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第二十六話 「раздел поддержки(サポート区画)」

挿絵(By みてみん)


"ガサッ"


「Что это?

(・・・・これは何だ?)」


"ガサッ ガササッ"


「Это гречневая трава.

(それは、ソバガラね)」


「Бобгара.

(ソバガラ・・・・)」


"ガサッ ガササッ"


Абсолютная-Ø内、サポート区画。


「Кажется, в этом мешке


 много гречневой


 крупы от сегодняшней


 шелухи каши.

(その袋の中には、今日の


 カーシャ(ソバの実)の殻抜き作業で出た


 ソバガラがたくさん詰まってるみたいね)」


「・・・・」


相変わらず、一輪車を引きながら、


隆和がポジショナー変電設備試験場で出た


大量の袋に詰められたソバガラを


ダクトに向かって放り入れていると、


隣で今日の作業を共同で行っている


女性作業員、ダリア・レベデワが淡々とした様子で


一輪車の上に乗せられた大量の袋に詰まったゴミを


隣のダクトへと放り投げている姿が見える...


「(・・・・)」


「О, это


 перерабатываемые


 отходы, так что не


 выбрасывайте их в


 этот воздуховод.

(あっ そっちは資源ゴミだから


 そのダクトには入れないで)」


「Ах ах

(あ、ああ)」


"ガサッ"


「(・・・・レベデワ...)」


「Ну, по сравнению с


 обычными днями,


 кажется, не так уж


 много хлопотного


 хлама сегодня.

(まあ、普段と比べると今日は


 面倒なゴミはそれ程多くないみたいね)」


「вот так.

(・・・そうだな。)」


今、隣にいるレベデワ。


「…Несмотря на то,


 что сейчас так рано,


 кажется, что в


 тренировочной зоне


 есть кто-то, кто


 проводит что-то вроде


 занятия, согревающего


 сердце...

(・・・こんな早い時間なのに、


 向こうのトレーニング施設で何か


 心和講習をしてる人がいるみたいね...)」


「・・・・」


"ガサッ"


「(・・・・)」


ゴミ袋をダクトに投げ入れると言う


単純な作業に集中しながら、隆和は


ゴミの詰まった袋を次々と


ダクトの中へと放り投げて行く


レベデワに目をやる


「(・・・このレベデワも、俺と同じ


  藻須区輪亜部新聞から


  来たと言っているが...)」


「Ещё немного

(-------あと少しね)」


「(・・・・)」


林から聞かされた話によると、このレベデワは


ちょうど自分が藻須区輪亜部新聞から


このモフソゴルロフに出向した時期に


入れ替わりの様な形で


藻須区輪亜部新聞社に入社した新人社員の様で、


実際の所、同じ会社の肩書を持ってはいるが


このレベデワと顔を合わせたのは


この施設内が初めてだ...


「Вау! Этот немного


 тяжеловат!

(----うわっ! こっちは少し重いわね!)」


「(・・・・)」


何故、この過酷な労働環境の場所に


女であるレベデワが派遣されてきたのかは


よくは分からないが、このレベデワ...


「О, это тяжело...

(お、重い...)」


特に、日本人である自分にも


差別意識の様な物は見せず、気付けば


"同僚"として当たり前の様に


この三カ月程の期間、共に


作業をする様になっていた....


「Аймой, ты не хочешь


 пойти туда ненадолго?

(------エイモイ、少し


 向こうに行ってみる?)」


「А? . ах, ах

(え? ・・・あ、ああ)」


すでに何年も付き合いがあるかの様な


会社の同僚の様な態度で接して来る


目の前のロシア人女性に、何か安心感の様な、


困惑の様な印象を隆和は感じるが


ゴミ捨ての作業が終わったのか、レベデワは


自分達のいる場所から少し先にある


心和の講習が行われている


"トレーニングルーム"


の方に顔を向ける


「... Интересно, у тебя


 сегодня какой-то


 интересный урок, если


 ты делаешь "Кокову" в


 такой ранний час...


 Почему бы вам не


 взглянуть?

(・・・こんな早い時間から


 "心和"をしてるなんて、今日は何か


 面白い講習をしてるんじゃないかしら...


 ------ちょっと見てみたらどう?)」


「не важно.

(・・・別に構わんが...)」


「Тогда решено.

(じゃ、決まりね)」


「・・・・」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「Андрей...


 За ней неприступный


 обрыв, трасса "Ии"...


 Это место, которое


 включает в себя очень


 сложные и опасные


 задачи, которые нужно


 решать в одиночку...

(アンドレイ・・・


 その先は、難攻不落の断崖絶壁、


 ルート"Ии(イー)"よ...


 とても一人の力で立ち向かうには


 困難な危険性のある作業が伴う場所だわ...)」


「Я знаю

(・・・分かってる)」


"ピッ ピッ"


"ガシャッ ガシャッ"


「Что делаешь?

(・・・何をやってるんだ?)」


「То есть,

(あれは・・・)」


"ピッ"


「Эта ваша легкая


 экипировка и этот


 рыхлый уклон земли...


 "Сможете ли вы


  пересечь эту "долину

(あなたのその軽装の装備、


 そしてこの地盤の緩い斜面...


 果たして、アナタはそれでこの


 "谷"を越える事ができるのかしら------)」


「Я знаю

(分かってる--------)」


"ガシャッ" 


"ガシャシャッ"


「Наверное, что-то вроде


 "Метавселенная".

(たぶん、"メタヴァース"みたいね...)」


「метавселенная.

(メタヴァース...)」


「Андрей!

(アンドレイ------!)」


「Я знаю!


 Потому что я понимаю!

(分かってる! ------分かってるからっ)」


「(・・・・)」


隆和、そしてレベデワの二人が作業を終え、


ダクトの場所から少し先にある


トレーニングルームの入り口の端から


部屋の中を覗くと、部屋の中には、


以前から何度か顔を合わせているロシア人男性、


アンドレイともう一人のロシア人女性が


顔にVRゴーグルの様な物をかけ、


部屋の中央部分に置かれた巨大モニターの前で


何か、奇妙な様子で動き回っているのが見える....


「Атмосферное


 давление 52 гПа....


 ЧСС...62,73...84...


 «Андрей... это


 опасная ситуация

(気圧52hpha.


 心拍数...62,73....84...


 アンドレイ....危険な状況だわ。)」


「Вау, я знаю.

(わ、分かってるっ------....)」


「возможно,

(多分------...)」


「возможно?

(たぶん?)」


何をやっているのかよく分からない、


部屋の隅のモニターの前で緊迫した様子で


話をしている二人に視線を向けると、


自分の隣にいるレベデワは、


二人が何をしているのかを理解しているのか


真剣な表情で部屋の中の二人の男女を見ている...


「Ах, Андрей!?

(あ、アンドレイ------!?)」


「Возможно, это


 «тренировка по


  улучшению


  виртуальных физических


  способностей падения»

(あれは、多分、


 "仮想型落下身体能力向上


 トレーニング"よ....)」


「Ла, осень... что?

(ら、落下.... 何だって?)」


"ガシャッ! ガシャシャッ!"


「Андрей, в таком случае


 тебе стоит


 попробовать немного


 уменьшить свое


 снаряжение.

(アンドレイ、その環境下では、


 少し装備の軽減を試してみるべきじゃ------


「Я знаю

(------分かってるッ)」


「・・・・!」


「Возможно, эти двое


 используют


 пространство


 Метавселенной и


 тренируются прыгать


 через долину в горах,


 используя это место


 как «гору» с низким


 атмосферным давлением

(おそらく、あの二人は、


 メタヴァース空間を使い今、


 あの場所を気圧の薄い、"山"に見立てて


 その山の中にある谷を飛び越える


 訓練をしているんじゃないかしら・・・)」


「перепрыгни,

(飛び越える・・・)」


"グッ グググッ!"


「Ах, Андрей! С такой


 легкой одеждой


 дистанция разбега


 опасна!

(あ、アンドレイ! その軽装で


 その助走距離は危険だわ!)」


「— Я знаю...


 это единственное.

(------分かってる... これしか無いんだ...)」


"グググッ


「(谷を飛び越えようとしてるのか・・・)」


"ググッ!"


「И мой пульс учащается!

(し、心拍数が上昇してるわ!)」


「Я знаю

(分かってるッ)」


"グググッ!


「Рука-----

(あ、アンド--------


「Да, идииииииииииии!

(い、行けえええええっ!)」


「ッ!?」


"ダッ! ダッ! ダッ! ダッ!"


「О,о,о,о,оооооооооооо!!

(う、うおおおおおおおおおっ!)」


「(と、跳--------


目の前の何も無い、


冷たいコンクリートの床の上で


勢いよく走り出すと、アンドレイは


まるで陸上競技の選手の様に


ただ平らな床の上を思い切り飛び跳ねる!


「Уваааааааа....aaaaaaaa

(------う、うわぁあああああっ!?)」


「Ах, Андрей!?

(ア、アンドレイッ!?)」


「Уваааааааа.

(....うわああぁぁぁぁぁぁ....)」


「Ах, Андрей!

(あ、アンドレイ....!)」


「(何やってんだ、こいつら・・・)」


何が起きているか分からないが、


助走をつけたアンドレイは、何も無い床の上で


まるで幅跳びの選手の様に5メートル程


勢いよく叫び声を上げながら跳躍すると、


そのまま着地し、奇妙な、まるで


どこかへと落ちて行く様な声を上げている


「...Видимо, тренировка


 была "провальной".

(・・・どうやら、トレーニングは


 "失敗"の様ね...)」


「Потерпеть неудачу?

(し、失敗...?)」


「Уваааааааааааа.

(う、うわああぁぁぁぁぁぁぁ....)」


「Ах, Андрей!

(あ、アンドレイーッ!)」


「Аааа....

(ぁぁぁぁぁぁ....)」


「(・・・・)」


部屋の中央で必死に何かを叫んでいる二人を見ると、


ロシア人男性、アンドレイは何故か必死の形相で


左手を上に掲げながら奇妙な声を上げている


「Видимо, он не мог


 перепрыгнуть через


 долину в горах...

(どうやら、彼は山の中にある谷、


 その谷を飛び越える事が


 できなかったみたいね...)」


「Увааааа.....

(う、うわぁぁぁぁぁ.....)」


「Ах, Андрей!?

(あ、アンドレイ-------!?)」


「(・・・・)」


"落下"と、レベデワは言うが


「Аааааааааааа.

(ぁ、ぁぁぁぁぁァァァ....)」


「Ах,Андрей!? Вернись!?

(あ、アンドレイ------!? 


 "戻って"来て!?)」


「ааааааааа...

(ァァァァァァァァ....)」


「(床の上でふざけてる様にしか見えんが....)」


「ааааааааа...

(あああああァァァァァ....)」


部屋の中央にいる二人に目を向けると


二人は、何も無い床の上で


ただ無造作に奇声を発しながら


意味不明の動きをしている様にしか見えない....


「----Пошли

(------行きましょう)」


「・・・・」


"コッ コッ コッ コッ--------


「Ах, Андрей!? Ты в


 порядке!?


 Земля! ? Потому что


 это земля!

(あ、アンドレイ!? 大丈夫ッ!?


 "地面"っ!? "地面"だからっ!)」


「АААААААААА...

(ぁぁぁぁァァァァァ....)」


「(・・・・)」

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