第6話 最終話 私の旦那様はいつまでも素敵♡
「カミール!私がこのまま美人になったら、私と結婚してくれませんか?」
我ながら、話の流れで随分大胆な発言をしたと思う。今になって穴があったら入りたい。誰かスコップを!あぁ、ここは王宮で床が固い。ドリルとかないかなぁ?
などと思っていると……。
「っ……。ハハハっ、いいですよ。リリアーヌ様が美人になったらですね」
現実に戻った。OKされた。私の軽~いプロポーズ。
「えーと。私は本気なんですけどいいんでしょうか?了承されたという事で」
「ぅええぇえ!冗談ではなかったのですか?申し訳ございません!」
わかってた、わかってたよ…世の中そんなにうまい話はないって。呑めるならお酒で酔いつぶれてしまいたいもんだ。悲しいかな未成年。
「リリアーヌ様!リリアーヌ様が将来美人になることは確定事項です。現在私は亡くなった妻一筋です。リリアーヌ様が美人になった折に、その話はまた致しましょう。私の気持ちがどのようになっているのか。今はですね。畏れながら、リリアーヌ様は亡き妻との間に子供がいたらこんな感じかな?とか思ってしまうのです。誠に畏れ多いことです。リリアーヌ様が完全に大人!となった時に私の気持ちに変化があったらその時は、是非リリアーヌ様の気持ちに応えたいと思います」
はぁ、真面目に応えてくれた。全力で成長しよう。お母様がかなりの美魔女だから、私も将来的にいけるはず!いっぱい牛乳飲んで、肉食べて、運動しよう!野菜も食べて、肌艶もよくしましょう。
22才になりました。多方面から婚約の打診がありましたが、22才になると……年増ということでしょうか?
「カミール!どう?けっこう淑女に成長したつもりよ?」
「そうですね、自分からはなかなか言わないものですが。正直私も仕事中ドキッとさせられることが増えました」
ということは、前からあったの?
「改めて、婚約をしていただけませんか?」
「喜んで。あ、今度亡き妻の墓に一緒に行ってくれませんか?リリアーヌ様と婚約することは亡き妻を裏切るような気がして……」
本当に一途な真面目なのね。そこが大好きなんだけど♡
「奥様もカミールが次に進めたことを喜んでくれるはずよ。私ならそうだもの」
「あと、恐れているのは……陛下……」
お父様なら私に激甘だから大丈夫だと思うけど。
「カミ~ル~~!!私のリリたんを泣かせたら承知せんぞ!」
「あなた!大人げないですよ!カミール様、リリアーヌをよろしく頼みますね。王位?そんなのは継承権を持っている人たくさんいるもの大丈夫よ~。心置きなく、リリアーヌと愛の巣を!」
「あの~、陛下。王妃殿下」
「「何?」」
「私は侯爵家を継ぐわけでもないので、このまま王配という立場に納まることはできないのでしょうか?リリアーヌを女王として」
「儂はリリたんがずっとそばにいてくれる方がいいなぁ」
「カミール様!王配って簡単に言いますけど、王配教育もこれから受けないといけないのですよ?」
「承知しています。それが過酷なことも」
「それなら……。リリアーヌは女王になる意志ある?」
「えっ?帝王教育受けなきゃね。カミール様と一緒なら♡」
「はぁ、わかったわよ」
こうして、ヴィーナスヴェール王国初の女王・リリアーヌとその王配・カミールが誕生した。初の女王と王配だったが、近隣諸国からも市井からも評判がよく、近隣諸国からは賢王とその王配だと。市井からは二人の容姿や仲睦まじい姿などが称賛された。
リリアーヌは忙しい最中、二人の王子を出産。
4人家族となり、家庭内も騒がしくなった。
「ベティ!そっちに前渡した書類があったはず」
「あ゛―!!王子!書類を口にいれてはいけません。リリアーヌ様、執務は王城の執務室内で行ってください」
「リリアーヌ!こっちでは書類を破いて遊んでるぞ。ハハハっ……」
声しか笑ってないですね。顔、泣きそう。
「ゴメンなさい!!今後から絶対に書類は持って帰ってこない!!」
「絶対だからなっ!」
END
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