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第五十一話 「ненормальный звук(違音)」

挿絵(By みてみん)


「(しかし、変な模様だな・・・)」


"キラッ"


「(ツベフォフ氏は、何か、この銀の瓶で


  コイツ(エモイソード)をこの施設内で


  持ち歩く事ができると言ってたが....)」


"コン コン"


「・・・・?」


隆和が、数日前に地下にある巨大な


閉ざされた世界と呼ばれる場所で、自分の持っている


プラスチックの剣、エモイソードにツベフォフが


(くく)り付けた不思議な模様が施された銀の瓶を


自室のベッドの上で掲げていると、


部屋の外からノックの音が聞こえて来る


「Такаказу, Лебедева,

(タカカズ、レベデワ------)」


「О, он открыт

(ああ、開いてる)」


「・・・・」


"ガチャ"


「Эй я хотел бы кое-что


 спросить о завтрашней


 отгрузке рыбы

(ちょっと、明日の魚の出荷数の事で


 聞いておきたい事があるんだけど...)」


"コッ コッ コッ コッ.....


部屋のドアを開けると、レベデワがそのまま


部屋の隅に置かれたベッドの上に座っている


隆和の側まで無表情で歩いて来る


「Что ты снова играешь


 в игру?

(------何、アナタまた、


 "ゲーム"をやってるの?)」


「Нет нет я не об этом

(・・・い、いや、


 そう言うワケじゃないんだが...)」


「------?」


"キラッ"


「Что это за бутылка?

(・・・何、その"瓶"みたいなのは....?)」


「О, о, это оно?

(あ、ああ これか?)」


相変わらずおもちゃのプラスチックの剣を持って


ベッドの上に座っている隆和を見て、


飽きれ顔を浮かべながらレベデワが


その手に握られた剣を見ると、剣の柄の部分に


銀色に光る、不思議な装飾が施された


瓶が括り付けられているのが見える------


「Нет нет я получил это


 от мистера Цвефова

(い、いや、ツベフォフ氏に


 もらったんだが------)」


「…Директор Цвефов?

(・・・ツベフォフ所長に?)」


"ブー ブー ブー"


「В любом случае если у


 вас есть эта бутылка

(何でも、この瓶を持ってると------


"ブー ブー ブー"


「?」


「Такакадзу мобильный,

(タカカズ、携帯-------、)」


「···а,

(・・・あ、)」


"ガサッ"


「(河野先輩--------)


 О мне только что


 позвонили из


 головного офиса так


 что я ненадолго


 выйду на улицу

(あ、ちょっと本社の方から電話が


 かかって来てるから、少し外に出て来るわ)」


「Сколько это немного?

(少しってどれくらい?)」


"ガタッ"


「Нет Я думаю это скоро


 закончится

(いや、------....すぐ、済むと思う....)」


「да,

(そう------)」


"ガチャ"


「・・・・」


"タッ タッ タッ タッ....


「(Эта бутылка,,,)

(この瓶-------....)」


「・・・・」


部屋から出て行った隆和の後姿を見ながら、


ベッドの上に無造作に置かれた


銀の瓶を、レベデワが手に取る-------


「(・・・・)」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「それじゃあ、特に問題なく、


 そっちでも作業は進んでるって事だよな?」


「ええ、まあ------


 この間は、何かいつもよく話してる


 "心和"だとか何だとかで少しおかしな事を


  やらされましたけどね------」


「おかしい、って何がだ?」


「い、いや! 


 ・・・そんな大した事でも無いんですわっ」


「・・・?」


モフソゴルロフでの仕事振りの報告を聞くために


電話を掛けた河野は、相変わらず自分の部下である


今電話の前で不審な挙動を見せているこの男が、


赴任先の職場で当たり障り無く


仕事をこなしている事に特に関心も見せず、


無表情で話を聞きながら受話器に耳を()てる


「意外とお前も、


 "適応力"みたいな物が高いんだな」


「い、いや、そんな事も無いっスわ!」


「・・・そう言えば、話は変わるが-------」


「何スか?」


珍しく、上司である河野の口から


自分を褒める言葉が出たのを見て


気を良くしたのか、声を一段と高くしながら


隆和はハキハキと返事する


「・・・そっちのアブソ....


 Абсолютная-Øに、確か、


 お前と一緒に来てる女の社員がいたろ?」


「ああ、"レベデワ"の事ですか」


「・・・・」


「・・・・」


「その、レベデワ何だが....」


「何か、ずい分、声の感じが低いですね」


「------何となく、だな


 で、そのレベデワ何だが、どうもここの所、


 ウチのスサケフスキ....」


「ああ、あのアル中の。」


「・・・まあ、確かに


 アル中かも知れんな。アイツは。


 それで、そのスサケフスキが


 何かやたらと頻繁に、そのレベデワ....


 そっちにいる、その女社員とよく


 連絡を取ってるみたいなんだが・・・」


「全然、聞かされてませんね」


「------全くか?」


「ええ、どうやら私は普段


 ゲームばっかりやってるせいか、


 あのレベデワさんとは距離を置かれて


 プライベート的な事は全く話ししないんですわ」


「そうか・・・」


「・・・・」


少しの間話に間が空くが、指示待ち人間型の隆和は


その空いた間をまるで気にせず、ただ黙って


河野が話し出すのを何も考えずただ聞く


「・・・どうもおかしいんだよなー。


 何だったら、ここんとこ週に下手したら


 毎日の様に電話掛けてる


 みたいなんだがな....」


「・・・定時報告ってヤツじゃないスか?」


"キュッ キュッ"


部屋から持ってきた明日の作業で使う


金属の棒の様な物を作業着の片袖で磨きながら、


隆和は適当に返事する


「・・・それにしても


 ちょっと電話しすぎじゃないか?


 俺とお前を見て分かる様に


 いくら会社の仕事で連絡を取ると言っても


 そんな物は週に一度...なんだったら


 業務内容にもよるが、月に一度も


 連絡すればいい話だろ」


「ははあ... ハアーっ」


「?」


棒を自分の顔の前に掲げると、隆和は


棒に軽く息を吐きかけながら答える


「いや...もしかしたら、二人は、


 デキてるんじゃないっスかね?」


「あの二人がか?」


"キュッ キュッ"


「いや、社内恋愛なんてよくある話じゃないですか。


 そんな頻繁に電話をしてるくらいなら、


 何か、そんな事も全然あるじゃないっスか」


「う~ん...」


腑に落ちないのか、河野は軽く


(うな)った様な低い声を上げる


「いや、そうだとしても....


 それに、この所、どうも俺の周りで


 おかしな事が多くてなー」


「・・・何スか? それ?」


"キュッ キュッ"


「いや、うまくは言えんが....


 何故かはよく分からんが、何か、


 おかしい様な気がするんだなー」


「・・・霊でも取りついてるんじゃないスか」


"ブンッ ブンッ!"


「・・・そんな訳あるか。


 まあいい、分かった。」


「そうスか」


"ブンッ ブンッ"


珍しく、河野があまり意味の無い事を


話しているのを聞きながら、隆和は


自分の持っていた金属の棒を


まるでゴルフクラブの様に居住区画の


狭い通路内で素振りする


「また、ゴルフでも行きましょうよ」


「・・・お前、少しは腕上がったのか?」


「最近けっこうこっちでも


 ランニングとか、運動したりしてるんスわ。


 意外と、基礎体力みたいなモンは


 ついたみたいなんスわ。」


「・・・それだったら多少は


 俺の相手になるかも知れんな...


 今度、握るか?


 こっち(ヨーロッパ)でも面白いコース


 けっこうあるんだわ」


「いいっスね」


"ブンッ! ブンッ!"

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