第二十九話 「Лебедева [II](レベデワ[Ⅱ])」
"フッ"
「(отдел растений.)
(プラント区画....)」
"ギシッ ギシッ"
「(Ваши ногти
растут немного
быстрее, чем обычно)
(少し、いつもより
爪が伸びるのが早いわね....)」
"ギッ ギッ"
「(Цвефов.)
(ツベフォフ....)」
"シュッ"
Абсолютная-Ø内、居住区画。
「(Количество людей в
этом учреждении
кажется довольно
маленьким по
сравнению с обычным
количеством
персонала.)
(通常の構員の数から考えると、この施設にいる
人の数はかなり少ないみたいね...)」
"コト"
「(・・・・・)」
この施設内に携わる新人作業員として、
二月程前に藻須区輪亜部新聞社から派遣されてきた
ダリア・レベデワは、自室のベッドの上で
指の爪を切り終えると
自分の爪を研いでいたその爪切りを
ベッドに座ったまま小机の引き出しの中にしまう
♪
♫
♫ ♬
「(Начальник отделения
Сусаковский)
(・・・スサケフスキ編集長...)」
爪切りを机の引き出しにしまい、
その引き出しを閉めると
ちょうどそれに合わせる様に自分の携帯が鳴り、
その携帯に自分の上司である
スサケフスキの名前が表示されたのを見て
レベデワは携帯を手に取る
「О, это было давно!
Ребе. Рив, Дева!
(・・・おー 久し振りだな!
レベ・・・ レベ、デワ!)」
「・・・・」
「--------Как там дела?
Вы, должно быть,
изрядно перегружены
работой в таком месте,
несмотря на женские
привычки!
(------そっちの様子はどうだ?
お前、女の癖にそんな場所で働いてて
かなり、参ってるんじゃないか!)」
「в этом нет ничего
особенного
(・・・特に、そんな事は無いわ)」
「О верно!
(・・・おお、そうか!)」
「Что еще более важно,
мне интересно, нужно
ли вам что-то.
(それより、何か用かしら....)」
「Нет, это не для
использования.
(いや、用って訳じゃねえが...)」
「-------?」
この、Абсолютная-Ø内の施設で
レベデワが作業をする様になってから二カ月程。
「Нечасто звонит
сам Сусаковский.
(スサケフスキ本人が電話を掛けて来るなんて
あまり無いわね...)」
「Нет, нет, вы там тоже
занимаетесь
строительством, верно?
(い、いや、オメェも、そこで
土木工事みてぇな作業してんだろ?)」
「(・・・・・)」
普段は、週一度程の頻度で、会社に
定時の報告の電話を入れているレベデワだが
その連絡をする時は、よく分からない
何か、卑猥な不倫話の様な物が電話の向こう側から
聞こえて来るのを聞きながら、
電話受付の担当と話をするだけで
直接編集局長であるこのスサケフスキから
電話が掛かって来る事はまず無い
「Нет, работа не
такая сложная, как
говорит начальник
бюро, но.
(・・・いえ、特に、支局長が仰る程、
作業内容は難しい物ではないけど...)」
「О! Понятно.! Понятно.
(おお! そうか...! そうか....)」
「(・・・・)」
自分の部下を使わず、直接電話を掛けて来た事に、
レベデワはこの男が何か自分に用があって
電話してきたと思ったが、
電話越しのスサケフスキは何故か
やや緊張した様子で、特に何か
目的らしい目的を告げる訳でも無く、
そのまま話を続ける....
「Чтобы....
Абсо....
Ты ладил с Абсолютом0?
где ты сейчас
(それで... その....
アブソ....
アブソリューチナヤ0とかっつったか?
お前が今いる場所)」
「да.
(------ええ。)」
「・・・・」
この二カ月程の間、この施設内に
作業員として派遣していたレベデワの事が
気になっていたのか、それとも単純に、この
Абсолютная-Øと呼ばれる
あまり目的の分からない施設の事が気になるのか、
様子を伺う様にスサケフスキは
電話越しで声の調子を落とす
「Как я обычно
связываюсь с филиалом
отделения Мосу Уорд
Вуа, я делаю свою
работу здесь без
особых проблем.
(普段、藻須区輪亜部支局に連絡している様に
今、私はこの場所で特に問題が無く
業務を行っているけど....)」
「Кажется, в этом
комплексе есть разные
вещи, верно?
(------その施設は...
何か、色々あるみたいだよな?)」
「------(・・・・)
да.
(ええ。)」
「Если я правильно
помню, этот объект
называется Цувефов.
(確か、その施設は、ツベフォフとか言う...)」
「Директор Цвефов?
(ツベフォフ所長?)」
「Ах да, этот Цвефов.
"Интересно, что это..."
Earth nEws теперь пишет
статьи на новостных
сайтах, которые
неплохо работают в
Интернете, верно?
(おお、そうだ、そのツベフォフ...
そいつは、何だか...
あのEarth nEwsだとか言う今
インターネットでけっこう業績を上げてる
ニュースサイトに記事とか
書いたりしてんだろ?)」
「(・・・・)
да
(ええ)」
「Я не уверен, что это.
Этот парень по имени
Цвефов довольно
известный гад в
России, даже в России,
и, кажется, довольно
удивительный ученый.
(何だかよくは分からねえが...
その、ツベフォフ、だとか言う奴は
このロシア、ロシアにおいても
けっこう有名な野郎で、かなりすげえ
学者とからしいじゃねえか....)」
「(・・・?)」
何を目的としているかよく分からないが、
電話越しのこの男が
Абсолютная-Ø内で
所長を務めるツベフォフに
興味を示しているのを聞き
レベデワは、何となくこの電話の目的が
分かった様な気がする
「Вы собираетесь
поговорить с, хм,
"Цвефовым" на этом
объекте?
(おめえもその施設で、その
"ツベフォフ"とけっこう話を
したりすんのか?)」
「Действительно
(------特に親しいと言う程では
無いけれど....)」
「Действительно
(・・・そうか)」
「・・・・」
おそらく、この男はこの施設の所長である
ツベフォフがEarth nEwsに記事を
寄稿している事をどこからか聞きつけ、
今、社内で大きな成果を上げている
支局長である河野とどの様な繋がりがあるのか、
そして更にこのスサケフスキは、
ツベフォフと"関係"の様な物を
持ちたいのでは無いか、レベデワはそう考えた....
「Ну, нет, если у тебя
все равно хорошо,
это не имеет значения.
(・・・まあ、いいや、
とにかくオメエが元気でやってるなら
それはそれで構やしねえからよ)」
「Я очень рада, что
обо мне заботятся.
(------お気遣いとても嬉しいわ)」
「Нет, Россия, потому
что это Россия
(・・・いや、"ロシア"、"ロシア"だからよ)」
「・・・・?」
「Вот оно! Гача
(それじゃな! ガチャ)」
「・・・・」
"スッ"
携帯電話、を自分のベッドの上に置くと
「Кажется, за газовым
объектом есть еще
один подземный объект.
(ガス施設の先には何か地下にまた
別の施設があるみたいだけど...)」
小机の上に置かれた、この構内の施設の
見取り図や情報が書かれた書類を手に取り
「Какое странное
средство.
(変わった施設ね....)」
それをめくり始める--------
「(・・・・)」




