第2話 双子襲来的な話
飛鳥の双子の妹達がなにやら話があるようで・・・。
「おにぃ!」
「・・・お兄ちゃん」
「・・・とりあえずドアはもっと丁寧に開けてくれんか?美弥、美紗。修理も結構かかるんやで?」
部屋に入りパソコンを立ち上げようとした瞬間にドアを破らんばかりに飛び込んできたのは、双子の妹。
元気に叫んでるのは四皇 美弥。中学2年生。濃い茶色のショートカットの元気っ娘。拳法部所属。
静かながらに主張するのが四皇 美紗。同じく中学2年生(まぁ当然だわな。双子なんだから)。濃い茶色のロングヘアをポニーテイルにしている。同じく拳法部所属。
ちなみに、2人ともかなりの強さで、県大会はもちろん全国大会も常連だ。そして美紗は拳法部の現主将だったりする。
「ほんで?2人そろってどないしたんや?なんやエラい勢いやったけど。」
「おにぃ《Diva》やるんだよね!βテストしてた人って3人招待できるんだよね!」
「よう知ってるなぁ。調べたんか?」
βテスト参加者にはいくつかの特典がある。1つは前述の”スキル引継”、1つは”βテスト参加記念アイテム配布”、1つが今出た3名までの”招待権”。
招待された者はテスター程ではないが初期の育成に効果的ないくつかの特典が与えられる。
「あたしたちもやりたい!」
「・・・お兄ちゃんと、ゲームしたい。」
「う~ん・・・。」
「駄目?」「・・・駄目なの?」
「いやぁ、招待するんは別にええんやけど、自分用の”ギア”いるで?さすがに買うたるとは言えんしなぁ。」
《Diva》に限らずVRMMOは主にヘッドマウントディスプレイがたのVRユニット、通称”ギア”と呼ばれる装置をパソコンに繋ぎ、頭にかぶってダイヴする。(VRMMOにログインすることをVRダイヴと言う)
ギアは個人認証式でダイヴする人数分用意する必要がある。初期に比べてかなり価格も落ち着いたとは言え、今でも安くても5万円近くする。かわいい妹達のためとは言え、さすがにポンと出せる金額ではない。
「だいじょうぶ!お「・・・貯めてたお小遣いの足らない分を、お父さんが出してくれた。」あぅ、美紗ちゃんに取られた・・・。」
「ってことは、すでに”ギア”は持ってる言うことか。ほんなら別にかまへんよ。ちょっと待っとき。」
台詞を取られて若干テンションの下がった美弥を後目に運営から来ていた招待コードを渡す。
「確か開始10日前からソレ使えるようになるはずやから忘れんと登録しぃや。」
「わ~い!おにぃありがと~!」「・・お兄ちゃん、ありがとぅ。」
「あ、そや。招待権あと1つ残ってるんやけどどないする?誰か一緒にやりたい友達とか居るんやったらあげるで?」
「え?おにぃは友達誘わないの?友達少ないとか?」
「ちゃうわ。俺のツレはゲームやるような奴は大体皆β組やからなぁ。他のは特にやらんやろうし。」
「じゃあもらう!ありがと~!美紗ちゃん!誰誘う?」
「・・・沙亞夜ちゃんは?」
「あ!沙亞夜ちゃんにしよっか!電話してみる!」
そう言って元気よく部屋を飛びだしていった。
「・・・お兄ちゃん。一緒に楽しもうね?」
そう言って美弥の後を追って美紗も出ていった。ちゃんとドアを閉めていったか。美弥だと開けっ放しで行くんだよなぁ。
さて、静かになったところで、残りのスキルを決めてしまおう。
「まぁ、【木工】は入れといた方がええやろな。後は採取が楽になるようなんを入れるか、危険回避の方にするか・・・、ちっと悩むなぁ。」
フィールドなどでの素材探しには【探査】等があり、主に採取出来るポイントを探したり、そのポイントで採取できる素材を確認したり出来る。
危険回避には【索敵】や、【警戒】等がある。【索敵】は主に、自分から敵性存在を探し出すスキルで、【警戒】は範囲内の敵性存在の動向を調べるスキルだ。
「【探査】なんかはやってりゃ覚えるからなぁ。【鍛冶】にも【木工】にもドロップ素材いるし・・・。後1個は【索敵】にしとこか。」
「【採取】、【採掘】、【鍛冶】、【鑑定】、【木工】、【索敵】。よっしゃ、この6つでいこか。」
持ち越すスキルが決定した!後はサービスインを待つのみだ。
妹達登場です。
主人公は関西弁で妹達が標準語なのは、実は・・・!
主人公は養子だったりします。飛鳥は双子の父親の弟夫婦の子供なのですが、
まだ小さい頃(小学校に入る直前)に事故で亡くなってしまいました。
そして、兄夫婦が引き取り今に至っています。
しかし!この物語には全く重要な設定ではないのでこれ以降この話が出ることはないでしょう!