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ユーキとミーナのスカイハイレディオ  作者: 雪月花
特別編 スカイハイクエスト

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S Q 13:千載一遇 後編


【Uh〜〜 Uh Uh Uh〜】



ミーナ「なになに!? いきなり女の人のミステリアスな歌声が…………辺りも何故か真っ暗になったし」


ユーキ「かと思ったら、曲が怪しげで切なげなオーケストラの演奏パートに!?」


ルーナ「赤い光で広場がライトアップされだしたよ! 四隅から光が床を撫でるように動いて……きゃっ!?」


ミーナ「爆発!? 広場を取り囲む8箇所で空に向かって火柱が上がりました。攻撃ではなく演出のようです。けれどこれで辺りが見やすく……えぇ!? 広場の真ん中に丸く穴が開いてる!? いつの間に?」


ユーキ「……曲が盛り上がってきたと思ったら、ゴゴゴゴという音と共に、丸い穴から何かが迫り上がってきました……人? もくもくと白い煙がその穴から溢れ出して地を這っています」


ミーナ「…………ジト目で怒っているような黒髪の男性が出てきました。何故か頬を薄っすら赤くして照れています。黒いオーラをまとった禍々しい剣を下に向けて、重ねた両手を置いてまるで杖のようにしています」


ユーキ「全体的に黒いコーディネートで、ロング丈のジャケットの両肩には黒いフェザーのフワフワが……ルーナさんとお揃い感がありますね」


ミーナ「あ、迫り上がってきた地面が、他と同じ高さになると止まりました。曲も同時にフェードアウトです…………ってルーナさん? カウンターの裏に隠れてどうしたんですか?」


ルーナ「…………」




黒い男性「ルーナッ!! 目を離した隙にまた飲んでるよね!?」




ユーキ「ぉわっ!? 男性が剣を一振りすると、机の上に置かれたルーナさんのグラスだけが見事に割れました……怖い……」


黒い男性「あ、どーも。ルーナの夫のテオです。彼女の生まれ故郷、マクシミリア領へようこそ」


ミーナ「あれ? 真のボスのような人、フレンドリーですよ?」


ユーキ「本当だね。こんばんは。僕たちはかくかくしかじかで……」


テオ「ユーキさんとミーナさんだね。隣国の人のようだけど、僕とルーナはこの国の王と王妃です。よろしくね」


ミーナ「…………こく、おう様? 真の魔王様ではなく?」


ユーキ「さっきの登場は何だったの?」


テオ「よくぞ聞いてくれました! あれは創造神(作者)が、格闘技とかでヴィラン役で登場する時にやりたい演出なんだそう……」


ミーナ「え? ……意味が分からないんですが、そんな予定が放送作家(作者)さんにあるんですか?」


テオ「いや、全く無いよ。ただの想像の産物。せっかくだからって今回僕にやらされたんだ……恥ずかしかった! 何でこんな(はずかし)めを……」




天の声【めちゃくちゃ楽しかったです】



一同「…………」


ルーナ「……(そろ〜り)」


テオ「あっ! ルーナ! 逃げようとしてるでしょ!?」


ルーナ「ぎゃー!! だって怒られるもん! お酒飲んだから」


テオ「約束したじゃないか! しばらく自粛するって……」



ユーキ「まぁまぁ、何でルーナさんはお酒飲んじゃダメなんですか?」


ミーナ「そうですよ。酒好きに断酒は、1日たりとも苦痛過ぎます」


テオ「……それが、ルーナが王妃になってから羽目を外し過ぎちゃって……初めはまだ良かったんだ。僕の両親や家臣を(ねぎら)うとか言って、城の中にでっかいワインバーを作ったり、国を上げてのワインフェスを開いて海外の貴族との交流を盛り上げたり……」


ユーキ「相変わらず、お酒のためならアクティブですね」


テオ「そうしたら海外の国のトップからも声がかかるようになったんだ……」


ミーナ「え? そんなに嫌なことですか? 外交を考えると喜ばしいことなんじゃ……」


テオ「それが…………(いにしえ)の民の部族の(おさ)と、飲み比べ対決をして勝ってしまったり……」


ルーナ「お酒の勝負に負けるのは、マクシミリア家として恥だと教わって育てられましたから」


ユーキ「…………」


テオ「この国より大国に行った時なんかは、年配のアルフレッド国王と飲み明かして、仲良くなって……ハイタッチとかしてさ。ルーナが国王を『アルちゃ〜〜ん』と呼ぶ権利をいつの間にか貰ってたり……」


ルーナ「アルちゃんは素では寡黙な恥ずかしがり屋なんで、公共の場では喋ってくれなくなりました」


ミーナ「…………」




テオ「他にもいろいろ……いい意味でやらかしててね……だから、今は大人しくして貰っているんだ。そうしないと、連日外交で引っ張りだこになるんだよね。この国に留まることが出来なくなるほどに」


ユーキ「…………それで、ノンアルコールしか飲んじゃダメってなったんですね」



テオ「そうなんだ。『気分転換に生まれ故郷に帰りたい』なんて言うから、まぁそのぐらいならって許したんだけど……結局飲んでるし。ほら、もうお城に帰るよ!」


ルーナ「…………はーい。けどマクシミリア領で1日しか過ごしてないんだけど、お迎え早過ぎない?」


テオ「…………」


ルーナ「寂しくなったのね…………ユーキさんとミーナさん、ちょっとだけど日本酒が飲めて楽しかったよ! ありがとう! またね〜」


ユーキ「ま、また今度〜」


ミーナ「さようなら〜(手をフリフリ)」





 ………………



ユーキ「あれ? 魔王戦は? 負けイベントすら無い?」


ミーナ「…………顔合わせ……的な?」


ユーキ「そのうちあの2人と戦うの?」


ミーナ「…………」


ユーキ「あれ? ミーナさん、どうしたんですか?」


ミーナ「今、ふと思ったことを喋ったら……盛大なフラグになる気がして……」


ユーキ「あー…………」




()しくも魔王と同じ大酒飲み(ザル設定)の宿命を背負ってしまったドランケンサモナーのミーナ。〝もしかして酒飲み対決?〟と一抹の不安が彼女の胸をよぎる】


ミーナ「うっわー!! 勝手に心の中を暴露された!」



【対して〝セイク〟のユーキはコールド魔法ぐらいしか特色がないから、どうやってテオと戦わせよっかなー? とまだまだ試行錯誤中だ!!】


ユーキ「え? 真の魔王様と戦うの? (こく)すぎない??」




【ドランケンサモナーのミーナと、彼女のセイム、ユーキの冒険は、まだまだ続く!!】





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