第四十八話 「застенчивость(伏心)」
ヒュオオオオオオォォォォオオ
「(・・・!)」
"ガサッ ガササッ"
「(・・・・)」
"コッ コッ コッ コッ--------....
「(・・・何か------)」
藻須区輪亜部新聞、社員寮。
「(・・・・)」
深夜遅くまでかかっていた仕事を終え、
第四編集局の編集長を現在兼務している河野は
5階にある自分の部屋へと帰宅すると、
そのまま鞄をベッドの上に置き
部屋の明かりのスイッチに手を伸ばす
"パチッ"
「(・・・ ....)」
"ヒュオオオォォォオオオ--------"
「(閉めた気がしたが-------)」
"バサッ バササッ"
「(・・・・)」
何か、朝部屋を出る時に忘れていたのか
河野は玄関から一番離れた場所にある
自室の部屋の窓の側まで歩いて行く....
「フウー」
"ドサッ"
窓を閉めると、この所仕事でロシア政府高官と
やり取りをしているせいか、鈍い重さの残る体を
開け広げに足を開きながら、
ソファの上へと沈ませる.....
「(・・・・)」
"ヒュオオオオオオォォォォ--------....ッ
「(・・・・)」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「おい、スサケフスキ....!」
"ガタッ ガタタッ!!
「ヘイ! ゴウナスワァンッ!?」
「-------??」
「キョウモ、アントゥワ、
ズイブンリッパナ"イデタチ"ヲ
シテルンジャヌェクワッ!?」
「あ、ああ------」
「------ナンダイッ、
ソノヨウスジャ、アンタキノウムォ
"ゴゼンサマ"ダッタンジャ
ネエノクワァイッ!?」
「(どうしたんだ、こいつ------)」
「ヘイヘイ!? ゴウナッ!?
------ゴウナスワンッ!?」
「(・・・・)」
前日の夜から一晩経ち、河野が
仕事の確認を取るため第一編集局まで訪れると、
つい先日まではまるで冷えたソバの実を
食べた様な態度を浮かべていたスサケフスキが、
変わって、明るいどこか江戸時代の
町人を思わせる様な態度で話し掛けてくる
「・・・・スサケフスキ、この、先月のタクシーの
領収書の事なんだが...」
「------タクシーッ!?
ヘヘッ!? チョックラマテクンナセエ!!」
「(・・・・)」
"ガサッ ガササッ"
愛想の良い下民の様な表情を浮かべると、
スサケフスキは自分の机の引き出しを
嬉々とした表情であさり出す
「・・・・」
「ヘヘッ チョト、マトイテッ!、
マトイテッ! クダセエッ------!?」
"ガサッ ガササッ"
「(・・・・)」
あからさまに前回会った時と
態度が変わっている目の前の男に、
河野は思わず顔を顰めるが
「ダンナ------ッ
ソレニシテムゥオッ クゥオノッ!?
クソサムイジキダットゥェノニィ...ッ
ダンヌァムォ、トゥアイヘンデショウ------?」
"ガサッ ガササッ"
「あ、ああ------」
「チョックラ、スコシオチツゥイテ
ココラデ、コイツデモドウカイ------?」
"ドンッ!"
「・・・何だ、それ、ウォッカか?」
どうやら、資料を探すのに手間取っているのか
机の引き出しをあさっている反対の手で、
スサケフスキは手にしていたウォッカの瓶を勢いよく
机の上に叩きつける!
「ナニ、ソウ、カタニ
チカラヲイレルコトハネェ-------
"コイツ"デモノンデ、スコシ
キヲオチツケタラドゥダイ....?」
「・・・そんな事より、さっさと
タクシーの経費の書類を
渡して欲しいんだが...」
「------オッ アッタゼ ゴウナスワンッ」
"スッ"
「・・・・」
引き出しの奥の方にしまっていたのか、
スサケフスキは雑に物が置かれた机の中から
一枚の書類を取り出す
「------ヘヘッ
ソイツデアッテルンダヨナッ!?」
「・・・・ああ、これだ...」
渡された書類を手に取ると、河野は
妙な笑顔を浮かべているスサケフスキを
まじまじと見る
「マッタク、サイキンサムクテ
イヤニナルネエ------ッ!?
エエッ!? -------オイッ!?」
「・・・何だか分らんが、
とりあえず、そのウォッカの瓶は
しまっとけ。」
「オッ------!?
コイツハキヅカナカッタ!?
"イッポン"! ------"イッポン"
トラレタンジャヌゥエクワッ!?
-------カワワッ!」
「・・・何か、あったのかも知れんが、
ここは、"会社"だ。
....お前そこんとこ分かってるんだよな?」
「スマヌゥエ------、スマヌゥエ------
ゴウナスワン....!」
「・・・・」
かなりおかしな様子を見せている
態度に妙な印象を感じながら、
手渡された資料を手に取ると、河野はそのまま
踵を返し部屋の外へと出て行く・・・
「(ゴウナッッ....
テメェガッ "チョウシ"ニノッテラレルノモ
"イマノウチ"ダゼ.....ッ?)」




