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第29話 素材を求めて!・・・的な話

遅くなりました!

「では試練を申し渡す!その試練とは・・・。」


じっと耳を傾ける。


「その試練とは・・・。」


耳を傾ける。


「・・・その試練とは・・・。」


・・・耳を傾ける・・・。


「う~む・・・。どうしようかのぅ・・・。」


「『考えてなかった(のですか!)んか~い!』」


ズビシッ!っと音が聞こえるんじゃないかと言うほど見事なツッコミを入れてしまった。ハクまで一緒にツッコんでいた。


「はぁ。真面目に聞いてて損したわ。」


「はっはっはっ!冗談じゃ!うぃっとに富んだじょ~くというやつじゃ!」


「そんなもんいらんわ。」


じと目を向けながらそう答える。


「試練は受ける者の職業によって変わる。」


翁が再び真面目な表情になって話し始めた。


「お前さんは”鍛冶師”じゃったな。」


「そうや。」


「ならば、お前さんには今打てる”渾身の一振り”を見せて貰おうか。」


「”渾身の一振り”・・・。」


俺は考える。渾身の一振り。言葉にすれば簡単に聞こえるが、試練にふさわしい難易度だろう。


「そうじゃ。あぁ、打つ物はお前さんの好きなものでかまわんよ。」


そう言われても、打つのは刀一択しかないがな。


「・・・了解したわ。それで、期間は?」


「ん?特に期限は設けんよ。今日直ぐで有ろうと1年後で有ろうと構わん。早かろうと遅かろうと時間は評価に入らんのでな。」


考える。期限のない試練。人によっては温いと感じるかもしれない内容だ。


「サイハよ、この試練受けるか?」


〈門主絃斎より特殊クエスト”流派門主の試練”が提示されました。受けますか? Y/N〉


姿勢を正し、翁の目を見ながらはっきりと答えた。


「その試練、成し遂げて見せましょう。」


〈特殊クエスト”流派門主の試練”を受注しました。このクエストに期限はありません。〉


「うむ。お前さんの打つ”渾身の一振り”、楽しみに待っておるぞ。」



~~~~~



道場で特殊クエストとか言うのを受けて工房へと戻ってきた。

あの後翁が、買ってきた焼き鳥を肴に酒をかっ喰らい始めたので挨拶もそこそこに戻ってきたのだ。


「さて、とりあえず1振り打ってみよか。」


『なにを打つのかは決めてあるのですか?』


「ん?そんなん”刀”に決まってるやん。」


『刀?あぁ、いつもマスターの腰にある武器ですね?』


「そうや。自分が使うのを打つのは基本やん?」


素材置き場から基本的な刀の素材を取り出す。

炉に火を入れ作業を開始する。いつもと同じ手順を、いつもよりも丁寧に進めて行く。

そうして出来たのが・・・


[〈名も無き刀〉

 Atk+46 耐久60/60 ★7

 それなりの素材を用いて鍛えられた刀。さらに丁寧な作業により、切れ味が増している。]


「おお?前に打った奴よりランク上がったな。説明文もちょっと変わったし。」


ふむ。やはり作業を丁寧に進めるとランクが上がったりするのか。まぁこの辺りは当然か。

今でランク7ってことは、これ以上上にするには素材の厳選だろうなぁ。

説明文にも”それなりの素材”ってなってるし。ならこの後の行動は・・・


「よっしゃ、素材採取やな。」


その時、グランツからのウィスパーが届いた。


〔あす・・・サイハ!今いいか?〕


〔グランツ・・・まさかとは思うけど、今リアルで呼ぼうとせんかったか?〕


〔・・・ソ・・・ソンナコトナイヨ?〕


こいつは、何度言っても忘れるな。


〔はぁ・・・まぁええわ。今ちょうど1作業終わったところやからな。〕


〔なんかやってたのか?〕


おお、もう復活したか。流石に面と向かってない分早いな。


〔おう。ちょっと刀打ってた。〕


〔あ!ならそろそろ俺の武器も創ってくれよ!〕


〔気が向いたらな。ほんで?なんか用事か?〕


〔絶対だぞ!いや、久しぶりにPT組んでどっか狩りでも行かないかと思ってな!〕


PTのお誘いだったようだ。


〔そうやな、久しぶりに組んで行くか。んで?他誰誘うんや?〕


確かに、最近ソロばっかりだったし久しぶりにPT組むのもいいな。


〔おう!そうこなくっちゃ!と・・・カゲミツ誘って行こうぜ!〕


・・・もう突っ込まんぞ。


〔了解や。カゲミツにはそっちで声掛けてOKやったら一緒に工房来てや。〕


〔おう!わかった!じゃあな!〕





~~~~~





其れからしばらくして・・・


コンコンコン


「サイハ居るかい?」


ノックの音と共にカゲミツの声が聞こえた。


「居るで。ロック外したから入っといで。」


扉を開けて2人が入ってくる。・・・内1人がやたらとテンション低い。


「お邪魔するよ。」「オジャマシマス・・・。」


「ん。なんやグランツが暗いな。大体理由わかるけど。いつもの”アレ”やろ?」


「あぁ。あれだけ何度も言っているのに理解できないようだから、ちょっとした”教育”をしただけだよ。」


カゲミツの教育の言葉を聞いて、ビクッと身を震わせるグランツ。毎度のことながら学習しないなぁ。


「ゴメンナサイモウシマセンキヲツケマスゴメンナサイモウシマセンゴメンナサぐぺっ!」


虚ろな目で延々と謝罪を繰り返す姿が鬱陶しくなったので、手元にあった鉱石をブン投げてみた。

俺やカゲミツに”注意”されて虚ろになるなら、最初からもっと気をつけろと言いたい。


「・・・いてて・・・はっ!俺はいったい!」


やっと戻ってきたようだ。


「ほんで、グランツ。何処行くか決めてんのか?」


「え・・・あれ!?何時の間に工房に!?」


「何処行くか決めてんのか?」


「あ~・・・いや、集まってから決めようと思ってな。」


まだ決めてないんなら好都合か?


「ほんなら、俺行きたいとこ在るんやけどええかな?」


「何処だい?」


カゲミツの問いに


「ちょっと鉱石採取に行きたいねん。」



と言うわけで、久しぶりに3人揃って行動することに!

次話では、もしかしたら誰か出てくるかもしれません!

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