ「セイクのユーキです」
クライヴ「あぁ、どうりで。じゃあ今飲んでるワインに合うおつまみをーー」
ミーナ「わぁぁぁ! 机の上が光ったかと思えば、数種類のおつまみが現れました! 今まさに欲しかったやつ!」
ユーキ「グルメサモナーはその名の通り、食べ物が出せるんですね。これらにまつわる魔法が、食べたら使えるようになるんですか?」
クライヴ「え? 違うよ。僕固有の魔法の能力なんだ。しかも食べ物だけじゃなくて、飲み物も出せるよ」
ミーナ「めちゃくちゃうらやましい能力じゃないですか!? ……お言葉に甘えて、いただきま〜す」
クライヴ「どうぞ召し上がれ。ユーキも食べていいよ」
ユーキ「じゃあ遠慮なく……あ、おいしい! ワインにはこういうのが食べたくなりますよね。ところで、クライヴさんの召喚した精霊は?」
クライヴ「……精霊?」
??「クライヴー! やっと買えたよー!!」
ミーナ「あ、遠くからクライヴさんに手を振る女性が。手にはワインの入ったグラスが、しっかりと握られてます」
クライヴ「お疲れ。ラフィナの飲んでみたかったワインがまだ買えてよかったね」
ラフィナ「うん! やっぱり美味しかったから、クライヴも飲んでおいてよ〜。そしたらまた魔法で出せるでしょ?」
クライヴ「いいよ……って、席につくまでにもう半分飲んでるじゃん」
ラフィナ「あははっ! えっとぉ、この人たちは?」
クライヴ「ドランケンサモナーのミーナと、セイクのユーキだよ」
ミーナ「初めまして! クライヴさんに美味しいおつまみを振る舞ってもらっていました」
ユーキ「相席までしてもらって、お邪魔してます」
ラフィナ「ううん。大勢でわいわいするのも楽しいよね。私はクライヴが召喚したセイレーンのラフィナです。よろしくね」
ミーナ「……セイレーン? 食べ物の精霊じゃなくて?」
ラフィナ「食べ物? 違うよ〜、見た目は人間だけど、セイレーンなの。伝説上のモンスター」
ユーキ「……まさかのそっちで来たか……」
ミーナ「純正なサモナーですね……」
クライヴ「けど、まだラフィナしか召喚できないけどね」
ユーキ「あー、まだ伝説上のモンスター由来のキャラは、お披露目してないですもんね」
ラフィナ「まだね。こっちで先に紹介したらいいのに。クライヴ召喚してみれば?」
天の声【ギャッ! やめて下さい、先にネタバレするの…………ドランケンサモナーのミーナと、彼女のセイム、ユーキのお宝集めは、まだまだ続く!!】
ユーキ&ミーナ「あ! 勝手に締めくくられた!」




