SQ1:お盆の間の16日だけ勤務日なんですけど
〜スカイハイクエスト〜
基本的にはおそらく平和なスカイハイ王国。
そんな適当感あふれる王国は、ある日【大魔王ノンア・ルコール】の手によって、モンスターがはびこる混沌とした世界に変えられてしまった。
ルコール大魔王の手下であるモンスターたちは【スート・レッスー】と呼ばれ、精神を飲み込まれた者はスート・レッスーに姿を変えてしまう。
人々は恐怖に怯え……と思いきや『まぁ姿が変わるだけだし』とあまり深く考えずにいた。
そして持ち前の適当さを発揮した国民たちは、以前と変わらない生活を続けていた。
そんな中、この世界の戦士であるドランケンサモナーたちが立ち上がった!
彼らが召喚した精霊は〝セイク〟と呼ばれ、その人智を超えた力を宿したセイクを駆使してスート・レッスー達を倒し、打倒ルコール大魔王に乗り出したのだった。
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「はい、今回は特別編です。僕たちが何故か昔懐かしいレトロRPGの世界で戦います。今はよく分からない森の中の道を歩いてる、召喚士に召喚された精霊〝セイク〟のユーキです」
「ドランケンサモナーのミーナです。よろしくです」
ユ「…………何なんでしょうか? 路線変更すぎません?」
ミ「放送作家さんが思いついた設定で、小説を書きたくなったそうですが……くだらなすぎて非公開にするか、作者の悪ふざけ作品をスカイハイレディオ以外に作るか迷ったそうですよ」
ユ「え? それで何で僕たちが思いつきに付き合ってるの??」
ミ「名前とベースの性格を考えなくていい楽さを取ったらしいです……そしてこれ以上悪ふざけ作品を増やすのもなぁっていう、読者への謎の配慮だそうです……」
ユ「へぇ……それにしてはミーナさん、気合い入ってて、肩出てるわ無駄にフリルついてるわのコスプレみたいな可愛い衣装ですね」
ミ「AIで〝ドランケンサモナー〟とかの呪文で生成してみた絵の衣装だそうです…………ドランケンもサモナーも無視されて、よく出る普通の絵でしたが……絶対脱げないよねこれ。ここのつながりどうなってるんだろう……」
ユ「ドランケンサモナー……英語でカッコよく言ってるけど〝飲んだくれの召喚士〟ですよね」
ミ「ユーキさんなんか、召喚された精霊〝セイク〟ですけど、英語にしたらsakeですからね! しかもタイプnamaですよ」
ユ「…………生原酒? だからかな? この黒いローブにコールド魔法がかかってて、いつも冷たくて寒いんだけど…………冷やされてる? 生原酒の精霊の僕だから冷やされてる??」
ミ「あはは! それは冷やされてますねー」
【野生のスート・レッスーが現れた!!】
ユ「わっ!! 突然前方に黒い獣のシルエットみたいな存在が現れました。犬? 犬なのかな?」
【スート・レッスー。種類『お盆の間の16日だけ勤務日なんですけど』】
ミ「あー、それはストレス貯まりますねー」
ユ「僕たちの会社も、嫌がらせかって時に出勤日入りますから、気持ちは分かります……」
ミ「えーっと、こんな時は『じゅもん』で……メイバ!!」
ユ「make a bar appear = MABAです。何やらスタイリッシュな背の高い丸テーブルと、その上に2つのグラスが現れましたよ」
ミ「このグラスは〝聖杯〟ですね」
ユ「ただの日本酒用のワイングラスですね。愛用している銘柄の物なんで、見覚えがあります」
ミ「その中に〝命の雫〟が入っています」
ユ「ただのお酒です」
ミ「ユーキさん、飲みましょうよ。かんぱーい!」
ユ「〝セイク〟の僕も飲むの? まぁいっか。かんぱーい」
【ドランケンサモナーのミーナが、新しい呪文を覚えた!!】
ミ「美味しー!! 甘くってまろやか! そして後からくる少しの酸味!!」
ユ「うん、美味しい。美味しいんだけど…………ドランケンサモナーは、お酒を飲むと魔法を覚えるんだ」
ミ「みたいですねー。早速そこの『お盆の間の16日だけ勤務日なんですけど』のスート・レッスーに使ってみましょうか?」
ユ「初対戦なんでドキドキするね。犬のスート・レッスーはお行儀良く座って待ってくれています」
ミ『Ευχαριστώ πολύ όλους όσους κάνουν sake…………』
ユ「呪文の詠唱が始まりました。最近大好きなギリシャ語をぶっ込んで来ましたね。僕の体も何となく光のオーラをまとっています」
ミ『ブラックフェニックス!!』
ユ「わぁ……僕がまとっていた光が頭上で集まって……巨大な黒い不死鳥が出現しました。黒い炎を吹き上げながら、レッスーに向かって飛んでいきましたねー」
ミ「この魔法、ユーキさん必要ですか?」
ユ「僕も思った」
ミ「…………あ、黒い不死鳥はレッスーにぶつかると天高く舞い上がって、はるか上空で消えましたねぇ。レッスーはストレスが浄化されたのか、真っ白い犬になりました」
【チャラララ〜ン♪】
【ドランケンサモナー、ミーナの勝利!! 最上級魔法の1つ『ブラックフェニックス』を覚えた! ミーナはレベルが2に上がった!!】
ユ「レベルが1だったのに、最上級魔法を覚えたの?」
ミ「飲むお酒の好き具合で決めるそうですよ」
ユ「お酒って言っちゃってるよ。〝命の雫〟じゃないの?」
ミ「…………じゃあ、こんな感じで〝命の雫〟を飲んで、魔法覚えて、ルコール大魔王を倒しましょう!」
ユ「え? 続くの? これ」
ミ「……お酒飲んで叫びたくなったら、その熱い想いをここにぶつけるそうです」
ユ「へぇ…………」
【ドランケンサモナーのミーナと、彼女のセイク、ユーキの冒険は、まだまだ続く!!】




