第三十一話 「Вечеринка(パーティー)」
「(思った通り、"効果"はあったみたいだな...)」
"カチッ カチッ"
深夜、藻須区輪亜部新聞第四編集局。
【-------河野編集局長っ!!】
【....支局長っ 支局長っ!?】
【ツアーリ!? ・・・ツアーリ!?】
「(あいつら・・・・)」
この第四編集局をまとめる、局長である河野は
昼間の部下達とのやり取りを思い返しながら、
明かりの無い部屋の中で
自分のパソコンに表示されたこの所、
急激にそのサイトの閲覧者数を増加させている
アロ!・コムソモーレツ紙のデータが表示された
資料に目を通す
「(少し、"法外"な手段だったが...)」
【いやー それにしてもスゲーすよね!?】
【・・・何がだ?】
【いや、今までこのアロ!の紙面は
このモスクワ市内でも特に
話題とかになるような
紙面とかじゃ無かったんですけどね!】
【それが、河野支局長がこの局に来てすぐに
"ドーン"、ですもんね!?】
【・・・・】
【一体どんな手使ったんスかっ!?】
「(・・・・)」
"カチッ カチッ"
昼間、部下の太田が言っていた言葉に、河野は
暗がりの中でパソコン内に表示された
資料を見つめながら
ここ一週間ほどの出来事を思い返す....
【Hirofumi...
"Es kann eine etwas schwierige Methode sein
(ヒロフミ...
それは、少し難しい方法かも知れない)】
「...Paul CLO....
(・・・パウロCLO....)」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「I'm hornor to see you,your minister...
(初めまして...)」
「Oh, are you Kouno?
(ああ、君が、"コウノ"か?)」
「Yeah, I'm Director Kono,
the Japanese representative of Earth nEws.
And this is Paulo von Lindamann CLO,
and Editor-in-Chief at Earth nEws....
(ええ、私は、Earth nEwsの
日本人の代表である総局長河野。
そして、こちらが、Earth nEwsで
法務局長と編集局長を務める、
パウロ・フォン・リンダマンCLO....)」
「Paul...
(パウロ...)」
「This time, to invite you to the party
for inauguration of vice-chairman of
the Ministry of Communications'
Electronic News Committee...
(今回、この通信省の
電子報道委員会への副議長就任パーティーに
お招き預かるとは...)」
「You called me, didn't you?
(------君が、私を呼んだのではないのかね)」
「(これが、通信省の大臣....)」
ガヤ
ガヤ
ガヤ
ロシア、モスクワ。
赤の広場から程近い、トヴェルスカヤ通りに面する
"Плисецкая Интернэшнл
Отель
(プリセツカヤ国際ホテル)
その37階にある、広々とした
まず一般のロシア人では出入り出来ない様な
壮麗なホテルのホール内で、
河野は自分の上司である
Earth nEws法務部門代表兼編集局長である
パウロ・フォン・リンダマンCLOと
今目の前にいる、今日主催されている
政治パーティーの主役である、
黒基調のスーツを着たロシア人の官僚らしい
冷淡な鋭い目つきをした男と向かい合う....
「No, even so, I'd say it's quite elaborate.
(いや、それにしても
かなり趣向の凝ったと言うか...)」
「Chatting is enough.
(------前置きはいい。)」
「・・・・!」
黒いスーツを着た男は河野の上司である
パウロの言葉を遮ると、不機嫌な様子で
パウロ、そしてその隣にいる河野を
ジロジロと眺める様に睨みつける
「The party this time is not special enough
for me to attend.
(------今回のパーティーは、特別、
私が出席する程の物では無いのだがな)」
「Yeah, that's------
(ええ、それは--------)」
「(・・・・)」
今回、この
プリセツカヤ国際ホテルで主催されている
ロシア下院電子報道委員会副議長就任パーティー。
「After all, Minister Foedsy is also busy
because of your usual political activities.
(やはり、フォエドシー大臣も
普段の政務活動のせいか忙しいのかと・・・)」
「Does it look like so?
(------そう見えるか?)」
「No····
(い、いや・・・・)」
このパーティーの主賓である、
ロシア通信省大臣であり、官僚である
フォエドシー・エレメンコフにとっては
この就任パーティーも、実際の所は
自分の副議長就任を祝うために用意された物とは
聞かされているが、その内容と言えば
普段行っているただの政治資金集めの
冗長な会合の一つにしか過ぎない
「Russia... Russia, Russia...!
(ロシア... ロシア、ロシア...!)」
「・・・!」
「Wha,,
(------え?)」
「Nothing,Keep going.
(-------何でもない、それより...)」
おそらく、国を愛するが故なのか、
フォエドシーが呟いた一言に
河野、そしてパウロが意識を奪われていると
フォエドシーは、言葉を続ける
「...Since you have purposely summoned me
as one of the guests of honor
at this unwelcome, uninvited meeting,
do you have any "purpose"?
(・・・わざわざ、この有難くもない、
招かれざる会合の主賓の一人として
私を呼びつけたからには、君達には
何か"目的"があるのだろう?)」
「…No, that’s true
(・・・いえ、確かに、その通り------)」
今回、このフォエドシーは、この冗長な、
普段の仕事の延長にある様な就任パーティーに
出席するつもりは無かったが
自分とはある程度親しい関係を築いている
目の前にいるパウロたっての頼みとあって、
わざわざ忙しい政務のスケジュールの間を
繕い、フォエドシーは
このパーティーへと参加していた....
「Recently, your company..."Earth nEws"....
The story of Earth nEws is quite hot
in Greater Russia... even among
Russian internet operators.
(------最近、君の所の...
"Earth nEws"....
その、Earth nEwsの話はこの大ロシア...
ロシアのインターネット事業者の間でも
かなり話題になっている)」
「Yeah, we have a common cause, a purpose to
"lead society in the right direction"...!
(ええ、我々には共通の理念、
「社会を正しい方向に導く」と言う
目的がある....!)」
「It’s a great thing.
(------けっこうな事だ。)」
"グイ"
「(О, это!
(あ、それは------!)」
「Какая?
(・・・何だ?)」
「・・・・!」
目の前に置かれた別の来賓の客の為に用意された
ワイングラスをフォエドシーが手に取ると、
それがまずいと思ったのか、
ホテルの従業員が止めに入るが
「Россия. Это Россия.
(ロシア... "ロシア"だっ....)」
「・・・!」
スーツを着た男の圧倒的な
眼力に気圧されたのか、従業員は
そのまま何も言わず別の席へと
引き返して行く--------
「So, what are your requirements?
(------それで、君達の要件は何なのかね?)」
「Oh,our requirements,,,
(・・・それは...)」
"スッ"
「Japanese, huh--------
(日本人、か--------)」
"グイ"
パウロの隣から、アジア系の
壮観な容貌をした男が
進み出て来たのを見て、フォエドシーは
ワインのグラスを傾ける
「Now, in the space of this Moscow paper
(今、このモスクワにある紙面の内------)」
「...I know what you are talking is.
(・・・そう言う事か)」
ガヤ
ガヤ
ガヤ




