第4話 待ちきれない思い的な話
某運営
「貢献特典の返信ほぼ集まりました!」
「お~。皆決めるの早いなぁ。送ったの昨日だぞ?」
「殆どのβテスターは正式でもやること決めてる人が多いみたいですね。大体近接職してた人は武具セット選んでますし。」
「でもこう観たらあんまりランク6選んでる人居ませんね。まだ30人ですけどその中で武具セットや魔導具セット選択してる人の殆どが4か5ですね。」
「そうなのか?」
「ええ。」
「やっぱり棚ボタはいやなんでしょう。」
「お!”笑う鍛冶師”はやはり工房選んだみたいですね!」
「あのプレイヤーか。生産メインなのに抜群の戦闘力発揮して大会準優勝した。」
「正式になってどれだけ暴れてくれるでしょうね。楽しみだなぁ。」
「特定プレイヤーを贔屓したりするなよ?公平にな。」
「依怙贔屓なんてしないですよ!ただ純粋に何をしてくれるのか楽しみなだけです!新しい要素も解禁されるし。」
「そろそろ仕事に戻れよ。まだ作業は残ってるんだ。」
「は~い。」
運営からのメールが来た翌日。学校が終わって一緒に帰っているトモが聞いてきた。
「そういや飛鳥。昨日《Diva》の運営からメール来たか?」
「特別特典のんか?」
「おぅ!それそれ!やっぱり来てたか!お前何選んだ?」
「生産職の俺に工房以外何を選べと?」
「まぁそうだろうな!でも〈IC〉も太っ腹だよなぁ。ランク6までの武具とか工房をくれるなんて。」
「それだけ運営に益が有るレポートやったちゅうことやろな。そう言うトモは何選んだんや?武具やろうけど。」
「俺はランク5の両手剣と重装のセット選んだぜ!」
「お?6にせぇへんかったんや?」
「6以上は自力で手に入れた方が嬉しいからな!だからって4だと結構簡単に手に入れられるしな!だから間とって5にした!」
「まぁトモらしいわな。ほんなら、そんなトモに敬意を表して俺の刀の次にトモの両手剣創ったろか。」
「マジで!?やったぜ!!」
「あ、費用は貰うで?」
「金取るの!?」
「当たり前や。それでガッツリ商売するんやないとは言え、職人としてロハでやるかいな。安心しぃ、格安でやったるから。」
「ま、当然か。1度無料でやったりしたらソレを知って俺も俺もってバカが沸いてくるかもしれないしな。」
「そういうこっちゃ。」
「んじゃ、楽しみにしてるぜ!キャラクリまで後4日か~。待ちどうしいなぁ。」
「でも、遂にここまで来たって感じでもあるわな。」
「確かに。」
そんなこんなで、別れるまで《Diva》の話題で盛り上がった2人だった。
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「ただいま~。」
「お帰り!おにぃ!」「・・・お帰りなさい。」
家に入ったら妹達が出迎えてくれた。
「お、もう帰ってたんや。ただいま。」
「うん!今は部活も休みの期間だからね!他に用事もないから直ぐに帰ってきたの!」
「・・・その通り。」
「そぉか。・・・ん?」
その時、初めて2人の後ろに女の子が居る事に気が付いた。
「あ!この子が”橘 沙亞夜”ちゃんだよ!私たちと一緒に《Diva》やるんだ!」
「あぁ、前に言うてた娘ぉか。・・・橘言うたな、もしかして朝尚の妹さん?」
「あの、橘 沙亞夜です。この度は招待権有り難うございました!・・・兄をご存じなんですか?」
「四皇 飛鳥です、よろしく。自分は要らんかっただけやから構わんよ。あとナオは同じクラスの親友(腹黒)や。」
「そうなんですか。・・・なにか副音声が聞こえたような・・・。」
「気のせいや。まぁ妹と仲良ぅしたってな。」
「はい!宜しくお願いします!」
沙亞夜ちゃんは素直な良い娘のようだ。どっかの腹黒眼鏡とは違うな。
「・・・ねぇ、お兄ちゃんはどんなJOBにするの?」
「ん?俺は生産職メインにするよ。」
「あ!そうなんだ!私は格闘家!主に投げとか掴み技をメインにするよ!」
「いわゆるグラップラー言う奴やな」
「・・・私は打撃メインの格闘家。」
「ほうほう。」
「沙亞夜ちゃんは回復職だよね~!」
「うん。やっぱり戦闘とかは得意じゃないから、2人のサポートするよ。」
「そっかそっか。やっぱりナオとは正反対やな。アイツは多分術師系やろ?βでもそうやったし。」
「多分そうだと思います。兄は大火力好きなので。」
「これでキャラクターの方針も決まったし!開始まで後6日かぁ。楽しみだね!皆!」
「・・・うん。」「はい!」「そうやな。」
わいわいとそれぞれの特徴を話し合ったりして盛り上がっている。
正式公開まで後6日・・・。
第4話です。
開始まで長いですかね?
次の第5話でキャラクリして第6話からゲームの世界に突入します。