S Q8:お節介は今日からやめようかな。だって理不尽な仕事を振られるだけだから
「はい、もちろん今回も特別編です。僕たちが何故か昔懐かしいレトロRPGの世界で戦います。今は川沿いをひたすら歩いている、召喚士に召喚された精霊〝セイク〟のユーキです」
「ドランケンサモナーのミーナです。もしかして対岸に渡る橋を探してますか? これ」
ユ「今回は……あのビッグイベント回ですよ」
ミ「SQ5話で言ってたやつですか?」
ユ「はい。華麗なる伏線回収ですね」
ミ「……スカイハイクエストらしい雑さですね」
ユ「実はこのイベント。かなり頑張らないといけないそうです」
ミ「?? 何でですか?」
ユ「おちょこだけど、日本酒を15種類も飲まなきゃいけないからです!!」
ミ「えー!? 素敵過ぎるイベントじゃないですか!?」
ユ「……ミーナさんはザル設定ですからね。泥酔する心配がなくていいよね……」
ミ「ユーキさんは普通設定ですもんね」
【野生のスート・レッスーが現れた!!】
ユ「わぁ。今回は川の中に現れましたね。黒いシルエットですが……ビーバーでしょうか? 尻尾の先が丸くて平べったいです」
ミ「マニアックなチョイスですね」
【スート・レッスー。種類『お節介は今日からやめようかな。だって理不尽な仕事を振られるだけだから』】
ユ「あーなるほど。これはあの時のことですね」
ミ「他部署のAさんが初めて扱う案件。だからか指示がルールに即してない時が多々あって……これまた他部署のBさんに確認してねって何度か言ったんですよ。そうしたら『聞いておいて下さい』って言われたんですよね」
ユ「Aさんは立場的に全てをグリップする必要がある人なんですよね。最終判断はあくまでもAさん。そういう業務上のルールがあるのに、それを違う人が確認して調節するのはおかしいことなんです」
ミ「…………ストレス溜まりますよね。問題があった時に吊し上げられるのはAさんだから、優しさで言っていたのに……」
ユ「世知辛い世の中ですね……」
ミ「飲みましょうか。こんな時は。『じゅもん』で……メイバ!!」
ユ「さぁ、今回はビッグイベントにかこつけた回です。細長いカウンターテーブルが出現しました。その上には綺麗に15個のおちょこ……〝聖杯〟が並んでいます」
ミ「あれ? 今回は1人分ですか?」
ユ「あ、遅れてさらに15個現れましたよ。やっぱり僕もですか……」
ミ「わーい! 早速飲んでいきましょうよ?」
ユ「あの……お水も欲しいんですけど」
ミ「かんぱーい!」
ユ「え? 最悪、川があるでしょって? はぁ?」
ーーーーーー
【ドランケンサモナーのミーナが、新しい呪文を複数覚えた!!】
ミ「あいだを置かずに15杯飲むの……きついですね」
ユ「実際のイベントでは……ハイスペースで飲む! 食べる! 喋る! でとっても楽しかったそうですよ」
ミ「お酒もすごく美味しかったし、このビッグイベントを経験出来て、一皮むけた気がしますとさえ言っていましたね…………じゃあ『お節介は今日からやめようかな。だって理不尽な仕事を振られるだけだから』のスート・レッスーに魔法攻撃をしかけましょうか」
ユ「ミーナさんが何だか真剣です。ちょっと怖い……」
ミ『Ευχαριστώ πολύ όλους όσους κάνουν sake…………』
ユ「呪文の意味は〝日本酒を作ってくださる皆さん、本当にありがとうございます〟です。唐突なネタバレです。ビッグイベントに感極まってますね」
ミ『15種類飲みました!!』
ユ「お酒の名前は割愛させていただきます」
ミ「あ、なんやかんやで攻撃がミスして、積み重ねた木の枝を吹き飛ばしてしまいました」
ユ「……あれは、ビーバーが作ったダムだったんじゃ……」
ミ「ビーバーが精神的ダメージを受けて白くなりましたね」
【チャラララ〜ン♪】
【ドランケンサモナー、ミーナの勝利!! ミーナはレベルが21に上がった!!】
ユ「たくさん飲んだから、ミーナのレベルが一気に上がったねー」
ミ「そうですね。やはり複数飲むと効率よくレベルが上げられますね。今後にどう活かすか考えましょうか」
ユ「……ミーナさんがいつになく真面目かつ冷静です。何なのその酔い方」
ミ「ドランケンサモナーとして、今なら新たな〝セイク〟が召喚出来そうです」
ユ「え? 誰を召喚するの? プロデューサー?? スカイハイレディオは登場人物少ないからなぁ」
ミ「ユーキさんの弟、トモキくんです」
ユ「名前だけ登場したキャラじゃん! しかも2回ぐらい?」
ミ『Ευχαριστώーー』
ユ「やめて! トモキの方が能力高そう! 僕の存在感が薄くなるどころか無くなる!!」
………………
【ドランケンサモナーのミーナと、彼女のセイム、ユーキの冒険は、まだまだ続く!!】




