底辺の私が人気俳優が彼氏になるなんてことありますかね!?いやないないないないないないないないにいないない(ある
受験を失敗したコンビニバイトの主人公が、同居人の元ホス狂のJK幽霊と生活し、ワケありイケメン俳優と恋愛するお話。
「もう無理、やだ」
コンビニバイトの帰り道、ぼやいた私の言葉は夜に吸い込まれていった。
もうやだ疲れた。
疲れたんだ。
希望した大学に落ちて、金銭的事情からやっぱり諦めて、派遣社員をして、続かなくてなって、引きこもって……そうして一念発起して、始めたバイトがコンビニだった。
私っていつもそう。
なにやっても上手くいかないんだ。
今日だって、たくさん失敗した。
私のせいなら反省だってできる。
けど、クレーマーは本当に私のせい?
廃棄処分のお弁当のチェック忘れは、昼のパートさんのせいだ。
タバコの在庫がなかったのは、店長の発注ミスだ。
クリスマスのケーキの予約漏れがあったのは、高校生バイトの田中のせいだ。
私のせいじゃない。のに、今日はたくさんたくさん怒られたし、バックヤードで泣いてしまった。
「……やめようかな」
私は、今年で二十歳になった。
所謂、人生の節目だ。
振り返ると、間違いだらけの人生だったように思う。
自分でもそう思ってしまうんだから、世話がない。