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第28話 翁の試練!?・・・的な話

ダイヴアウトしてギアを外し、部屋を出て1階のキッチンへ向かう。昼ご飯を作るためだ。キッチンへ向かう途中で妹達の部屋の前を通りかかったが、予想通りまだプレイ中らしい。(覗いたんじゃないよ?部屋の扉にプレイ中の札が掛かってたからだよ?ウチの決まりだからね。)

キッチンに入り調理の準備に取りかかる。献立はチャーハンと簡単な卵スープだ。

土鍋に御飯があるのを確認し(ウチは御飯は土鍋で炊く派だ!)、具材を刻んでいく。


~~中略~~


最後にスープに溶き卵を入れたら完成!

チャーハンを自分の分、妹達の分、母さんの分を皿に盛り自分のスープをカップに入れてテーブルへ。


「いただきます。」


うん、うまい。流石俺だなとか心の中で自画自賛しながらチャーハンを掻き込みスープを飲む。


「ふぅ、ごちそうさん。」


妹達や母さんの分のチャーハンにラップをかけて1つメモを書いておく。”冷めてたら温めて食べや”と。

食べ終わった食器を洗って片づけてから自分の部屋に戻り、サイトを覗いたり掲示板を覗いたりして腹を落ち着ける。


腹も落ち着き、トイレに行ってからベッドに横になりギアを着けてダイヴした。



~~~~~



『お帰りなさいサイハさま!』


工房の自室で目覚めた俺の視界に飛び込んできたのはトロワだった。


「どないしたん?なんやテンション高いな。」


『いえ、今日は何となくお迎えしようかなぁ~?って思っただけですよ?最近喚んで下さらないなぁ~なんて思ってないですよ?ええ、断じて思ってないですとも。』


そう言うことらしい。なかなか自分を主張してくるサポートである。それよりも・・・


「まぁええわ。それはそれとして、ハク。そんな獲物狙う様な目でトロワを見るんやないよ。」


そう。俺がダイヴしてからずっと無言だと思っていたら今にも獲物に飛びかかりそうな視線をトロワに向けるハクが居た。


『あら、なにやら騒々しい羽虫と勘違いしました。』


シレッとそんなことをのたまうハク。


『わぁ~!可愛らしい犬っころですねぇ~!サイハ様のペットですかぁ~?』


トロワも負けじとのたまう。


『・・・フフ、神獣と犬の区別も付かないなんて・・・。』


『・・・そちらこそ、サポート妖精と羽虫と間違えるなんて・・・目の検査しましょうか?』


二人(?)の間に飛び散る火花が見えるようだ。


『・・・フフフ。』


『・・・アハハ。』


愉しそうだなぁ。一触即発って言葉がピッタリの場面なんだけど・・・。


「・・・キミら。」


その言葉を聞いた瞬間、二人(?)はビクッ!と全身を震わせた。

トロワとハクの頭に手を置いて、顔をコッチに向けさせる。


「仲良ぉて結構なんやけど、そろそろ出かけたいんやわ。かまへんかな?」


満面の笑顔でそう告げると


『『ハイ!モチロンデス!』』


声をそろえて頷いた。

何故かどっちもガクブルしながら。

なんでだろうね?何か怖いことでもあったのかな?



~~~~~



それからトロワには偶に呼び出すと約束して還ってもらい、ハクは小さくなって定位置になりそうな頭の上に。

道場に向かう途中で酒とつまみを購入する。道行く人の視線がハクを捉えて放さない。黄色い悲鳴が聞こえたりするけど全てスルー。

昨日のギルドの様にどこで手に入れたのかを聞いてきたプレイヤーには、昨日と同じく”森の中での突発クエストで仲間になった”と説明しつつ、道場に到着した。


「こんにちわ~。翁おる~?」


道場の扉を開けて中に入りながら声をかける。


「誰じゃ?って、お前さんか。」


そう言いながら翁が部屋の奥から顔を覗かせた。


「基本俺以外来ぇへんくせに。あ、これみやげの酒と焼き鳥買ぉてきたで。」


「やかましい。お前さん以外にも偶に来るわい!まぁみやげは遠慮なく貰っておくがの。」


「偶にやろ?俺ここで他のモン見たことないもん。」


「まぁお前さんほど熱心に来るのは居らんのは確かじゃがな。そんなことより・・・。」


「ん?」


翁の視線が頭上のハクを捉えている。翁もハクの魅力に参ったのか?と思っていたら


「お前さんの頭の上にいるのは、神獣・・・じゃな?」


うちのハクを一目で神獣だと見抜いた。しかも、今まで見たこと無いような真面目ぶった表情だ。


「真面目ぶったってなんじゃ!いたって真面目じゃ!」


「いや、声に出してない筈やけど。」


「何となく聞こえたんじゃ!」


「さよか。」


何となくで人の心を読まないでほしいものだ。それはともかく・・・


「たしかにハクは神獣や。本名フェンリルさんや。」


『・・・フェンリルは種族名であって本名ではなかったのですが・・・。改めまして、初めまして。フェンリルの白藍と申します。貴方の仰るとおり神獣ですが、マスターと契約した契約獣です。』


「ふむ。神獣と契約したか・・・。サイハよ。」


「はいな。」


表情どころか雰囲気すら一変した翁の言葉に耳を傾ける。


「神獣と契約するほどに成長したお前さんに一つ、試練を与えたいと思うがどうか?」


「受けます。」


その目を見返し、間髪入れずに返答する。


「ふむ、即座に返答しよったか。後悔せんな?」


「勿論。」


真剣な表情で頷き返す。


「・・・よかろう、その意気や良し!では試練を言い渡す!その試練とは・・・。」


こうして、翁から初めての試練を仰せつかった。

遅くなりました!

今年1発目の《Diva》です!

これからいろいろと加速して!・・・行けたらいいなぁ・・・。

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