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自覚しない研修医②(A大学病院・血液内科 無雑医師の記録)

世間では「医師=頭が良くて、真面目で、冷静沈着」というイメージがある。


もちろんそういう人もいる。だが、現実はもう少しカラフルだ。とても優秀な人もいれば、まあ普通かなという人もいて、時に「え、君、どうやって医師国家試験を突破したの?」と心配になる人もいる。


今回の主役は、その「どうやって受かったの枠」に属するI君だ。



I君は研修医2年目、血液内科にやってきた。

学生時代から「正直、微妙」という評判で、試験もギリギリ合格のタイプ。それでも医師国家試験は一発合格しているから、きっと追い込まれると力を出すのだろう…と、ほんの少し期待もしていた。


だが、研修初日からその期待は粉々になった。



- Key drugを勝手に増減

指導医が席を外した隙に、抗がん剤の投与量を「なんとなく」で変更。しかも理由は「こっちの方が効きそうだから」。


- 禁忌薬を追加しようとする

電子カルテにサラッと入力して、看護師に「これでお願いします」。慌てて止めたが、理由は「感染症科の時にこれ出してる人いたから」。


- 隔離患者の部屋に自由出入り

「何で隔離か分からないけど、ちょっと顔見に行きたくて」。

その足で別の病室に行こうとして全力で制止された。


- 点滴薬をワンショット静注しようとする

「そっちの方が早く効くと思ったから」。いや、効く効かないの前に危ないって。


これらを短期間にやらかすわけだから、病棟中がざわついた。

「誰だ、あんな奴を医者にしたのは!」と、複数診療科の上級医が集まってくるのも時間の問題だった。



ついに「各診療科代表による研修医指導会議」が招集された。

議題の一つが、堂々と「I君の研修について」。


出た結論は異例中の異例だった。

1. I君を一人にしない

2. 常にマンツーマンで誰かが横にいること

3. 処置や処方は必ずダブルチェック


これはもう、研修というより監視だ。



翌日からI君には、他の研修医や看護師、時には事務スタッフまで交代で「付き添い」がついた。

処置室でも診察室でも、必ず誰かが腕組みをして横で見ている。

患者さんからは「あら、この先生人気あるのね」と言われていたが、人気じゃなくて監視です。




ある日、I君が他の研修医にこう言った。


「いやー、いいやろ。俺だけ特別待遇で、マンツーマン指導だぜ」


周囲の研修医たちは、しばし沈黙した後、口々に言った。

「……あれを特別待遇と呼べるメンタル、すごいな」



I君は最後まで自分が「危険人物」と認定されていることに気づかなかった。


自覚のなさは時に才能…いや、やっぱり困る。

「頼むから、そのメンタルは別のところで使ってくれ」と心から思った。


教訓

自分を客観視できないと、伸びるものも伸びない。

そして病院は今日も、I君のような研修医を見守りながら回っている。


Chat-GPTも日付が変わると書き方変わるのね・・・と思いました。修正するのもめんどくさくなり、医学的にありえないことだけ修正しました

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