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死に戻り王子に買われた奴隷は英雄になる  作者: 稲葉 鈴


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12.ダンジョンで修業をしよう-3

 頭がいいな、と、ジジイと二人で頷く。それならまあ、不審者だけどなくはなさそうだし、勇者様、年頃の近い村の子供と話をしても不思議じゃなかろう。

 という訳で、俺たちはまた、ダンジョンに寄りつつ、オーリク村を目指すことになった。


「ウジェ川沿いには九つのダンジョンがあります。今度は、このダンジョンのうち五つを、最奥まで走破してから、向かって下さい」


 残る四つは難易度が高く、俺が一人で走破する、のは、不自然なんだそうだ。いやいや、オーリク村で武者修行する設定なら、他のダンジョンだって奥まで行かない方がいいんじゃねえの?

 と思っていたけれど確かに、冒険者のギルドでジジイと一緒にダンジョンについて調べてみたら、おすすめされた五つのダンジョンは、俺一人でも行けそうだった。というか、ここをクリアしてから、オーリク村のダンジョン、というのは、なんかそれっぽい難易度のようだった。理にかなってる、ってジジイは言っていたから、そういうことなんだろう。


「じゃあまず初日は儂と一緒に入って、二日目からは一人で行けな」

「あいよ」


 強いて問題点があるなら。つまんねえってだけだ。スライムばっかりのダンジョンと、トカゲばっかりのダンジョンと、オオカミばっかりのダンジョンと、ゴブリンばっかりのダンジョンだった。スライムの中では色に違いとかあるし、トカゲだって頭が複数あったり尻尾が複数あったり目が複数あったりしたし、それは他のだって同じだった。同じだった! けどよ!!

 スライムばかりのダンジョンではスライムロッドを入手した。なんだこれ。魔法使いの杖だそうだけれど、当然ジジイはこんなちゃちいもん使わないというし、王子様にあげるのもあれだし、俺も使いづれえし。


「お姫様への、お土産にするぐらいしか使い道浮かばねえな」

「もう一本取ってくらあ」


 お姫様方だって魔法使いとしてはそれなりらしいから、こんな杖は使わないだろうとジジイは言うけれど、けれどそれはそれとして、こんな面白いもん拾いましたよって点では、いい土産になるんじゃねえか、って話だ。姫様は双子だから、一本じゃまずいから、もう一本拾いに行く。

 スライムダンジョンにほとんど人はいねえから、問題なく周回できた。なるほど、ダンジョンの周回ってこうやるのか。いるのは俺より弱い、駆け出しって連中だ。手袋をしているから、俺の奴隷紋は見えないし、見えたところでそれが奴隷紋だとはわかりそうにない子供ばかりだから、俺は最初から剣を抜いている。まあ、剣で殴りつけるより踏みつぶした方が早いんだけどな。

 つっても、そんなに日数をかけるつもりはない。翌日一日潜って出なかったらおしまいってことにして、挑戦した。昼前にはなんとか二本目を入手できたから、ジジイと合流して、スライムの核を換金して貰って、飯を食ってもう一泊して、次のダンジョンを目指した。

 トカゲばっかりのダンジョンで集めるのはトカゲの鱗で、逆鱗っていう紫の鱗が高く売れるそうだ。あとはトカゲの鱗で出来た装備を入手することが出来て、胸当てと兜を入手した。とりあえずはジジイの鞄の中だ。スライムダンジョンよりは大変だったけれど、それほど大変でもなかったから、次の町へ。スライムダンジョンはな、踏みつけりゃ何とかなったから、楽だったんだよな。

 オオカミばっかりのダンジョンでは、装備を一式そろえるようにとジジイに言われた。オオカミの毛皮で作られたグローブに上着、ズボン、ブーツ。俺の分だけじゃなくて、ジジイの分もだ。二日じゃ無理で、三日もかかった。


「いや、お前な」

「おう」

「相当早いからな?」


 呆れ顔のジジイに言わせると、一人で最奥に行けるようになるのも早けりゃ、一日あたりの周回数も多いらしい。想定よりも。そんなこと言われてもな。


「魔力を付与した棍棒が、中々折れねえ上にいいダメージ出すんだもんよ」

「だから普通はそうならねえんだよ……」


 知らねえよ。前もその前も、俺は強かったんだよ。奴隷剣士として。それが今も、俺に影響を与えてるだけだろ。


「おうお前、こっちこっち」


 その一団が俺を呼んだのは、ゴブリンばっかりのダンジョンから帰って来た時だった。

 ジジイと一緒に初日は潜って、二日目以降は一人で潜ってる。初日にゴブリンの何とかってのが、粗末な魔法の鍵を持っていた。普通ならこいつはギルドに売って、誰かが修理して、店頭に並ぶんだけれど、ジジイはこいつの修理が出来るってんで、それを宿ですることになった。その間に、俺は一人でゴブリンダンジョンの周回だ。

 ジジイに魔法で脱臭をかけて貰った小袋をたくさんでかいリュックに詰めて、そいつを背負って、誰もいないゴブリンダンジョンに潜る。この街にはもう一個ダンジョンがあって、そっちの方が盛況なんだ。だからジジイが俺に武者修行として行かせたい、と言ったら、フロアを丁寧に回ってほしいって頼まれた。間引きは大事だからな。その代わり、ゴブリン討伐の証はちょっと色を付けてくれるって事になった。色を付けて貰っても所詮はゴブリンだから、相当数倒さねえと大した金にはならねえんだけど。どれくらいかって言うと、俺の三食分にちょっと足りないくらい。修業じゃなかったら、これは確かに行かねえわ。

 ダンジョンへの道中、手に馴染むいい石を拾う。最低二つ。出来れば五つ以上。それを超えるとズボンのポケットに収まりきらなくなるから、駄目なんだ。

 ダンジョンに潜って、石に無属性の魔力を付与する。そいつを維持したまま、最初に出会ったゴブリンに投げつける。そのゴブリンが何か武器を持っていたらよし、持っていなかったら投石で戦闘続行だ。粗末な棍棒だって、そのまま殴れば二回くらいで折れるけれど、魔力を付与すると八回くらいは殴れる。まあ結局折れるんだけどよ。けど粗末な棍棒が折れる頃には粗末な斧が手に入る。こいつも魔力を付与しなけりゃ七回くらいで折れるけど、魔力を付与してやりゃあ十三回くらいは敵をぶん殴れる。

 ゴブリンの討伐の証に該当する耳は、トカゲのダンジョンで得たトカゲの鱗のナイフで切り取る。正直これ一本あれば戦えるけど、こいつ切れ味良くてモンスター捌くのに便利だから武器にはしたくない。だって壊れたら嫌じゃねえか。ちょっと気に入ってるんだ。

このお話で初めてダンジョンについてとバティストのダンジョンでの戦闘方法について書いた気がする。

とても楽しかったです。

その羽んね「ねえよ」とはずっと突っ込んでた。

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