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第118話 風の魔人ウインドン

「残るはぐれ魔人は2人ね。やっぱりサブ職業の証は全部のはぐれ魔人を倒さないと手に入らないのかしら?」


「多分ね。」


(あの女神なら、そういった仕様にするはずだ。はぐれ魔人は今の所、全く強くないからもしかしたらはぐれ魔人を倒しただけで手に入らないかもしれないけど・・・。まあ今の所、他にやる事はないんだし、動いていれば何かしらあるだろ。)


「それにしても驚きました。炎の魔人をあんな簡単にやっつけるなんて。」


「そうよユウキ!先に言っといてよね。せっかくシャドー対策に色々考えてたのに全部無駄になったじゃない。」


「アタシもどうやって倒そうか。どうやって戦おうか考えてたのに無駄になったぞ。」


「ごめんごめん。次からはちゃんと言うようにするよ。」


ちなみに火の魔人フレイムンを閉じ込めた火の指輪は、フレイムンがうるさいので、袋の中に閉まってある。


「なら、次にむかってる風の魔人ウインドンについて教えてくれるかしら?」


「OK。じゃあ風の魔人がいる洞窟から説明するね。」


ユウキは風の魔人のいる洞窟について説明した。



「迷いの森・・・ですか?」


「ああ、正直正確なルートは俺も覚えていない。だけどヒントが隠されてる場所は知ってるから、その場所にさえたどり着ければ攻略するのは簡単だ。」


「出てくる敵は森の妖精なのよね?倒して大丈夫なの?」


「森の妖精って言っても魔物だからな。問題ないだろ。」


「マスター?ウインドンはどうなんだ?」


「ウインドン戦はとにかく敵の数が多い。連続戦闘になると思う。フレイムン自体はそこまで強くないよ。」


(たしかゲームではウインドンの所まで辿りつくと、大量の森の妖精に囲まれるんだったよな。ゲームじゃ5体の森の妖精との闘いを4回して、その後、フレイムンと森の妖精4体との戦闘だったから、森の妖精が全部で24体か・・・。5体ずつ襲ってくるとかないだろうし24体との戦闘になる可能性もあるな。)


そんなこんなで、フライを使って南に移動していると、南の島にうかぶ洞窟を発見した。


「あれね。」


「ああ。」


「早速入りましょ。」


ユウキ達は洞窟に入っていく。洞窟に入ると、いきなり階段があり、その階段を降りると・・・


「ユウキの言っていた通りね。」


前後左右に通路があり、それぞれの先は空間が渦巻いていた。


「ああ。決められた順番に進まないと出る事もできない。迷いの森と呼ばれる所以だ。」


「どこから行きましょうか?目印とかも付けて行った方が良いでしょうか? 」


(どうなんだろ?目印なんてゲームじゃなかったからよくわからないな。)


「とりあえず適当に進んで見ようか。出てくる魔物も火魔法なら一撃だろうしね。」


ユウキ達は迷いの森を適当に進んで行く、右に、左に、上に、下に・・・


「全然ダメじゃない。入ってきた階段見つからないし、出れないじゃない。」


「まあ出るだけだったらエスケイプで外に出る事はできるから。」


「毎回毎回同じ光景なので、進んでるのか進んでないかもわかりませんね。」


「同じ景色ばっかりでアタシは疲れたぞ。」


(さすがにどう進めば良いかなんて覚えてないからな~。それにゲームじゃひらすらコントローラー動かすだけだったから特に苦労もしなかったし、現実じゃ自分で歩くから肉体的にも精神的にも来るもんがあるな。)


その後も右へ、左へ、下へ、上へと移動するユウキ達。


「おっ!!ここだ。ここだ。」


ユウキ達は真ん中に木がある場所に辿り着いた。


「いつもと違って木があるわね。あれにヒントが書いてあるの?」


「ああ。気の裏側に彫られてるんだ。ちょうどヒントも見つかったしちょっと休憩しようか。」


ユウキ達は休憩しながら、木の裏側に書かれているヒントについて話合った。


木の裏側には・・・


『太陽は3回昇って、2回落ちるだろう。寒さに震える事3回、暖かさを目指して2回進めば道は開けるだろう。』


と書かれてあった。


(そうだそうだ。右左上下だ。思い出した。)


「どういう意味?」


「ああこれは、東に3回、西に2回、北に3回、南に2回いけば迷いの森を抜けれるって事だ。」


「さすがですユウキ様!」


「マスター。北ってどっちなんだ?」


「えっ!?」


(あれ?そういえば北ってどっちだ?ゲームじゃ画面の上が北だったから気にもしてなかったけど・・・。そういえば地上は太陽の位置を見ながら方角をきめてたっけ。)


「それは・・・。わからない。」


「ダメじゃない。どうするのよ。」


(考えろ。考えろユウキ。いや待てよ。たしか木の裏側はゲームじゃ北側だった。ならこっちが北だな。)


「こっちが北だな。」


「ユウキ様?そのヒントってここからの道を示しているんですか?」


「あっ・・・。」


(そうだ。階段を降りてからの道だった。エスケイプで戻ってもいいけど、そうしたらどっちが東かわからないぞ。)


ユウキはどうしたものかと、木の周りをう~ん。う~ん。とうなりながら考えていた。


すると・・・


ヒントが書かれている所の下に、別の文字が彫られているのを発見した。


『道に迷ったら真っすぐ南に進むべし。そうすれば無事に帰れるであろう。』


「これだ!!」


休憩を終えたユウキ達は、ヒントが彫られていた逆側をひたすら進んだ。5回程進むと、降りてきた階段が見えてきた。


「よし。入口に戻ってきたぞ。これなら方角もわかるし、無事に抜けれそうだ。」


「一時はどうなるかと思ったけど、いけそうね。散々迷って疲れたわ。早くウインドンを倒して帰りましょ。」


ユウキ達はヒント通りに、迷いの森を進み、最後に南の渦を抜けた。すると、目の前には多数の森の妖精が、そしてその後ろには、トレントのような形をする魔人?がいた。


「よくぞ、ここまで・・・」


「灼熱地獄!」

「サイクロン!」

「ヘルファイア!」

「スパーク!」


ウインドンがしゃべり終わる前にユウキ達は先手必勝とばりに広域魔法を連発した。


火魔法がサイクロンの風魔法で火の台風となり、空からは雷が落ちた。大きな轟音とともに、魔法が吹き荒れる。魔法が消えた後には・・・


ウインドン、森の妖精、ともに全て消えていたのだった。


「終わったわ。さあさっさと帰りましょ。」


ジュリアの言葉に、ユウキは地面に落ちてる岩の指輪を拾い、エスケイプの魔法を使うのだった。


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