13.勇者様を迎えに行こう-3
短め
そしてちょっとグロ注意。
さらっと流してるけれど想像するとグロい。
俺は軽くカミーユに行こうぜって声をかけて、でかいリュックサックを背負う。大体ここに何でも入ってるから、こいつがあればそれでいい。
ダンジョンは、村の近くの森の中にあった。森の浅い部分では採取が出来て、ダンジョンとは違う方の奥には川があって、魚が取れる。そこからさらに逸れると、狩人の人の小屋もあるという。
その川はウジェ川の支流で、氾濫するほど大きくはない。
「この森は、モンスターとかは出ないんだな?」
「うん、大丈夫。他の場所では出るの?」
「出るところはダンジョンじゃなくても出る」
それを、魔王復活の予兆という。
だから俺はこうして、死ぬかもしれない危険な修行をさせられている。なんでかって言ったら、南の賢者様のジジイが、俺にはそういった練習じゃないといけないって言ったんだよ。まあな。前の俺は、死ぬか殺されるかの世界で、強くなった。そういう訓練が、合ってるんだろうな。
カミーユが前を歩き、俺はその後ろを歩く。歩きながら、石を探す。今日はダンジョンに潜らねえから使わねえけど、集めておいて損はない。明日から戦うのは、未知の生き物だ。生き物か? まあいいや。
「帰りは、薪になりそうな木を探そうぜ」
「そうしようか」
カミーユは、風呂は好きだという。それでも、薪もただではないから、それほど毎日入りたいとは言えなかったという。俺は言うから、ありがたく入ればいい。他の村人達だってそうだ。入りたい奴は入ればいい。
ダンジョンまでは、子供がうっかり迷い込むほど、近くもない。拾ってきた石は、ダンジョンの入口に積み上げておいて、帰ることにする。道はあるようなないようなだが、明日から俺とジジイが毎日通るんだ。その内道も出来るだろう。
「バティストは、怖くないの」
「なにが」
「戦うの……死んじゃうんでしょう」
その前に怪我をする、を入れようぜ? 何でいきなり死ぬんだよ。
「死なねえから怖くはねえな」
「でも」
「死なねえよ」
何でそう思うのかって言われてもよくわからんが。俺は前からずっと、そう思ってた。奴隷剣士だった頃から、俺は死なない、となんとなく思っていた。負けて死んだときもあったような気がするけれど、確か一回だけだし。それ以外はあのくそみてえな闘技場でハンデ付けられる程度には勝ってたからな。魔王相手の時だけは、無理かもなって思ったけど。そしてまあ実際無理だったわけだが。
「腕を食いちぎられようが目ん玉えぐられようが、それを笑って見られてようが。俺は死なねえし怖くねえし、死ぬことすら別にどうだっていい」
「ぅえ」
悪い。そうだよな。普通前の俺がされたことって、想像するだけで怖えよな。でも怖くねえんだわ。死ぬことすら怖くはなかった。だから別にどうだっていい。
正直、魔王が世界を終わらせようがどうだっていい。前の時も今も、俺が何とかしなきゃとか特に思ってねえ。前の俺は買われたからそれに応えた。今の俺も同じだ。俺を買った王子様がそうしたいと願うから、それに応えるために動いているに過ぎない。
ダンジョン踏破、楽しいしな。
「怖いなら強くなればいいんだよ。俺のが強けりゃ負けないだろ? 負けなきゃ死なねえんだよ」
「そっか」
「その気になったら朝来いよ。素振りとかやってるからよ」
「うん」
いつになるかは分からないが、勇者様が俺と並んで鍛錬をする日が来るといい。




