表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/39

第15話 初日終了・・・的な話

「ふぅ。」


安全なマイルームでログアウトを終え、自分の部屋で覚醒したおれはギアを外して一息吐いた。チュートリアルでのイベント(一般的にはトラブルと言う)のお陰でゲーム内にはいるのが遅れた為、それほどプレイする時間が取れなかった。楽しかったからいいのだが。


「確か、ガンガディとか言うとったな。次に逢うたらもっと楽しめるやろか。・・・ん?」


チュートリアルで出逢った”名持ち(ネームド)”の事を思い出していると、メールの着信に気が付いた。1通はトモから、もう1通はどうやら〈Diva〉の運営かららしい。取り合えず、トモからのメールを開いてみた。


『よ!おつかれ!今日は楽しかったな!でもまだ物足りないから、俺は風呂入ったらまた《Diva》に入るぜ!』


やっぱりトモはもう1度インするらしい。俺も風呂に入ってから考えよう。その前に運営のメールも確認しておくか。


『四皇 飛鳥様

 この度は《Diva in Caelum》をプレイしていただき、有り難う御座います。”InfinityCreaters”です。このメールを送らせていただいたのは、四皇 飛鳥様のチュートリアル時に起きました”通常あり得ないランクの敵が現れる”と言うトラブルに関してのことです。AIの報告によって、四皇 飛鳥様を含めました15人ほどのプレイヤーの方々に、同様のトラブルが発生したことを確認いたしました。現在全力を持って原因の調査をしておりますが、未だ特定には至っておりません。ご迷惑をお掛けしましたお詫びと致しまして、ささやかでは御座いますが贈り物をさせていただきたいと思います。今後、このようなご迷惑をお掛けすることがないように、運営及び開発陣一同よりよき世界を提供することをお約束いたします。

                                   InfinityCreaters一同』


「それなりの人数に起こってたんやなぁ。別にお詫びなんぞ要らんのに、律儀なこっちゃ。」


まぁ、チュートリアルでの戦闘で名付きが出てくるなんて事は普通は無いだろう。特に死にもしなかったんだから問題は無いんだけどなぁ。でも人によったらこれで離れてしまうかもしれないからな。俺以外の14人の中に、確実にあの9人が居るだろうからそこは問題ないだろうな。


「まぁええわ。風呂入ってこよ。」


PCの電源を落とし、風呂に入るために部屋を出る。途中に妹達の部屋があるが、どうやらまだログイン中らしい。あんまり根を詰めるなよ~。


~~~~~


「あ、かあさん。風呂入れる?」


「ええ。今は誰も入ってないから大丈夫よ。」


「あぁ。やっぱりあの2人はまだやってるんか。ほんなら先に入らせてもらうわ。」


予想通りあの2人はまだダイヴ中らしい。先に入って寝るまでの3時間ほどまたやるか。俺は風呂場に向かった。


~~~~~


みせられないよ!


~~~~~


「はぁ、ええお湯やったわ。」


風呂から上がって、かあさんが淹れてくれたお茶を飲んで一息つく。


「まだ《Diva》だっけ?やるの?」


「うん。もうちょいやるつもり。」


「そう。湯冷めしないように気をつけるのよ?」


「そうするわ。」


なんて話をしていると階段を駆け降りてくる音が聞こえる。


「あ!居た!」「・・・お兄ちゃん。」


キッチンに来るなり叫ぶ美弥と、その後を付いてきた美紗。そこへ若干の呆れ顔のかあさんが声をかける。


「はぁ。あなたたち、もう時間も遅いんだからもっと静かにね?」


「あ、ごめんなさい・・・。」「・・・ごめんなさい。」


注意されて2人とも謝った。


「それで?俺のほう見て叫んだんやから俺に用事か?特に用事無いんやったらもう部屋戻んで?」


「あ、待って。おにぃこの後《Diva》入るの?」


「そのつもりやけど?」


「・・・いっしょにやってもいい?」


「別にええよ。」


「ホントに!やった!・・・あ。」「・・・美弥ちゃん。」


呆れ顔の母さんを見て、テンションの下がる美弥。


「まぁ、先に入っとくわ。因みに、キャラネームは”サイハ”やから入ったらウィスパー飛ばし。やり方知ってるか?」


「・・・うん。中で教えてもらった。」


「そうか。ほんなら中で適当に待ってるわ。」


「お風呂あがったら直ぐに行くよ。」


「了解や。」


そう言って部屋に戻った。


~~~~~


部屋に戻ってサクッと準備をし、サクッとダイヴイン。


「知らな・・・止めとこ。」


最初に目に入ったのは、工房の居住スペースの天井だった。決して知らない天井ではない、当然だが。


「あの2人が来るまで適当にぶらついとくか。」


工房から外にでる。一部の工房では未だ作業をしている人もいるらしく、鎚をふるう音が響く。それにしても、職人区なのに結構な人が歩いている。流石初日だけあるなぁ、と感心しながらぶらぶらと歩く。


~~~~~


「夜狩り行きませんか~?回復@1募集~!」


「素材買い取りま~す!」


「フレンド募集してま~す!一緒に楽しみませんか~?」


「ふぅはははぁ!夜に映える我が舞いを観よ!」


「「「やっぱり出た~!!」」」


「「「キャ~!〈舞師〉様~!」」」


結構遅い時間にも関わらず、噴水前広場は多くのプレイヤーで賑わっていた。狩りの募集に買い取り、フレ募集。・・・あのパンツ1丁の紳士(変態)、見覚えあると思ったらやはりランク9位の”せばすちゃん”だった。すでにファンが付いているようだ。相変わらず(何故か)人気あるなぁ。

そのまま露店をを覗いたりしてウロウロしていると、ウィスパーが飛んできた。


〔おにぃ、いる?〕

第15話です。

久しぶりに妹達が登場しました。

変態紳士の名前も発覚。武道大会第9位の〈舞師〉せばすちゃん。主人公達とも面識のある、上位ランカーの1人です。

これから徐々に、ほかのランカー達も出そうと思っています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ