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閑話 その頃他のメンバーは・・・妹達の場合

今回最後の閑話です

「グァウッ!」


1頭のグランウルフが、獰猛な叫びをあげながら目の前の少女に飛びかかる!


「せいっ」


可愛らしくも勇ましい気合いの声を口にしながら飛びかかるグランウルフに右の拳を突き出


ドゴンッ!「ギャンッ!」


拳が触れたグランウルフは、ソレは見事に吹っ飛んでいった。自分と同じような体長の獣を拳一つで吹っ飛ばした可憐な少女。とばされた獲物の先には・・・


「は~い、いらっしゃ~い♪」


前の少女と同じような容姿、体格の快活そうな少女が待ちかまえていた。


軽く身体を回転させながら、飛んでくるタイミングに合わせて右手を突きだしグランウルフの頸を掴んだ!


「掌、握!か~ら~の~♪」


そのまま身体を回転させ、グランウルフの横向きのベクトルを縦向きに変えて地面に叩きつける!


「《地落とし》!」


ドガァッ!


「・・・!」


断末魔をあげるまもなく光の粒子となって消え去るグランウルフであった。


「お疲れさま~。萌葱ちゃん、朝霧ちゃん!」


3人目の少女が現れた!


「ありがと、こーちゃん。」「ありがと~、こ~ちゃん♪」


今グランウルフと戦っていたメンバーは

殴り=朝霧(美紗)

投げ=萌葱(美弥)

癒し=秋桜(沙亞夜)

誰あろう我らが主人公や、その親友の妹達だ。

3人ともVRMMOは初めてのプレイだが、とある出会いからその思考や身体の動かし方などを驚異的な速度で上達させていた。


「2人とも大丈夫?怪我とかしてない?」


「大丈夫だよ!こ~ちゃんが補助掛けてくれたお陰で相手の攻撃掠りもしなかったもん!」


「右に同じ。」


この3人。まだまだ序盤ながら、パーティとしてかなり完成度の高い連携を取れるようになっている。その証拠として、実は3人から見たらまだ格上の存在であるグランウルフを比較的簡単に討伐できるほどに。もちろん3人の才能もあるだろうが、よき指導者に巡り会えたのが大きいだろう。


「3人とも、お疲れ様です。」


「「「お疲れ様です!」」」


「もうグランウルフでは問題ないほどの連携が取れるようになりましたね。すばらしい上達です。」


「そんな事ないですよ!瑠璃月さんが群を引きつけて、個別に相手できるようにしてくれてるから戦えてるんですから!2匹なら何とかなるかもしれないですけど、3匹は無理ですもん!」


「フフッ、有り難うございます。でも、ここにお連れしたのは私なのですからあなた方が戦いやすくするのは当然ですよ。」


「でもこれで少しはあにぃに追い付いてるかな。」


「やはり、あなた方の目標はサイハ様ですか?」


「そうだね!やっぱり「・・・お兄ちゃんと一緒に冒険したいから。」あぅ、また取られた・・・。」


自分の目標を話そうとしたところを朝霧にインターセプトされ、若干テンションの下がる萌葱であった。


「私も、みんなと一緒に楽しみたいです!」


と、元気いっぱいに秋桜が言った。


「そうですか。でもあの方々は攻略組では無いですから、それほど先に進んではいないと思いますよ。なによりゲームは楽しんだもの勝ちという考えの方ですから。」


「そうなんだ!ところで、瑠璃月さんってあにぃ達と仲いいんだね!よく知ってるみたいだし。」


「仲が良いかどうかは分かりませんが、親しくはさせていただいていますね。βテストの時代には、とてもお世話になりましたから。あの方々のお陰で、ゲームの楽しさを覚えることが出来ました。」


その言葉を聞き、萌葱の瞳がキラリと輝いた。


「なになに!?βの時にあにぃとなんかあったの!?もしかしてラブ!?ラブ臭香るようなこと!?」


「い、いえ・・・ラブとかそう言うことではありませんよ?ただ、初めてのこのようなゲームで若干萎え掛けて居たところを助けていただいただけです。こ、これ以上はまた何れか機会に・・・。」


萌葱のテンションの高さに、少し引き気味の瑠璃月であった。


「え~!もっと聞きたいなぁ。あ~ちゃんもこ~ちゃんも聞きたいよね?」


なかなか口を割ろうとしない瑠璃月に、朝霧と秋桜を仲間に引き入れようとする萌葱。しかし・・・


「・・・無理矢理聞き出すのは良くない。」


「私も朝ちゃんに賛成かな。」


「が~~~ん・・・。」


2人の協力が得られないとわかり、見事なorzを披露した。


「ふふっ、そろそろ回復しましたし狩りを再開しましょうか。サイハ様に追い付きたいのでしょう?」


その言葉に持ち直した萌葱は気合いを入れ直して宣言した。


「よ~しっ!一刻も早くあにぃ達に追い付いてそのときに話を聞きだしてやるんだから!あ~ちゃん!こ~ちゃん!行くよ~!」


「・・・お~。」


「わっ、わっ、待ってよ~萌ちゃ~ん!」


元気に駆けて行くのだった。


「まだまだ楽しくなりそうですね。ところで・・・。」


そんなほほえましい姿を妹を見守る姉のような表情で見つめていた瑠璃月は一言。


「次に向かうのはそっちじゃありませんよ?皆さん。」


その言葉を聞いて、急いで駆け戻ってくる3人であった。


 

とってもお待たせしました。前回の投稿から1月以上経過してしまいました。

とりあえず閑話はこれでおしまいにして、次からは本編に戻ります。

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