S Q 12:千載一遇 前編
「はい、引き続き特別編です。僕たちが何故か昔懐かしいレトロRPGの世界で戦います。今回は石造りの古めかしい街にワープさせられました。今は真夜中かな? 召喚士に召喚された精霊〝セイク〟のユーキです」
「ドランケンサモナーのミーナです。あ、広場の方に誰かいますよ。いってみましょう。月明かりでなかなか明るいですね」
ユーキ「……広場のベンチに座って項垂れている、明らかに怪しい女性がいます」
ミーナ「なんだかとてつもない負のオーラを発していますね……ドレスも真っ黒で、胸元から肩にかけてフワフワなフェザーの装飾が……」
ユーキ「ワルモノ感満載な格好です」
ミーナ「……でもよく見ると、シクシク泣いていますよ」
ユーキ「本当だ。こんな夜中にどうしたんだろう? 心配なんで声をかけてみましょうか?」
ミーナ「そうですね」
ユーキ「こんばんは」
ミーナ「どうしたんですか? 私はドランケンサモナーのミーナです。こちらは私が召喚した〝セイク〟のユーキさん」
女性「…………私はノンア・ルコール大魔王役のルーナです……シクシク」
ユーキ&ミーナ「…………」
ユーキ「え? こんな所でボスと会わせる? 序盤寄りの中盤だよ」
ミーナ「まさか……負けイベント??」
ユーキ「!?」
ミーナ「しかも、ルコール大魔王も他作品のキャラをあてがってきましたね……」
ユーキ「新規のキャラを絶対作らないぞという、放送作家さんの強い意志を感じます……」
ミーナ「…………でも……ルーナさんはどっちかって言うとアルコール大魔王じゃないですか? 私以上にお酒好き設定ですよね? それが何でノンアルコール??」
ルーナ「よくぞ聞いてくれました。実は……」
ユーキ「実は?」
ルーナ「ノンアルコールしか飲んじゃダメって制限をかけられているんです…………お酒が飲みたい。特にワインを浴びるように飲みたい……シクシク」
ミーナ「……もしかして、それで泣いています?」
ルーナ「(コクリ)…………シクシク」
ユーキ「…………向こうから唐突に、毛が長い茶色の犬がトコトコ歩いてきました」
ミーナ「ルーナさんのすぐそばまで来ました。わぁ! ルーナさんの涙が落ちている地面を踏むと、たちまち黒いシルエットに……」
ユーキ「まさか……スート・レッスー? あ、またどこかへ去ってしまいました……」
ミーナ「じゃあルーナさんのストレスを解消してあげれば…………お酒を浴びるように飲ませてあげれば、もうスート・レッスーは生まれなくて……」
ユーキ「僕たちの茶番がやっと終わる!(世界は平和になる!)」
ミーナ「MABA!!」
ユーキ「おー、3人で飲むからか、バーカウンタータイプの机と椅子に3つのグラスが現れました」
ミーナ「ルーナさん、日本酒ですが飲みましょう!!」
ルーナ「え? 日本酒? 私、元日本人だから懐かしくって嬉しい!」
ユーキ「ルーナさんが満面の笑みです。いそいそと椅子に座りました」
ミーナ「じゃあみんなで……かんぱーい!」
「「「かんぱーい!」」」
ルーナ「おいしー!!」
ユーキ「美味しいですね。でも何で、ノンアルコールしか飲んじゃダメって制限かけられているの? 飲もうと思えば飲めるようだし」
ルーナ「それは…………」
【Uh〜〜 Uh Uh Uh〜】(女性の歌声の曲)
3人「「!?」」
ルーナ(もしかして……もう見つかったの?)
ーーーーーー
【突然ワープしてついた場所は、まさかのノンア・ルコール大魔王がいる広場だったドランケンサモナーのミーナと、彼女のセイム、ユーキ】
【成り行きで仲良く〝命の雫〟を飲み交わしていると、突然曲が鳴り響き場面が変わったのを感じた3人】
【果たしてこれから何が起こるのか? 2人の冒険は、まだまだ続く!!】




