箱入り娘の家出
男「ここで何してるの?」
少女「待ってたの。貴方を」
【仕事が終わって1人暮らしの部屋に帰ると、姪っ子(10歳)が待ってた。
……部屋の中央でAM〇ZONの段ボールに入っている】
男「何で、段ボールに入ってるの?」
姪っ子「この部屋、寒かったから」
男「暖房付けたらいいじゃん。毛布被るとか」
姪っ子 (首を横に振る)「許可貰ってないから、それはできない」
男「いやいやいや、そんなことに許可なんかいらないでしょ!?」
【男が驚いていると、姪っ子のお腹がグーっと鳴った。】
姪っ子「お腹減ったよ~」
男「……何食べたいの?」
姪っ子「オムライス!」
男「……はいはい」
【男は暖房を付けると、台所に入った】
男「あれ、卵がないな」
姪っ子「えー……オムライス出来ないの?」
男「いや、買いに行けば大丈夫だよ。良かったら、一緒に買いに行かない?」
姪っ子「い、行くい……い、行かない!」
男「え!?めっちゃ行く感じだったのに……」
姪っ子「私は、そんなに軽い女じゃないのよ」
男「どこで覚えたんだ、そんな台詞……」
【男がさっき掛けたコートを再び羽織った】
男「じゃあ、すぐ買ってくるよ」
姪っ子「ま、待って」
【姪っ子が男のコートの裾を掴んだ】
男「え、どうしたの?」
姪っ子「お、オムライスじゃなくてもいいよ」
男「?」
姪っ子「オムライスじゃなくていい」
【姪っ子の表情はとても不安げだった】
男「え、いいの?」
姪っ子「うん。他のがいい」
男「そ、そっか。じゃあ何にしようかな」
姪っ子「何でもいいよ」
男「うーん、じゃあ在り合わせで何か作ろうかな」
【男はその時、姪っ子がの腕に紫色の痣があるのを見た。
しかし、男はその事には触れずに台所に戻った】
【男は在り合わせの材料で、焼き飯をつくるとリビングの小さなテーブルに、二人分のそれを置いた】
男「よし、できたよ。さあ、こっち来て食べよう」
姪っ子「うん……」ズル……ズル……(姪っ子が段ボールを中から引きずり、男の方へ向かってくる)
男「段ボール、脱がないの?」
姪っ子「うん」ズル……ズル……
男「別にお兄ちゃんの前では、何も隠すことないよ」
姪っ子「……」
男「何も聞かないし、何も言わないよ」
姪っ子「……」ズル……ズル
姪っ子「……いただきます」
男「はい、どうぞ」
【姪っ子は焼き飯を段ボールの中に素早く持ち込むと、それを食べ始めた】
男「どう、美味しい?」
姪っ子「……うん、美味しい」
男「それは、良かった」
姪っ子「もぐもぐもぐもぐ」
男「お腹減ってたんだね」
姪っ子「ちょっとだけね」
男「段ボールから出てきなよ。顔が見えなくて寂しいなぁ、お兄ちゃん」
姪っ子「貴方が寂しいのは、いつものことじゃない」
男「酷いこというなぁ……まあ、その通りだけど」
姪っ子「私が、ここに居てあげてるだけで、有難く思いなさい」
男「いやぁ、助かります」
【暫くすると段ボールの中から、姪っ子の顔半分だけ出てきた】
男「おっ、出てきたな……その顔はおかわりだな」
姪っ子「……よく分かったわね」
男「ふっ、舐めてもらっては困る。子供の考えることなど、お兄ちゃんにはお見通しだ!」
姪っ子「そんなことはいいから、早くしてよ」
男「はいはい」
【男は姪っ子から、お皿を受け取ると台所に向かい、焼き飯をよそった
男がリビングに戻ると、テーブルのお茶のコップが消えていた】
男「はい、テーブル置いとくよー」
姪っ子「エスコートが足りないわね。私のとこまで持ってきてよ」
男「テーブルすぐそこなんだから、別にいいじゃん」
姪っ子「駄目よ、だからモテないのよ」
男「手厳しいなぁ」
【姪っ子に焼き飯を手渡す。その際に、彼女の腕を擦った】
姪っ子「やだ!変態!セクハラ!」
男「こら、暴れないの。焼き飯こぼれちゃうでしょ」
姪っ子「卑怯者!何もしないって言ってたのに……」
男「怪我してるんだから、治療だけはしないとね」
姪っ子「いいよ、そんなの。別に痛くないもん……いたっ」
男「ちょっと押さえたら痛いんじゃないか。じゃあ、食べ終わったら治療させてね」
姪っ子「……好きにしたら……」
男「ありがとう」
【男は姪っ子の腕を離した。そして、姪っ子が食べ終わるまで、その姿を上から眺めた】
姪っ子「なんで見てんのよ。ロリコンなの?」
男「いや、なんか見てて楽しいよ」
姪っ子「……ふーん。じゃあ、別に見てたらいいんじゃない?」
男「うん、そうするよ」
-つづく-