友人とギャル
登場人物の参考にした友人達には許可を取ってません
愚痴をいうために友達を招集した。場所はファミレス。
集まったのは3人。
ひとりは小説家。名を天子、ネタになるから来たらしい。
ひとりはダーツプロ。名をアツシ、おちょくりにきたらしい。
ひとりはギャル。呼んでない。マジで誰。
アツシが説明してくれた。
「ナンパしてたら拾った。」
帰れよお前もう。
――
入店し、ギャルに窓際席を取られしぶしぶ隣に座る。
ゆるふわな金髪は長すぎて私の肩に当たる。
「あたしギャー子。よろ〜」
帰りたい。俺主催なのに既に解散したい。
「で、なんだっけ。埋めたの? 本当に」
天子が本筋に入る。呼んでよかった。
「あぁ、とはいっても浅里ってやつが埋めてたの見てただけだが」
「おまえらほんとうに変なことするよな〜。あ、店員さん俺抹茶パフェ」
「あーしパンケーキ、このクリーム多めのやつで〜」
こんな話してる私も私だがこいつらも案外イカれてるのかもしれない。
私は天子に詳しく話した。
友人が事故を起こしたこと、ニュースになった日私の前に現れたこと、連れ去られ埋めたこと、カラオケオールのこと。
天子はメモをとりながら時にこめかみにボールペンを当てる。
普段見ない友人の一面に、私は目を奪われる。
そんな中、アツシが私に問いかけた。
「んで、どうするんだ?」
「どうっ....て?」
「相談するっつーことはお前の中でまだ何も考えてねーってことだ。お前がどうするか決めたら、俺たちもアドバイスくらいできるしな」
どうするか...決めてなかったな。
こういう時ってどうすればいいんだ?
身を潜めるとかしかイメージがわかず困惑してしまう。
困ってしまった。
「....なんかよく知んないけどいーんじゃね〜? そのまんまで。アンタのダチっち、責任取るって言ってるんでしょ? なーもー任せるきゃないっしょ」
ギャルの助け舟が来た。よくこんな話聞いてたなコイツ、すげぇぞ。天子も(ミステリーにギャル....有りか?)とか言いたそうな顔してるぞ。
「法的にアウトかもだけどあーしの周りもパパにお金もらってる子もいるしバレなきゃいーしょバレなきゃ」
なんだこのギャル頼もしすぎるぞ。
「まあなんだ、また気持ちに整理つかなかったら呼べよな?」
「ああ、助かるよ」
アツシはなんだかんだ気のいいやつだ。
私のことを気遣ってくれる、勿体無い友達だ。
話が話だけにギャル連れてきたのは許してないが。
そこから私たちは他愛もない雑談や近況報告をした。
書籍化するだの次の試合は海外だの担任がどうだの。
この日はギャルの連絡先をみんなで交換しお開きとなった。
天子は結構ギャルと意気投合してた。
次の予定まで立てて女の子は凄いと、心から思った。
その日の夜、ベランダで夜空を見上げながら考えた。
私はどうするか。
私は自分がかわいい小心者だ。
結果自分が良ければそれでいい。
紫炎を燻らせ風に靡かれる自分に酔った奴だ。
だから、何もしない。
何があっても浅里に全てをなすりつける。
タバコの火を灰皿に押し付け覚悟を決める。
「....もしもの時があったら」
あいつを捨てよう。
ギャルの友人はいません