S Q9:精霊のレベルアップイベント
「はい、今回は特別編の特別回です。いつもは僕たちが何故か昔懐かしいレトロRPGの世界で戦います。今は街にあるギルドのような所に来ている、召喚士に召喚された精霊〝セイク〟のユーキです」
「ドランケンサモナーのミーナです。今日は〝セイク〟のステータスの一部をアップさせる回です」
ユ「え? そうなの?」
ミ「そうですよ。精霊のレベルアップイベント回です」
ユ「……この建物で?」
ミ「まずは説明を聞いてエントリーしましょう」
【ーー教習所ーー】
ユ「建物に入ると、天の声が聞こえましたね。……教習所……」
ミ「ユーキさん、ほら早く受付のお姉さんの所に行きますよ」
ユ「…………」
ミ「すみません。ここで限定解除って出来ますかー??」
ユ「!?」
受付「はい。出来ますよー」
ユ「待って! レベルアップイベントって……自動車のミッションを運転出来るようにすること!?」
ミ「限定解除です」
ユ「ステータスをアップとか言っているけど、要は自動車免許のオートマ限定を解除するだけだよね? 戦いの能力に一切関係が無さそうなんだけど」
ミ「ミッションに乗れるようになります」
ユ「…………会社の経費?」
ミ「もちろん自腹です。さぁ、さらなる進化を目指して頑張って講習を受けましょう」
ユ「…………受付のお姉さん、限定解除について詳しく教えて下さい」
受付「はい、かしこまりました。費用は◯◯万円になりますねー。内容は4時間の講習を受けてから実技試験になります」
ユ「4時間……」
受付「それから今の時期は講習の予約が取りにくいですから、気を付けて下さいね」
ユ「休日に一気に4時間とか取れますか?」
受付「うーん。土曜日に上手く対象の講習が4つあればいいですが……難しいと思います」
ユ「…………」
受付「それと期限がありますので、この日付けまでに4時間の講習と実技を受けて下さいね。期限を過ぎてしまうと1からやり直しです」
ユ「え? そうなの?? ……費用は?」
受付「またかかりますねー。そうそう、実技試験が落ちてしまって再試験の場合も……再試験にトータルで1万円かかりますね」
ユ「…………分かりました。ありがとうございます」
ミ「ユーキさん、どうしたんですか? 思い詰めた顔をして……」
ユ「限定解除やめない?」
ミ「…………」
ユ「普通免許取る時に、講習を60時間ぐらい受けたのに、限定解除はたったの4時間しかないよ」
ミ「…………」
ユ「それにあの説明だと、その4時間の講習受けるのにあいだが開きそう……平日は仕事で無理だから休日に1つずつ受けてたら……確実に忘れるっ!!」
ミ「…………」
ユ「そして実技に落ちて再試験のために1万円……これもう、その1万円を何度も搾り取るための罠じゃない??」
ミ「そんなことないと思いますが…………ひよったんですね……」
ユ「…………はい。そんなに車好きじゃないんで。多分、限定解除したい方はミッションの仕組みが詳しく分かっていて、どこかで運転してるんじゃない?」
ミ「それは違法なんで……ユーキさんの妄想の話ですよね」
ユ「…………」
ミ「でも! 受けてもらいますよ!! レベルアップイベントですからね!!」
ユ「嫌だー!! そもそも僕がレベルアップしても、しょせんは光が通り抜けていくだけで、突っ立ってるのは変わらなそうだし!!」
ミ「まぁまぁ。ユーキさんは私が召喚した精霊なんで、召喚士の言うことに逆らえないですよ」
ユ「こんな所でゲームの設定をゴリ押ししないで!」
……………………
【ドランケンサモナーのミーナと、彼女のセイム、ユーキの冒険は、まだまだ続く!!】
限定解除。
教習所によって料金や制度が違うと思います。
しかもだいぶ前に聞いた説明なので、うろ覚えの所も適当に書いちゃってます。
本気で考えている方は参考にしないで下さい。
私はひよりましたが、受講される方を応援しております。




