第5話 キャラクタークリエイト的な話
開始4日前になり、キャラクリが出来るようになったので早速《Diva》を立ち上げた。
腹黒眼鏡(親友)の妹との邂逅から2日経ち、《Diva》のキャラクタークリエイトが出来る日になった。
学校から帰った俺は、早速パソコンにギアを繋いでベッドに横になりダイヴする。
「《Diva in Caelum》、ダイヴイン。」
『了解。《Diva in Caelum》にダイヴします。』
ギアの音声が聞こえ、意識が沈む。
その直後、漆黒の空間で覚醒した。辺りを見回しても漆黒の空間が広がっているだけだ。そのまま待つこと暫し・・・。
『ようこそ!《Diva in Caelum》へ!私はキャラクタークリエイトをサポートしますAIです!宜しくお願いします。四皇 飛鳥様!』
そう聞こえた瞬間、ただ漆黒が広がっていた空間が山小屋の内の様な空間に変わった。
「よろしく~。何やいきなり風景変わったけどアンタがやったんか?・・・っと、アンタやったら悪いな。名前ないんか?」
『そうです!やっぱり真っ暗じゃ味気ないじゃないですか!βテストのキャラクタークリエイト画面は真っ暗だったので殺風景すぎると言う御意見が多くて、AI毎に背景を変更できるようになりました!ちなみに、御意見の中にはクリエイト時の案内が事務的すぎるのでAIを導入してほしいとの声も多数有ったため、我々AIが採用されました!私はコード03と呼ばれています!個別の名前は設定されていません』
「そうなんか。まぁAIもいっぱい創られてるんやろうから個別の名前なんか設定してられへんか。アンタに名前付けることはかまへんのかな?」
『特に禁止されていませんよ。でも名前を付けていただいてもここでしか逢えないのであまり意味はないかと思いますが・・・。』
「まぁこっちのわがままやから我慢したって。・・・そうやなぁ、・・・よっしゃ、このキャラクリの間はアンタを”トロワ”って呼ばせて貰うわ。」
『トロワ・・・トロワ・・・トロワ!有り難うございます!私はコード03改め”トロワ”と名称登録されました!短い時間ですが精一杯サポートいたします!』
「よろしく。名称登録ってことは俺が名付けたんが正式名称に設定されたって事?」
『そのようです!プレイヤーの方が命名されたら登録されるようになっていたようです。勿論、公序良俗に反するような名称は登録されないようになって要るようですが!我々AIがその名称を受け入れれば登録されるようです!』
「そっか、アンタが気に入ったから登録されたってわけか。んじゃ、これから宜しくトロワ。」
『はい!宜しくお願いします!』
『では!先ずは容姿を設定してください。βテスト時代のアバターを引き続き使うことが出来ますがどうしますか?』
「一部変更したりって出来るん?髪の色を変えるとか。」
『勿論出来ますよ!では記録されているアバターを表示しますね。』
トロワがそう言うと、目の前に懐かしい姿が表示された。肩より少し長い髪をうなじのあたりで纏めて黒い紐で縛っている。髪色は濃い緑で瞳も同じ色、慎重は170程でどちらかと言えばシャープな印象を与える。
「お~。懐かしいなぁ、んじゃちょこっと髪をイジってっと。」
髪の色を少し薄くし、前髪の一部をエメラルドグリーンにしてメッシュを入れる。
「ん。アバターはコレでええわ。」
『ではこれで容姿を確定していいですか?』
「おっけ~や。」
『了解です!・・・はい!ではこれでアバターは確定されました!次は所持スキルの選択ですね!次の6つ、【採取】【採掘】【鍛冶】【鑑定】【木工】【索敵】が引き継ぎと申請されていますが間違い有りませんか?』
「おおてるよ。」
『・・・はい!これでスキルも確定されました!次は初期装備ですね!どの武器を使いますか?』
「刀で。」
『了解しました!・・・はい!では最後に名前を教えてください!』
「”サイハ”で頼むわ。」
『”サイハ”で宜しいですか?』
「うん。」
『では最終確認です!容姿、スキル、初期装備、名前。以上、すべて間違い有りませんね?』
「ん。確認した。全部おおてる。」
『はい!・・・四皇 飛鳥様のキャラクターは此で確定されました!お疲れさまです!』
「んにゃ、トロワもお疲れ。」
『有り難うございます!ステータスの割り振りはゲーム開始後、チュートリアルが終了したときに出来るようになりますので覚えておいてくださいね!その時にも説明されますが。それでは!これでキャラクタークリエイトはすべて終了しました!開始まであと4日お待ちくださいね!』
「ん、お~きに。後4日、ワクワクして待っとくわ。ほんじゃ~またな~トロワ~。」
『はい!それではまた~!・・・って私はキャラクタークリエイトのサポートAIですので多分もう逢うことことは有りませんけども・・・。』
少し寂しそうに聞こえるトロワの言葉を背にキャラクリを終了した。
何はともあれ、これで開始前の準備は全部終了した。後は4日後の開始を待つばかりだ。
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それから学校に行ったり仲間と集まって情報交換したりして過ごし、遂に正式公開の日を迎える・・・。
第5話です。
前4話に比べて若干長くなってしまいました。
しかもサブタイトルでキャラクリ詠っておいて、そのシーンはごく短いと言う・・・。
次からやっとゲーム世界に入ります。