第六十七話 「эксклюзивный・Четверг(エクスクーズィニエ・サーズデイ)」
そして、木曜日を迎えた。
「(Цвефов. и Коно,)
(ツベフォフ...そして、コウノ------)」
「Судя по всему сегодня
утром У должен прийти
на работу в здание
компании на
Московском проспекте.
(・・・どうやら、予定だと、
У(ウー=河野)は今日の朝、
"モスクワアベ"の社屋に
出社する予定の様だな...)」
「сейчас 10 утра верно?
(・・・午前10時よね?)」
「Ой.
(・・・ああ。)」
買い出しを装い、地下から地上へと出たレベデワは、
Абсолютная-Øのドーム型の地上の施設から
三十分ほど離れた場所にある、雪に埋もれた廃屋の中で、
今回の"休暇"作戦の共同捜査員である
"19"と携帯で連絡を取る・・・・
「(Чтобы арестовать Коно
и Цувефова их надо
арестовать
одновременно!)
(河野、そしてツベフォフの二人を逮捕するには、
二人を同時に拘束しないと....!)」
Партия Воля
Кириллов и Антон.
(・・・党志、キリロフ、そしてアントン。)」
レベデワが、小屋の中で自分の後ろにいる
二人の男性捜査員に目を向ける
「да.
(ダー)」
「Проверьте И!
(....И(イー=ツベフォフ)を確認!)」
「Похоже, вы готовы
(準備は、出来てるみたいね....)」
「・・・・」
「Хе-хе.
(・・・へへっ)」
「(・・・・)」
氷の様な目をした、大柄な男たちは
今回の捜査で指揮を執るレベデワの言葉に
短く返事を返すと、何か意味がある様な
顔つきを見せながら、睨みつける様に
ただ前を見る-------
「Кроме того
приготовления
завершены. После того
(・・・こちらも、"準備"は整ったわ。
後は....)」
「Одновременное
обеспечение
безопасности наверное
("同時確保"、と言った所か・・・)」
「да,------
(ええ、--------)」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「(何なんだ、急に-------)」
午前10時前
「・・・・」
「(今日は、ポジショナーで
仕事だと聞いてたが...)」
"サアアアアアアアアァァァ--------"
「Что-то вот-вот
произойдет,
Сегодня у меня такое
предчувствие.
(・・・何かが起こりそうな-------
今日は、そんな"予感"がする--------)」
「(・・・・)」
"サアアアアアアァァァ--------
今日の仕事であるポジショナー変電設備試験場での
機械の入れ替え作業のための準備をしていた隆和は、
就業直前に何故か呼び出され、
この閉ざされた世界の中で目の前に流れる
小川の前に無言で立っているツベフォフの後姿を
少し離れた場所から覗き見る-------
「Согласно рассказу,
(話によれば--------....)」
「・・・?」
やや離れた場所にいるツベフォフが、小川の方から
こちらに向かって振り返るが、
わざわざこの場所に呼びつけて来た割に
何か特にする訳でも無く、
無言で川縁に立ち尽くしている様子に、隆和は
何かいつもとは違う奇妙な印象を感じ取る-------
「Мир давным-давно
старше чем мир в
котором мы живем
сейчас
(今私達がいる世界より、遥か昔...
古い世界------)」
「・・・・、」
"また訳の分らん話が始まった"
「(時々、この男はまるで意味の分からん話を
し出す時があるんだよなー)」
「Говорят что в этой
русской земле было
место называемое
краем света под
названием Лукоморье
(このロシアの大地には、ルコモリエと呼ばれる
世界の果てと見做される場所が
あったと言う------、)」
「Ха, конец света
(はあー 世界の果て)」
仕事の都合上、今目の前にいる、
この訳の分からない事を話すロシア人に
愛想良く振舞わなければいけない事が分かっている
隆和は、殆ど興味が無い外人の話に
適当に相槌を打つ
「Этот закрытый мир
(この、閉ざされた世界--------、)」
"ザッ ザッ ザッ ザッ--------"
「Пространство этого
закрытого мира
создано из вечной
мерзлоты где когда-то
стояли старые руины
(この閉ざされた世界の空間は、
かつて永久凍土の、古い遺跡があった場所を
利用して造られた場所だ-------)」
「Ха, понятно...
(はー なるほど...)」
"ザッ ザッ ザッ ザッ--------....!
「(・・・だから、地下にこんな
広い場所があるのかー)」
この様な地下の場所に、何故
この様な広い場所があるのか。
理解していない、いや興味すら
持っていなかったが、話を聞いて何となく
その理由が分かった様な気がする
"ザッ ザッ ザッ ザッ---------
「(・・・?)」
「Согласно древним людям
что Лукомори, чтобы
попасть на край света
нужно быть принятым
посланником ангела
(古代の人々の話では、そのルコモリエ、
世界の果てに入るためには、天使の使いからの
"迎え"が必要だったと言う------)」
「(人・・・?)」
"ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ--------!
「・・・・?」
何か、汚感を感じ、小川の前にいるツベフォフから
入り口の方に何となく振り返ると、そこに
微かに見える、黒い粒の様な大きさの
人影の様な姿が目に入ってくる....
"ザッ! ザッ! ザッ! ザッ!
「Говорят что посланники
семи богов послали
один меч человеку
который должен был
быть посланником
богов неся
священный меч
(七人の神の使いは、聖剣を携えた
神の使者となるべきその男に、
一つの"剣"を遣わしたと言う-------)」
「...ммм, меч...?
(・・・け、剣...?)」
"ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ--------!
「・・・?」
「--Я.... Это~~-- Низко---
(------イ....っ この~~----
ロウ------....ッ)」
"ザッ! ザッ! ザッ ザッ--------!!
「Видимо пришел заборщик
(どうやら、"迎え"が来た様だ--------
「Лебедева...?
(レベデワ・・・?)」
「Бефов...! -- ни,, ~~~ сай
(------ベフォフ...!
----に、、 ~~~さいっ)」
「----Нояро!?
(------ノヤロウッ!?)」
「(え・・・?)」
何か、入り口の方に見えていた
点の様な小さな黒い粒の塊が
徐々に大きくなってくるのを感じ、
その黒い点に目を向けると、
数人の男女がこちらに向かって
叫び声を上げながら走って来る姿が見える
「Пошли, Такака,
(....行こう、タカカ--------)」
「え?」
"ザッ!"
「Я-я иду,
Где? ?
(い、行くって--------
ど、どこへ------??)」
"ザシャッ ザシャッ ザシャッ ザシャッ!!
「(・・・!)」
訳も分からず、ツベフォフから後ろに振り返り、
遠く離れた入り口の方に見える黒い粒を
じっと目を凝らす様に見ると、そこに
"レベデワ"
「("男"--------)」
そして、見るからに一般の作業員ではない、
何か軍隊の様な服を身に纏った
屈強そうな二人の"男"の姿が見える
「Цубефофху!
(・・・・ツベフォフッ!)」
「え? ------
「Видимо она в плохом
настроении
(どうやら、"彼女"は、
"機嫌"が悪いらしい--------)」
「? ???」
「Цубефоху!
(------ツベフォフーッ!)」
「な、何だ・・・!」
"ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ--------!"
「(こ、こっちに------
「Стой!...ты больше не
можешь покинуть
это место!!
(止まりなさい! ・・・アナタはもう、
この場所から離れる事はできないッ!!)」
「-------??」
遠目から、殆ど全力でこちらに向かって
駆けてくるレベデワを
目を見開きながら見ていると、手には
"拳銃"が握られ、その脇に二つの影を従えながら
こちらに凄まじい速さで駆け寄って来る!
「Вы будете арестованы.
(-------"逮捕"されるぞ。)」
「・・・・え」




