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第131話 ユウキは邪神の元へ、そして・・・

「いやーーー!カツヤ!カツヤ―――」


目の前には動かなくなった魔王とカツヤがいる。魔王の死体はそのまま光となって消えて行った。動かなくなったカツヤはそのままだ。アイが叫びながらカツヤに近づく。


アイが何度もカツヤの事を呼ぶが、カツヤからの返事はない。


「カツヤ・・・」


(クソッ!最後の最後でやってしまった。どうして俺はカツヤを守れなかったんだ。ゲームじゃないんだぞ。世界樹の葉を使ったって生き返らない。どうして・・・どうして・・・)


ユウキの目の前ではカツヤの傍で号泣している。アイとアイカ。そしてそれを見つめるリヨン達。


「ユウキ・・・どうにかしてあげられないの?」


「ジュリア・・・ああ。こればっかりはどうにも・・・。」


「ユウキ様?私のようにヨルダンに行けばカツヤを生き返らせる事ができるのではないですか?」


「いや・・・多分無理だ。そもそもカツヤがヨルダンに現れるかどうかわからない。」


「女神様にお願いしたらなんとかしてくれるんじゃないか?」


(女神様か・・・たしかに女神様に頼めばなんとかしてくれるかもしれない。だけど、女神様はカツヤが死ぬかもしれないから魔王戦には同行させるなって事前に注意してくれていた。情に負けてそれを破ったのは俺だ。つまりカツヤが死んでしまったのは俺のせいだ。)


ユウキが何も手立てがない事に絶望していると、ユウキの持つアイテムが激しく光った。


「ユウキ!?」


ユウキは光ったアイテムを探し手に取った。


「これは・・・」


ユウキが手に取ったアイテムはプラチナドラゴンとの闘いで手に入れたプラチナの雫だった。


(たしかこれは、奇跡を起こすかもしれない???なアイテムだったよな・・・奇跡!!!まさか。)


ユウキは手に取ったプラチナの雫を鑑定した。


【名称】プラチナの雫

【効果】奇跡を起こすかもしれない???なアイテム


※ユウキ。魔王を倒したのは良かったけど、私の忠告を無視するからこんな事になるのよ。まあそこがユウキの良い所でもあるんだけどね。


そうそう。ユウキの手に入れたプラチナの雫はね・・・なんと・・・なんとなんと・・・カツヤを生き返らせる事ができる激レアなアイテムです。


(まじで!!!!よし!!!さすが女神様!!)


※あっ。よかったって思ったでしょ?思ったわよね?でも安心するのはまだ早いわ。


このアイテムはね、正直ユウキが邪神を倒したらご褒美にしようと思ってたアイテムなの。そのご褒美っていうのは・・・ご褒美は・・・ユウキの世界に戻る事よ。


驚いた?驚いたでしょ?しかも、しかもよ。ユウキの今まで上げたステータスはそのまま地球に帰れるのよ。すごくない?ねぇねぇすごくない?


今の力を持ったまま地球に帰ったらあなた英雄よ。チートもビックリ大金持ちも一瞬よ。更に、ジュリア達を一緒に地球に連れて行く事もできるわ。もはやチーレム野郎ね。


どうする?どうする?カツヤを生き返らせるか。それとも邪神を倒して地球に戻るか。選べるのは一つよ。好きな方を選びなさい。


(地球でチーレムか・・・たしかにそれはそれでおもしろい・・・だけど・・・)


『女神様。聞こえてますよね?俺はカツヤを生き返らせたい。始めはゲームの事もあったからイヤなヤツだと思ってたけど、だけど・・・カツヤを使ってた時から俺はカツヤってキャラが好きだった。ユウキに転生してカツヤと付き合うようになって親友だと思ったんだ。だから・・・だから女神様。カツヤを生き返らせてください。』


『ふふっ。わかったわ。ユウキらしいわね。そんなユウキ。私は好きよ。』


『女神様。』


『私に任せておきなさい。ユウキはまだやる事があるでしょ。後の事は任せたわよ。』


『はい。ありがとうございます。女神様。』


ユウキの元からプラチナの雫が離れていき、カツヤの元に吸い込まれていく。倒れて動かなくなったカツヤの口にプラチナの雫が入っていき、カツヤがまばゆい光に包まれた。


光がおさまると・・・


そこには・・・


「あれ?俺どうしたんだ?アイ?アイカ?なんで泣いてるんだ?」


死んだはずのカツヤがとぼけた顔で起き上がったのだった。


「「カツヤ!!よかった。よかったーー。」」


「おいおい。どうしたんだよアイ?アイカ?お~いユウキ。どうなってるんだ?説明してくれ。」


ユウキはカツヤに状況を説明する。


「そうか・・・俺は一度死んだのか・・・。ユウキありがとう。お前のおかげだな。」


「気にするなよ。親友だろ?俺達。」



その後、生き返った喜びと魔王を倒した喜びを全員で分かちあうユウキ達とカツヤ達。そして・・・


「やっぱり行くのか?」


「ああ。俺達は邪神を倒しに行く。いつ戻ってくるかはわからない。」


「でもいいのか?俺が魔王を倒した事にしてしまって?」


「もちろんだ。実際カツヤの一撃がなかったら魔王を倒せなかったかもしれない。それに勇者が魔王を倒したって方がみんなも安心するだろ?」


「わかった。死ぬなよユウキ!」


「ああ。もちろんだ。」


ユウキ達は邪神の元へ、そして・・・カツヤ達は魔王討伐の報告の為に・・・町へと戻るのだった・・・

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