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みゆきちゃんとの初遭遇のお話
みゆきちゃんは、可愛い。
制服は赤いリボンが特徴的なブレザーで、髪型はツインテール、顔もアイドルみたいに可愛い。
死因はODだと明るく話してくれた。
親ガチャが外れたーとか、両親が離婚して母親からネグレクトされてーとか、うっかりホストの育てにされてー、とか、ホストに売り掛けされてー立ちんぼやらされてーとか、たくさんたくさん話してくれた。
片親同士、意気投合してしまったのが運の尽きだった。
というか、友達として、みゆきちゃんが好きになっていた。
辛いのに、絶対しんどいはずなのに、明るくオチまでつけて笑い話みたいに不幸話を語るみゆきちゃんが愛おしくて抱きしめたくなった。
実際、ぎゅっと抱きしめようとして、実体のないみゆきちゃんをスカッと通り越して床に激突したのはここだけの話だ。
あの時のあわあわして困ってるみゆきちゃんの泣きそうな顔と、顔面と両膝、そして小指もなぜかぶつけてしまい、悶絶した痛みは一生忘れられそうにないだろう。
あれは痛すぎた。
私の体も、みゆきちゃんの心の痛みも。
痛かった。