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第9話 俺たちの冒険はコレからだ!・・・的な話

2人と再会し、道場への入門を果たした飛鳥はギルドを目指す。

そしてそこで嬉しい再会が待っていた!

「なぁ飛鳥?本当にこの道場で良かったのか?ここだと幾らランク上げても使えるアーツ4つしかないんだろ?」


道場への入門を終えて冒険者ギルドへ向かう道中、智久がそんな事を言ってきた。


「俺は生産がメインで戦闘は素材集めの為やて言うたやろ?アーツの数が少のぉても物理、非物理、遠距離と揃てるんやから何の問題もないよ。あとグランツ。此処では俺は”サイハ”や。今度リアルネームで呼んだら・・・モぐで?」


「スイマセンデシタ!キヲツケマス!」


「そのときは僕も協力しよう。因みに、僕をリアルネームで呼んだら・・・消し炭にしようかな。」


「ゼッタイニヨビマセン!」


「ところで2人はもう入門済ませたんか?」


「あぁ。僕はβ時代に御世話になった〈ラクシード〉老の所に入門を許されたよ。僕のことを覚えていて下さったようで、偶然お会いしたときに入門のことを話したら快諾して下さった。」


「ワタシハデスネ「戻ってこい。」ガスッ!・・・っは!おお!すまん、なんか跳んでた!俺も同じくだな!β時代の所に入門したぜ!やっぱり覚えてくれててな、向こうから「また俺の所で修行するか?」って言ってくれてな!当然お願いしたぜ!」


「ふ~ん。2人も覚えてくれてたんやな。俺もあの道場のお師匠さん覚えてくれてたし、これはなかなか嬉しいことやな。この分やったらβで絡んだ他の住人も覚えてくれてる人居るかもな。」


それなりの人出の中そんな話しをしながら歩いている。周りからは露天のおっちゃん、おばちゃんの威勢のいい声が響く。それらを軽く見ながら歩き続けると、ギルドの近くまで来た。まだまだ冒険者らしき姿で溢れ帰っているが、着いた直後に比べれば密度は下がっている。

程なくギルドの建物に到着した3人は、扉を開けて中に入った。


「おお!これぞギルド!って感じだな!」


グランツ(トモ)が言うように、なかなかの盛況ぶりだ。ボードで依頼を探す者。受付で依頼を受ける者。素材を買い取って貰っている者。パンツ一丁で踊り狂う者。・・・噴水前で踊ってたのとは違う奴だ。どうやら順調に布教が進んでいるらしい。


「そうだな。・・・若干毛色の違うのが混じっている気がするが、気にしないでおこう。」


「そやな。ダベりに来たわけやないんやからチャッチャと登録済ませよか。まだ余裕もあるし、その後なんど依頼でも受けるか。」


「おう!ソウしようぜ!」「了解だ。」


早速受付のカウンターに近付くと、そこに座っていた女性がこちらに気が付き声をかけてきた。


「ようこそ冒険者支援ギルドへ!本日はどの様な・・・?・・・!あ、あの!もしかして”サイハ”様ですか!?」


「ん?確かに俺はサイハやけど・・・って、なんや見覚え有る気がするなぁ。・・・あぁ、もしかしてあんた”リディア”ちゃんか?俺が初めて此処来たときに登録担当してくれた。」


「!はい!リディアです!覚えていて下さったのですか!」


どうやら目の前に座っていた(今は興奮した様子で立ち上がっている)女性は、β時代に冒険者登録をしてくれた”リディア”ちゃんの様だ。やはり、有る程度仲良くなったNPCはこちらのことを覚えているらしい。本当に凄いな。


「そりゃ覚えてるよ。登録した後も色々世話になった娘ぉやねんから。久しぶりやね、そっちが俺らを覚えとるとは思わんかったけど。」


「それはもちろん覚えていますよ!こちらこそすごく御世話になりましたもの!お久しぶりです!本日はどの様なご用件ですか?冒険者に復帰なさるんですか?」


「登録に来たんやけど。復帰って?どういうことなん?」


「はい!2年程前、一斉に皆様が来られなくなった時に国からギルドへの通達が有りました。”姿を消した冒険者達は何れ戻ってくるので、登録は破棄せずに休止にしておくように”と。それにより、その方達はこちらが登録の意志を確認できればすぐに復帰していただけるようになっているんです。」


「へぇそんな事があったんや。」


そんな事があったようだ。当然2年前に来なくなったのは、βテストが終了したからだ。正確に言えば来なくなったではなく、来られなくなっただろうか。登録は其れほど複雑ではないとはいえシステムの説明などで、それなりの時間を取られていたから地味に嬉しい仕様だ。

β終了から正式公開までの間は2ヶ月だったがこの世界では2年が経っている。この世界の時間設定が、リアル1月でゲーム内1年となっているためだ。


「あ、でも申し訳ないのですが、ランクは少々下がった状態からのスタートになってしまいます。当時Sランクだった方はDランクに、Aランク以下だった方はEランクからになりますが。」


「ってことは、俺らは3人ともDからってことだな!ありがてぇ!」


「確かに。コレは地味に嬉しいことだな。」


今まで会話を丸投げしていた2人がやっと参加してきた。


「よかったです!それでは「おう、ちっと待ってくれや。」・・・どうかなさいましたか?”ガラド”さん。」


リディアちゃんの言葉を遮って、不満です!と全力で訴えかける声で割って入った一人の男。禄に手入れもしていなさそうな赤い髪に2mに迫る巨漢で、その背にはその巨漢にふさわしいグレートアックスを背負っている。要所要所を金属で補強されたハードレザーを身に着け、こちらを睨み付けている。新たな脳筋の登場だ。今まで少々騒がしかったギルド内が静寂に包まれる。・・・我関せずと踊り続ける(変態)紳士はこの際無視しよう。


「おい、そこの3人組。」


「ん?俺達の事か?」


相手の言葉にグランツが応じた。ここは脳筋同士に任せよう。そう思った俺は、カゲミツと視線を交わし頷き有った。やはりカゲミツも同じ事を持っていたようだ。即ち”類(脳筋)は友(脳筋)を呼ぶ”と。



やっと第9話です。

ギルドでは定番のもめ事ですね!

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