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死に戻り王子に買われた奴隷は英雄になる  作者: 稲葉 鈴


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9.騎士様相当になろう-2

「つまり、騎士試験に合格すれば、その辺のぼろ雑巾からアベル達みたいな扱いになるってことすかね?」


 俺の待遇は今でもめちゃくちゃいい。どっちかって言うと、普通の馬くらいの待遇を貰ってるとは思う。飯食えるし部屋あるし、服も支給されてるし。それが、こう。


「今の時点ですでに馬だから、そこからアベル達くらい?」

「ちょっとまて、ええと。そうか? そうなるのか? お前のたとえは独特で分かりづらいな」

「団長ん家奴隷いないんすか」

「うちにいるのは基本借金奴隷だからな。皆借金すぐ返して戻っていくよ」

「えー、良いなー。俺もそっちに生まれたかった」

「だから奴隷基準で考えるな」


 奴隷は奴隷の子供に生まれたら奴隷だ。親の借金を肩代わり、とかの世界じゃない。死ぬまで奴隷だ。

 ジジイが言うには、この死ぬまで、っての。すぐ死ぬから、そう言われてるらしい。そう考えると俺すげえな。


「奴隷に生まれたんだから、仕方ないでしょ」

「そういうもんか? まあいい。天馬は基本的に騎士団管理だ。南の賢者様をお迎えに上がる、等の場合以外は基本的には貸与しない。しかし必要があれば貸与する。それ以外の行軍などで使用する軍馬は、基本は自前だな」

「なんでですか」

「それだけの俸禄は与えられている、というのを見せるためだ」

「誰に」

「他の貴族に」

「なんになんの、それ」

「王家であれば、王家にはそれだけの財があると示し、貴族家であっても、同様に示す必要があるんだよ」

「よく分かんねえな……」

「ベランジュ殿に聞かれた方が、分かり易く説明してもらえるだろうな」


 という話でまあ、詳しい事はジジイに聞くことになった。それがいいだろう。王妃様からのご下命なら、ジジイだって知ってるだろうし。多分、俺に聞かれるだろうと、言い回しを考えてくれてるんじゃねえかな。


「で、試験ってのは」

「エメとボドワンとともに受けて貰う。ボドワンは去年も受けていたから、彼に聞くといい」

「ボドワンか」

「ボドワンかー」

「だったら先輩に聞いた方がましだと思うよ」

「だよな」

「お前らな……」


 身もふたもない俺らの言いざまに、団長が頭を抱える。けれどしょうがねえじゃねえか。ボドワンのヤツは多分嘘を吐く。そうやって足を引っ張って受かろうとして、てめえだけ落ちるような奴なんだよ。

 他の先輩に聞いてみたところ、大体快く教えてくれた。別に隠すほどの事でもねえし、毎年それにちょっと変化があるくらいで、いつものことをいつものようにやってりゃ受かるはずだ、だそうだ。十人受けて半分しか受からないとか、そういうことはない。三人受けて三人受かるはずなんだってよ。

 おいボドワン。

 試験は確かに先輩方の言ったとおり、いつもの鍛錬と大差はなかった。めちゃくちゃ走ってめちゃくちゃ殴り合って、馬に乗って馬と並走して。最後の試験は騎士団長との殴り合いだ。めちゃくちゃ緊張してるエメと、ボドワンと、まあ受かるだろって思ってる俺の三人。今年は三人だけだった。まあ、城の従騎士は元々少ないからな。

 合格したのは、俺とエメ。嘘をついて俺たちを出し抜こうとしたボドワンは落ちた。お前はいい加減まじめにやれと、団長たちから言われているが無理だろう。


「おめでとう、バティスト!」

「ありがとうございます」


 王子様の部屋に戻り、合格を告げると、とても喜ばれた。そもそも落ちるはずのない試験なのだ。ここで落ちるようなら、そもそもその前に暇を出されている。

 ボドワンは知らん。

 貴族の事だ、なにがしかあるんじゃねえのか。こう、家の事とか。なんかそういうの。


「バティスト。お前のために一式を誂えた」

「なにをっすか」


 いや、ジジイがその手に持ってるものを見れば、分かるけれど。

 騎士の制服。それも、俺のためだけの物。騎士団には揃いの制服があって、その中でもさらに、陛下方につく近衛は別の制服がある。王子様方についている近衛は青を基調とした制服を着ていた。ジジイが手にしているのもそれだ。色合いはちょっと異なるが、俺はほら、騎士にはなれねえから、色を変えたのだろう。


「お前は殿下の騎士として、そばに侍ることを今後許される。しかしまあ正式には騎士ではないので、とかとやかく言ってくる連中がいるだろうことは想像に容易いので、王妃様より下賜されたこの制服を着用するように」

「拝命いたします」


 王妃様から下賜されたんじゃ、しょうがねえな。俺だけじゃない。陛下だって、騎士団長だって、そういうはずだ。

 騎士になると、誓いがある。エメはやっていたが、俺は騎士にはなれないのでやってない。その代わりがこれ、ってことなんだろう。まあ、ありがてえ話だわな。


 ちなみに俺が騎士様になるために頑張っている間に、王子様は南の賢者様から色んな魔法を教わっていた。俺も何回か同席したけれど、うん、さっぱりわからなかったから、何回か同席した、訳だ。お前には才能が無いって言われても、奴隷にそんなもん求めんなよとしか言えん。……いや、種の方が伯爵なんだっけか。じゃあ可能性としてはあったのか? 今さらだな。

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ボドワン特に何かの伏線ではないです。

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