1 手に汗握る瞬間を楽しんでいる時
「はい、始まりましたー! スカイハイレディオ、メインパーソナリティの〝ユーキ〟です」
「〝ミーナ〟です。どもー」
ユ「さっそく今日のお題に行きましょうか」
ミ「手に汗握る瞬間を楽しんでいる時……ですねー。初回からマニアックな気がします」
ユ「あー、あれだね。ハラハラドキドキする瞬間を逆に楽しむ余裕がある俺ってすごくね? ってなる瞬間ね。だいたいは痩せ我慢なんだけどねー」
ミ「そうですねー。あれですか? 他のお客さんが先に頼んでしまったお酒のボトルが、無くなってしまいそうだけど『まぁ他のお酒も好きなんだけどね』って思って待ってる感じですか?」
ユ「……お酒好きなミーナさんらしいシーンですね。……だからアレなの? この前ミーナが好きそうなお酒の最後の一杯を飲んでる僕を、鬼の形相で睨んでたの?」
ミ「?? いつのことですかねー?」
ユ「……はい、ここでリスナーさんの方からのメッセージですねー。なになに『トイレで残り少ないトイレットペーパーを前にお腹を下している時……』 どこに余裕があるんでしょうかー?」
ミ「絶望的な瞬間ですよね。もう逆に楽しんじゃって、現実逃避してるんですかねー」
ユ「そうかもしれないねー。俺がもしそうなったらミーナさんにソッコー連絡して呼び出すんで、トイレットペーパー持ってきて下さいね」
ミ「えー、それ私じゃなくて、ユーキさんの数少ない友人に連絡して下さいよー。私、これでも忙しいんで。あ、弟くんいるじゃない。トモキくんに連絡して下さいねー」
ユ「……ミーナさん、初回から僕の友人事情と家族構成と、家族の個人情報を全国に流さないで下さい……」
ミ「……私がお酒好きな飲んだくれのような発言したユーキさんが言わないで下さい!」
ユ「でたっ! 鬼の形相だよ! ラジオだから伝わらないけど、僕の前に鬼がいるよっ!!」
ミ「……さぁ、気を取り直して、他のリスナーさんからのメッセージを紹介しますー! 『遊園地でジェットコースターに乗っている時』 ……ベタですが王道ですねー」
ユ「え? 手に汗握るの? 僕、楽しくて大笑いするんだけど……」
ミ「……確実にリスナーを1人減らしましたね。ちなみに私はリスナーさんの気持ち痛いほど分かりますよー!」
ユ「そんなに酷いこと言った? 今度ラジオの企画で一緒にジェットコースター乗ろうよ。しばらくミーナの絶叫と僕の笑い声しか聞こえないけど」
ミ「絶対、却下ですねー。何が面白いんですか?」
ユ「わぁ! すごい冷たい目線! 何かに目覚めそうだー!」
ミ「……じゃぁ、ユーキさんの〝手に汗握る瞬間を楽しんでいる時〟は何ですかー?」
ユ「僕はあれですね、車のガソリンの給油ランプが付いてるのに、補充せずに走り続けるドキドキ感を楽しんでる時ですねー」
ミ「……はい、ユーキさんの微妙な例が出た所で、今日はここまでになりますー」
ユーキ&ミーナ「「でわでわ、また明日ー」」