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第20話 森で!・・・的な話

やっと進みます!

東門を出て、真っ直ぐに延びる街道を進む。周りには、それなりの人数の冒険者が魔物と戦っている。

まぁ、街のこんなすぐ近くに出るのは野犬やラビットなどのノンアクティブばかりなので、特に問題はないだろう。初期装備姿しか居ないし。

そこから更に歩を進めると、少し冒険者たちの数が減ってきた。この辺りまでくると出てくる魔物が強くなる。って言っても、Lv5もあればソロでもさほど問題なく対処できるような奴ばかりだけどね。主に出てくるのはゴブリンやウルフ、偶にクロウ何かに遭遇したり。このうちゴブリンはアクティブだ。だいたい3体程で組んで現れるため、ほかよりは危険な相手になる。


「グギャッ!」


粗末な錆びた剣を振り被って襲ってきたゴブリンの攻撃をかわし、がら空きの首筋に一閃を叩き込むとウィークポイントボーナス&クリティカルボーナスによって、1撃で消滅した。


「いや1撃て。」


さすがにLv9になっている自分には、ゴブリンでは荷が重かったらしい。其れでもまさか1撃とは思わなかったけど。


「ギャッ!?」


ちょっと太い木の棒にしか見えない棍棒で殴りかかろうとしていた奴が、其れを見て動きを止めた。まぁ獲物だと思っていた人間に、仲間が1撃で消滅させられたんだから無理もないか。でも


「命のやり取りしてるときに、呆けるんはアカンなぁ。」


腕を振りあげてるために無防備に晒されている喉に突きを放った。これもボーナスが出たようで、またもや1撃だった。


少し離れてみていた仲間のゴブリンが、慌てて粗末な弓に矢をつがえようとした。が


「ゲヒャッ!」


「流石にこの状態で待つほど優しないで。」


突きを放ってゴブリンが消えた後、素早く刀を戻して中距離アーツ《飛閃》を放つ。発動直後に再び刀を戻し、2発目の《飛閃》を放つ。


「ギャハッ!」


弓が邪魔でアーツが頸に当たらなかったためにボーナスが発生せず、HPが僅かに残った。しかし、1発目を追いかけるように放たれた2発目も直撃を食らって、あっさりと消え去った。


〈只今の経験により、レベルが1上がりました! BP2、SKP1入手しました!〉

〈レベルが10になりました!ボーナスとしてBP2、SKP1入手しました!〉


「お、レベル上がったか。まぁやっと2桁やから遅い方なんやろうなぁ。別にええけど。」


通常レベルアップ毎にBPボーナスポイントSKPスキルポイントが入手できる。其れとは別に、レベルが10あがる毎にボーナスでポイントが貰えるらしい。βの時には無かったな。


「さて、もうちょいで森やからサクサク進むか。」


森に向けて、街道を進む。途中でゴブリンを何度か見かけたが、なぜか積極的に攻撃を仕掛けてくるのは殆ど居なかった。襲いかかってくる奴はサクッと返り討ちにしているから力の差を感じているのかも。


~~~~~


森に到着した。途中の戦闘で、更にレベルが上がって11になっている。

森の中に進んだ。ここは[マスティラの森]、通称[牙狼の森]と呼ばれている。その名の通りウルフ系統が多く出現する場所だ。ランクEの討伐依頼にあるグランウルフがよく出る場所でもある。毛の色は灰色で、茶色のウルフとは見た目で判別できる。しかし、その強さはウルフより数段上だろう。敏捷性も攻撃力も比べ物にならないほどで、さらに連携や森の木々を利用した立体軌道も使ってくる。個体の強さとしてはゴブリンよりも少し上程度だが、生息地が主に森のために遙かにやっかいな相手と言えるだろう。


~~~~~


「はい残念。」


「ギャン!」


木の上から襲いかかってきたグランウルフをかわし《一閃》を首筋に叩き込むと、そのまま光になって消え去った。


「おっとあぶない。」


「ギャウ!?」


攻撃の勢いを殺さずに右足のそばを切り払うと、右足に喰らい付こうとしていたグランウルフの頸に当たり、こちらも消え去った。


「グルゥ・・・」


目の前のグランウルフは、仲間があっさりと倒されたことでこちらの強さを感じ取ったのだろう、襲いかかるのを躊躇っているようだ。


「別にこっちから追いかけたりせぇへんからどっか行ってくれたら助かるんやけどなぁ。」


そう言った瞬間。別にこっちの言葉を聞いたわけではないだろうが、脱兎の如く森の奥へと消えていった。


「ふぅ、流石にちょっとシンドいな。・・・ほんで?お前さんはどないするんや?」


【走査】と、森に入る前に新たに取得した【気配察知】にずっと引っかかっていた存在に話しかける。森に入り、グランウルフに遭遇し始めた辺りから【気配察知】の範囲ぎりぎりをずっと付いてきていた何者か。

森の中だというのに、殆ど足音をたてることなく姿を現したソレはグランウルフのようだった。通常のグランウルフではないだろう。さっきまで戦っていた個体よりも一回り大きく、毛並みこそ灰色だが艶が違う。何より一番違うのが瞳の色だ。通常は紅いのに、目の前にいる奴は翡翠のような翠だ。

暫しこちらを見つめた後、くるりと身を翻して森の奥へと歩き出す。しかし、少し歩いたと思ったら立ち止まりコチラを振り向いた。再びコチラを見つめている。


「・・・もしかして、着いてこい言うんか?」


再び歩きだした。その後を着いていく。

どれほど歩いたのかは判らないが、その間1体も魔獣に遭遇することはなかった。【気配察知】には反応があったが、皆遠巻きに見守っているような感じだった。

更に歩き続けると、突然視界が開けた。どうやら広場のような場所に出たようだ。


「ヴァフ!」


その広場に足を踏み入れた瞬間に、ここまで案内してきた奴が初めて声を出した。まるで「そこで止まれ」とでも言うような感じだ。それに従いその場で立ち止まる。其れを見届けると、再び歩きだし広場の奥まで進み立ち止まった。


「ウォ~~~~~~ン!」


そいつが遠吠えを始めたと思ったら、なにやら強大な気配が近づいてきた。広場の奥が光輝き、その何かが姿を現した。

純白の体毛に覆われた、全長10mはあろうかという巨狼。ただソコにあるだけで、凄まじい存在感を放っている。在る種神々しささえ感じるような存在。


「ウォン!」


『御苦労様でした。貴女は下がっていて下さい。』


そう声をかけられた案内役は広場から出て、こちらに目を向けた。


『さて。』


純白の巨狼がこちらに目を向けた。凄まじい威圧感だ。それだけで、吹き飛びそうな錯覚に陥る。


『貴方ですね?我が子等を殺している人の子は。』


なにやらお怒りのようだ。



と言うことで、森と言えば狼!狼と言えば!って感じの展開です。

次回は、たぶん戦闘が起こるでしょう。

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