第1話 正式サービス開始直前のプロローグ的な話
《Diva in Caelum》のβテスト参加者には特典として正式サービス時にβで育てたキャラのスキルを6つ引き継ぐことが出来る。
あっさり決めた親友(脳筋)と少し悩んでる主人公の図。
「なぁ!飛鳥はもう決めたか!?」
朝遭うなりそう言い放ってきたのは俺の親友(悪友?)”紅林 智久”。小学生の頃からの幼なじみと言う奴だ。
朝っぱらから元気な奴だなぁ。
「朝からテンション高いなぁ。いきなり何や?」
と冷静にツッコんだ俺は”四皇 飛鳥。どこにでも行る至ってふつうの高2男子だ。
「何や?じゃねえって![Diva]の引き継ぎスキルに決まってんだろ!」
「まぁたぶんそうやろなぁとは思たけど。幾つかは決めたけどまだ考え中や。」
[Diva in Caelum]・・・通称[Diva]
いわゆるVRMMORPGと云うジャンルの1タイトルであり2週間ほど前にβテストを終了し約2週間後に正式稼働するゲームだ。VRギアと呼ばれるユニットを使いVDして仮想現実の世界を冒険する王道ファンタジーなゲーム。
VRの技術も確立してからまだ30年ほどしかたっていない。最初の頃は仮想現実内でも出来ることは現実世界と同じことだけだったらしい。座る、立つ、歩く、走る、ジャンプする、などの本当に基本的な動作だけだから直ぐに興奮は醒めていった。
でも画期的な技術を埋もれさせるのはもったいないと医療関係者が注目した。リハビリに使えないかと考えたのだ。病気や怪我で満足に体を動かせない患者さんに希望者を募って試験運用を開始した。最初はアバターを創る機能なんて無くリアルと同じ姿の自分を(服装は幾つか選べた)動かすだけだった。
・・・まぁこんな説明長々と聴かされても退屈だろうからこの辺りで切り上げよう・・・。(またどこかで解説するかも)
「そう言うトモはもう決めたんか?」
「もちろん!【両手剣】、【防御】、【掴み】、【投げ】、【重装】、【我慢】だ!」
「・・・見事にゴリゴリの脳筋仕様やなぁ。さすがリアル脳筋や(ボソッ)。」
「おう!俺はいつでも重装騎士一筋だっ!」
別に褒めた訳じゃないんだけど・・・。まぁいっか。
「んで?飛鳥は?」
「ん?なにが?」
「いやおまえのスキルは?」
「教えるなんて言うた覚えないけど?」
「なっ!?俺の教えて・・・!」
「冗談やって。【採取】、【採掘】、【鍛冶】、【鑑定】は決まってるんやけど後2つはまだ悩んでる。」
「武器スキル取らないのか?おまえβ時代に【刀】育ててたじゃん。」
「俺はメインが生産やからなぁ。戦闘はmob素材集めに必要なだけで補助やからな。最初から高くなくても困らんし。」
「お前のあの強さで生産メインとかいっても誰も信じないけどな!ふつうに上位ランカーと競り合えるし。」
βテスト後半に開催されたイベント”武道大会”にて、飛鳥は対戦した上位ランカーの殆どを退け生産メインにも関わらず準優勝してしまったのだ。優勝はランク1位”迅雷無双”と呼ばれた剣士だった。
「大体【刀】も特に育ててたんやなくて、それしか使ってなかったからいつの間にかMAXになってただけやしな。やっぱり自分で作った武器は自分で使いたいやん?」
「まぁいいや!俺にも武器作ってくれよ?」
「気が向いたらな~。」
「親友が冷たい!?」
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「ただいま~。」
トモと別れ家に帰った俺は早速残りのスキルの検証に入「おにぃ!」「・・・お兄ちゃん」ろうとしたら出鼻をくじかれた。
はい!
と言うわけで始まりました《Diva in Caelum》~天空の歌姫~!
今まで読み専でしたがちょっと書いてみようと思いました。
プロット作成してから投稿してるわけではないので、おそらく遅筆になると思います。
1週間から10日間隔くらいで投稿できたらいいなと思っています。
あとR-15や残酷描写は保険程度に思ってください。