2017/03
マニュアル人間
友人と歩いている時、バイトの話になった。
「飲食店はやめとけ」
友人がそんなことを言った。友人は、経済面の関係上、バイトをしている。
「なんで?」
「あの労働で賃金が合わない」
「なるほど」
「そいやお前進学だっけ?」
「んだよ」
「なんで進学するな?」
「高校で学んだこと少ないから、大学でいっぱい学んでそっから将来に活かすために」
「ほぉん」
「それに、高卒より大卒の方が給料高くなるから」
「ああ金目当てか」
大きなため息をついた。
「?」
「大事なのはその仕事場でやり通せるかだと思うのよ。俺は高卒の方勧める」
「こりゃまたなぜ」
「うちのバイトに、大学まで全部勉強に費やした人がいてさ、言われたことしかできないの」
「マニュアルみたいな?」
「そそそうそれ。早いうちに働いていろんな人と接しておいた方が後々すんごい楽しくなると思うんだわ」
友人のスピーチに、声に出して言わなかったが、なるほどと思った。
…マニュアル通り。…マニュアル人間。
これが、マニュアル人間の言葉の誕生である。
最近なかなか寝付けない。なぜか目が冴えている。
久々に身体を動かして、筋肉痛が早速きている。ああ疲れた、寝よう寝よう、と思ったのだが寝れない。筋肉痛で目が冴えているかもしれない。しかし、筋肉痛になる前からこうだったから筋肉痛が大きな原因ではあるまい。ならなんだ…?まさか、「寝る」という行為を行うまでのエンジンがかかるのも遅くなったのか!?(2017/02参照) それはマジ勘弁してよぉ…。
美術科に専属して1年も経たない新米教師とよく喋る気がする。この学年唯一の男子ということもあり、友好関係などいろいろ心配してくれている。
美術科の課題の居残りで遅くまで教室に残っていて、帰ろうとした時、その教師が顔を出した。
「最近どう?元気にやってる?」
いつもこの話題で始まる。
「まあ、なんとか元気に…」
自分も決まってこの返しである。
「他の女子とは仲良くやってる?」
この話題転換は始めてだった。
どうでしょう、想像にお任せします。と、いつもなら苦笑を浮かべながら強がってこんなことを言うはずなのだが、
「正直、うまくやれてなくて、辛いです…」
と、素直に話した。
そこから、なぜうまくやれてないのか、辛いのかがスラスラと口から出てきた。日々の不満が愚痴と化するように。
先生も、学生の頃は周りの女子と話せなかったという。
話しかけていいよというオーラを出し続けたら、少し、ほんの少しではあるけど、話しかけてくれる女子はいた。そう話してくれた。
「女子と話せれば。なにかきっかけでもあればね」
その言葉を残し、先生はその場から去った。
「さよなら…」
そう、キッカケがあれば。
他の先生がキッカケを作ってくれるのに、答えられなくて辛いんです先生…
彼女への思いは届かなかった。
簡単に言えば「ふられた」。
2回目かぁ、流石に辛かった。
今思えば、好意を向かれるような努力はしなかった。ちょっとでいいから彼女と喋ろう、それすらもできなかった。コミュ障をこじらせた自分は、何を話せばいいのかわからなかった。
そう思い返せば、1回目ふられた時より悲しみは少なかったし、むしろ自分への憎しみ・後悔が多かった。
理由は言わなかった。聞かなかった。
理由なんか、心当たりがある。「弱いから」だろう。あなたに興味がない、だろう。
そう言われたら言い返す言葉はないし、恥ずかしさにナメクジに塩をかけたように縮まるだろう。
気がつけば外を歩いていた。
冬、夜が為、気温はぐっと下がっていて、今の自分に頭を冷やすのには十分だった。
歩きたかった、歩かなきゃ気が収まらなかった。
でも、まだ彼女が好きだった。2回ふられてるのに。
なんで諦められないんだろう。今まではふられたらすぐ忘れられたのに。
これからも好意を向けたら彼女は嫌気が刺すだろうに。
自分が憎い。
「憎いよ、俺」
そう言って吐き捨てた自分への悪口は、共に出た白い息と混じり、星空へ消えた。
彼女の母は理容店を開いていて、髪のことでよく相談に乗ってもらっている。もちろん切ってももらっている。
今日髪を切りに伺ったが、ふられた後日に相手の母親の元へ行くなんて自殺行為にふさわしい。
幸い、ふられたことは話題にならなかった。きっと親には話してなかったんだろう。
でも、彼女の現状は知れた。
自分の専攻は美術なのだが、彼女は別のものを専攻している。
美術専攻は、他と比べ1番テストが少ない。1つ1つの作品がテストみたいなものだから。彼女の専攻は、他と比べテストが多い。また、実習、実演、演習も多かった。
告白したのがテストが終わって2日経ってのこと。しかし彼女(の専攻)はまだ演習が残っていた。それに加え、彼女は地域でチームを組んでいて、大会に出て披露することをしていた。大会も近く、練習も忙しい。そう話してくれた。
学校でも趣味でも忙しいときに自分は告白した。
自分に興味はなかったのかもしれない。でも、度重なる苦労、今年からは3年生になる、進路も心配しなければならない。そんな中、恋をするなんて彼女には重荷になるしかなかった。
だから思った。これ以上愛情表現をしたって、この恋は実らない。
実っても、彼女も自分に合わせようと頑張れば身体も精神もボロボロになるだろう。自分が彼女を苦しめるだけだ。
彼女が自分に合わせようとしなくていい。自分が彼女に合わせればいいだけだ。
言い訳などいくらでも出てくる。
でも、実らない事実は変わらない。
「忙しい」という言葉で片付けられてしまう。
自分が彼女より楽にしているから、彼女の苦労は理解できなかった。理解しようとしても、彼女にしてみれば、「そういうことじゃない」と返される。
彼女の苦労は自分が思うより何十倍も抱えている。それなのにいつも平気で笑っていて。
それなのに今でも好きだなんで憎くて憎くてたまらない。
彼女とは付き合えない。
だけど、彼女が好きだ。
少し勇気を出して彼女に話しかけよう。
しばらく片思いが続く。それでいい。
片思いで始まって片思いで終わる。それでいい。
少しでも心を開いてくれて、彼女が自分の悩みを打ち明けて、それで気が楽になってくれればそれでいい。
だから、懸命に絞って一滴しか出ない勇気で、彼女に話しかける。自分は、さみしい人間なんだ。さみしがりやなんだ。
悲しみを晴らすべくカラオケに『1人』で入店した。ヒトカラ初体験です。こう見えても。
いやぁ、楽しかった。のびのびと歌えて。
一緒に行く人はあまりアニメ、ボカロに興味を持たない人達だから、歌う曲を考慮しなければならない。
だが!他人を気にせず!自分が歌いたい曲を歌う!素晴らしい!1曲目歌い終わってガッツポーズしました。
本屋に行った時のこと。
新刊が発売されていることに気づき、早速会計してもらおうとレジに持っていったら、レジの人がやたら丁寧な言葉使いに気配り。もしやと思い胸元を見ると、研修だった。
私、研修、新人(レジに限る)を見ると、心の底から頑張れ!て言いたくなります。少しミスしたり作業が遅れても研修、新人なら許しちゃう!てなります。
普段使わない丁寧語、慣れない作業に必死に取り組む姿、そして笑顔。これから頑張るぞ!というオーラを出してて好きで好きで。
しかも、その人見ただけだと20代女性。黒髪ロングで、一言で表せば「清楚」。本屋に務めているのがお似合いだった。
その人、マスクをしてはいたのですが、目元も綺麗で鼻血が出そうでした。
マスク女子は経験上、マスクなしでも美人だという人は見たことなかったのですが、今日この人は信じたいと思った。
うまい飯を食いたいとふと思ったのが発端。
家じゃなくて店で。
始めて訪れる店でうまい飯を食いたい。
最近グルメ漫画にはまりだして、「かつ丼食いてぇ」と思って周辺のかつ丼を提供してる店を検索し、行ってみることにした。
美味しかったよ。値段は高かったけど。
1話完成させるのに4ヶ月以上かけてるのに、既話の編集は2日で今まで更新した既話のうちの半分まで終わらせることができた。
久々の休日、暇だったからやってたけど、なんかやるせなかった。
最近、外出すると雨が降る。自分が雨男だという自覚は小学生の頃からある。
先日、買い物に行くため自転車を漕いでいたら、雨が降り出し、店に避難。少し休憩したら止んだので、目的地に向かってまた自転車を漕いでいたらまた雨が降り出し、店に避難するという行為を5度繰り返したので、この日だけはどの晴れ男より勝ると思うし、どの雨男より精力強いという自身がみなぎってきました。
外出する(遊びに)と雨が降ることが4回連続で成功した。
分析すると、ワックスをつけると降る。
登校日、雨が降っていたが、ワックスをつけた後、雪に変わったので、何か外でやる際延期にしたい場合はワックスつけようと目を輝かせた。
札束を実際に見たことはあるだろうか。
夜10時に家に押しかけた友人は、俺の目の前に札束をポンと置いた。
「またまた〜どうせメモ帳かなにかでしょ〜?」
そう疑ってペラペラめくると、連なる諭吉にその目を疑った。
「どうしたのこれ」
「当たった」
「当たった…」
「そしてだな、俺はこれから旅に出ようと思うんだ」
「本気で言ってる?」
その友人と3時まで起き、7時に起きて、友人は帰っていった。自分は学校に行かなければならなかった。
数日後
彼からのメールで
『いま仙台』
と写真付きで送られた時にはどうリアクションを取るべきかわからなかった。
目を動かしただけで眠くなる。
本を読んだり、画面をスクロールした時とか。
「寝足りない」が口癖になった。
この前、医者に行った時、待合室で小説を読んでいた。5分で眠くなり始め、本を閉じ、ここで寝ちゃまずいと、睡魔と奮闘していたら負けて寝てしまった。
はっと目が覚めると、寝始めてから30分が経過していた。名前呼ばれた!?いや、呼ばれてない可能性も…。聞くべきか?それでまだ呼ばれてなかったら恥ずかしいし…、とりあえず10分待つと、自分の名前が呼ばれほっとした。
ただ、目が覚めた時、前にいた女子高生に見られたのが今日一番の赤面シーン。穴に入りたい。
来月は4月。進級である。
桜の開花宣言から少し経った今日。春の暖かさを感じると共に、冬の残りの風の寒さに身体を震わせ街を歩く。
着々と自然たちが春に備えて準備をしているのが目に見えると、何もかもが新しく始まる、そう明るい気になる。