第16話 初合流!・・・と、再会?的な話
妹達が紹介したい人が居るというので行ってみたらそこには!
〔おにぃ、いる?〕
ウィスパーが飛んできた。キャラネームは初めて聞く名前だが
〔その呼び方は、美弥か?〕
〔そうだよ!でもコッチでは”萌葱”って呼んでね!〕
やはり妹の美弥だった。キャラネームは”萌葱”と言うらしい。
〔それで、おにぃ今どこにいるの?〕
〔露店を冷やかしてるところや。〕
〔じゃあ直ぐに合流できるね!ちょっと紹介したい人が居るんだけど、あんまり人混みが得意じゃないんだって!〕
〔紹介したい人?〕
〔うん!最初に入った時に、あたしも美紗ちゃんも沙亞夜ちゃんもお世話になった人なんだ!それで、どこか人混みのない様なところないかな?〕
〔それやったら、最初の道場の辺りやったらほとんど人居らへんからそこでええんちゃうか?〕
〔ちょっと聞いてみる!〕
一時ウィスパーが切れた。その人に確認しているんだろう。しかし、この感じだと少し教えてもらったとかではなさそうだな。あの2人は結構悪意や下心なんかに敏感だから、俺に紹介したいってことはいい人に巡り会えたんだろう。こっちもちゃんと御礼をしないとな。
〔お待たせ!そこでいいって!〕
〔了解や。今から向かうから、15分ほどで着くと思うわ。〕
〔わかった!あたし達も向かうね!じゃあ後でね~!〕
〔はいよ。〕
そう言ってウィスパーを切り、急ぎ足で待ち合わせ場所へ向かった。
~~~~~
待ち合わせの道場が見えてくると、その前に人の姿があることがわかる。4人だ。そのうちの2人は妹達だとして、後の2人が紹介したい人なのかな?と、そのうちの2人がこちらに気付き、うち1人が手を振りながら声をかけてきた。
「あ!おにぃだ!お~~い!」
「お待たせや。」
「・・・ううん。そんなに待ってないよ、おにいちゃん。」
「ほんなら良かったわ。」
無事に合流できた。向こうも此処に着いてから、5分ほどらしい。そんなに待たさなくて良かった。・・・なんか3人の後ろにいる、少し背の高い人(3人よりは高いけど、俺よりは低いよ)の視線を感じる。そちらを見る前に、美弥が紹介を始めた。
「先ずは、自己紹介から始めるね!あたしは”萌葱”!投げ技主体の格闘家だよ!」
美弥=萌葱はリアルでも投げ技を得意としているからコッチでもそうしたらしい。リアルではどうがんばっても出来ない技もこっちにはあるからとても嬉しそうだ。
「・・・私は”朝霧”。打撃主体。」
美紗=朝霧はやはり打撃技主体の構成にしたようだ。リアルでも格闘部の部長で、歴代最強と言われているらしい。兄の贔屓目ではなく、どちらも美少女と呼ぶに差し支えない容姿だが、その実力はその辺の男では太刀打ちできないほどだ。部では、どちらも男女問わず尊敬されているらしい。
「それで、この子が沙亞夜ちゃん!」
「あの、”秋桜”こと橘 沙亞夜です。私は、回復を専門にする予定です。お2人にはとてもお世話になっています。よろしくお願いします。」
橘 沙亞夜ちゃん=秋桜はカゲミツこと橘 朝尚の妹さんだ。実は、この子もうちの道場の門下生で、主に杖術を修めている。なかなかの筋らしく、うちの爺さんが嬉しそうだった。武器を使わずともなかなか強いらしく、朝尚がよく制圧されているらしい。あいつ(ナオ)も近いうちに、うちの道場に入るような気がする。
「よろしく。それより、あんましオープンでリアルネーム言わん方がええで。変な奴に聞かれたりしたら後々リアルで面倒なことになりよるからな。」
「あ、はい。気をつけます。」
「じゃあ最後に一番紹介したかった人を紹介するね!」
3人の後ろで、ずっとコッチを見ていた女性の紹介が始まるようだ。よく今まで口を挟まずに堪えたもんだなぁ。
「出逢ってから、色々教えて貰って狩りにも連れていってくれた”瑠璃月”さんだよ!」
ニコニコと笑みを浮かべながら前に出てきた。
「初めまして、言う方がええか?”みこるー”。」
「では、こちらはお久しぶりですとお答えしましょうか”サイハ”様。」
2人の挨拶に、3人が驚いている。まぁ初対面だと思った2人が親しげに挨拶を交わしているんだから当然か。
「え!?おにぃと瑠璃月さんって知り合いだったの!?」
「はい。私もβテスターですので。サイハ様は有名な方ですから。武闘会でほかの戦闘職を押さえて準優勝された[笑う鍛冶師]様?」
「俺は地味な鍛冶師やからそんな目立ってへんよ、自分の方が有名人やんか。長物の名手で、ランク4位の[巫女姫]様。」
妹達に連れてこられた場所で待っていたのは、βテスト時代の上位ランカーとの再会だった
βテスト時代に”七舞衆”と呼ばれた上位ランカー7人のうちの1人の登場でした。
今回は顔出し程度です。