優駿(未完成)
昔から競馬が好きでかいたものですが、飛び飛びなうえ、未完成なうえに設定も残ってます。
こっちは競馬のネタやな、アヴェイユやシルフィリア、セティルなど主戦が沢山出てくるw時雨もだそうかなw
キャラクター
第一章 常勝VS不敗
セイマブライアン ~孤高の血よ、永遠に~
「ナリタブライアン・・・・その血で、理想の馬を創りたかった・・・・」
ナリタブライアンの血統復活!を目指してセティルと絶影が作った馬、デビュー戦1着、オープン3着、ジュベルナイル1着、弥生賞3着を経て三冠馬になる。そのあとは故障もなく順調でありその年のジャパンカップ、有馬記念を勝つ。4コーナーでハナにたちそのまま突き放すという、まさに曽祖父であるナリタブライアンを髣髴とさせるはしりである。阪神大賞典後故障をし、天皇賞春2着、宝塚記念1着、天皇賞秋3着のあと、ジャパンカップに出走することを決めた欧州最強と言われているヴァルファウエルと雌雄を決することになる。
父 センリツ
短距離路線で無敵の強さを誇っていた馬。
母 ユメカゼ
曽祖父にナリタブライアンの血をひいている、レースには出ていないので競争能力は未知数である
母の母 ユキカゼ
セティル・アズナード
セイマブライアン生産者で絶影とは幼馴染である、レオンから継いだ遺産でオーナーブリーダーをはじめる、はじめたといっても、馬主はレオン、ジョッキーは絶影、生産者はセティルとういう感じであったため(実際配合などは一緒にしてはいたが、セティルの配合理論のほうが良いらしい)生産者としての能力は高い。
レオンの牧場に残っていた牝馬と絶影が主戦をしていた自分達の牡馬センリツとの間に子馬を作る。
「ん?・・・それは違うな」
「レオンが晩年生産した馬は、確かにあまり走らなかった。例外を除いてね」
「・・・だけど、見て欲しい、その馬の子は、走る。1頭の例外もなくね」
「まぁ、合う血統もった相手を探さないといけないけどね」
「違うんだな、それが・・・」
「確かにいえることは、彼の下積みがあったからこそ、俺達が生産した馬が走っている」
「後の者のために、遺す。それが出来る男だった、、まぁ、そういうことだね」
流尾・絶影
若き天才と言われているが、リーディングに名を連ねることはない
というのも、セティルと自分の創った馬にしか乗ることがないからだ。だが稀に他の馬主の馬に乗ることがある。そのときは馬の実力以上の結果をだすが決して馬に無理をさせるような乗り方はしない
あまり逃げ馬に乗ることはないのだが、天才的な逃げの名手である
そのため、そのことを知る者からは逃げの流と呼ばれている。
レオン・霧月・ブラッドレイン
日本、欧州、米国に牧場を持つ大オーナーブリーダー。
ナリタブライアンの走りに魅せられて、その血統を探しに日本に来たが、ナリタブライアンはとっくの昔に死んでいて、その血を残すものも僅かであることを知る、なんとかナリタブライアンの血をひく牝馬を手に入れ、その牝馬を交配させ生まれた子馬を本格的に繁殖馬として交配をさせようとするが癌により死亡する。セティル達とは並々ならぬ交流がある。自分の死を悟り手紙を書いた。
レオンが癌で死ぬ前に役目を終えたように、最初の牝馬も死ぬ。
セティルには日本の牧場を任せるつもりで居たのだろう。
なお、アメリカの牧場は生産などはあまりしておらず、引退した馬の放牧先であったり、他のオーナーに貸したりしている。
日本のサムライの魂に敬意を示していて、霧月という日本の苗字ももっている。霧月麗華という娘がいる。
アヴェイユ・ファストリア
セティル、絶影の幼馴染、小柄で小悪魔的な娘、騎手にもなれるくらい馬に乗るのが得意なのだけれど、そういうのは好きじゃないといってならなかった。セティルと絶影をいつもイジって楽しんでいるインタビューのときや写真撮影のときなど一緒にいることが多い。絶影やセティルにキスしたりして二人を困惑させたりする。
マスメディアなどにキスをしたりとかオーナーとは恋人なんですか?ときかれると小悪魔のような笑みで「キスとかは愛情表現だよ、それに絶影もセティルも大好きだよ」と、言う。でも結して軽い娘ではないし、ときおりマスメディアなどが寒気を覚えるほど妖艶な笑みを浮かべ「フフ、あなたたちが思ってるようなこともしてる・・って言ったら面白いことになるのかな?」と言ったりもするので
セティルそして、絶影はちょこっと困り気味である
セティル曰く「よくわからん・・・・ど、どこまで本気なんだ?」
絶影「・・・・そうだな、よくわからないな」
だ、そうだ。
セイマブライアン 日本ダービー出走
外伝 ~旋律の物語~
セイマブライアンの父 センリツの物語。
セティル「とりあえず、父親探さなきゃならんよね」
絶影「今いる種牡馬ではだめなのか?」
セティル「だっておいら、オーナーブリーダーだし~」
絶影「理由になってないぞ」
セティル「とりま、丁度セールやるし、いってみるべ」
絶影「やれやれ」
二人の男がやりあっている
「足が曲がっているとか、どうせうれねーとかいってただろ!!」
「だからって只ではやれないよ!!」
「どうせ処分するんだろう!?」
「そ、それは・・・だとしてもだ、あんた金はあんのか!?馬渡したって馬を食わせられるのか!?」
「ぐ・・・」
「みたとこ、ルンペンみたいな格好だし、、どうなんだよ!?」
「・・・・・・」
「なんだやっぱり金なしかよ。・・・こう言う走れないような馬は処分してやったほうがいいんだ。無理に生かしておいても、苦しいだけなんだよ」
「それは、それはそうだが!!だが、まだ走れないと決まったわけじゃないだろう!」
「あんたもしつこいねぇ!!こっちはこれから、セールに行かないといけないんだよ!時間がないからもういいかい!?」
「はいは~い、なに~揉めてるの~?」
「あ、ああ、いや、、この人がこの馬を欲しがっててさ」
「ふ~ん・・・。ちょっと見せてもらっていい?」
「はぁ・・・お好きにどうぞ。っと、、時間が・・・その馬は処分されるだろうけど、だからって変なことはしないでくれよな」
「しないよ~」
「んー・・・足、曲がってんね」
「・・・・・・そいつは、、走る」
「おっちゃんはそう思うのか~・・・絶はどう思う?」
「おいおい、オーナーブリーダーやるんじゃなかったのか?」
「馬を見る目は絶のがあるからね~・・・いけそう?」
「・・・・・・」
セティルに促された絶影は、曲がった足など気にも留めずに、馬と目線をあわせた。
自分を見る、その馬の瞳・・・。
「少し、乗ってみる」
「ほいよー」
馬に跨り、そのあたりを駆ける・・・。その背に乗って、彼は確信した・・・。この馬はやれる、と・・・。
「ど、どうだ!?ちゃんと走れそうだろ!?」
「とりま、これで馬は手に入ったし~・・・呑みいくか!?」
「セールは、、いいのかい?」
「何頭もいらんしなぁ・・・調教やら何やらもやらないといけないし・・・」
「いや・・・わたしは、その・・・」
「なに?」
「生活保護者、なんだ・・・」
「ふ~ん」
「・・・・・・」
「いんじゃない?アチシも昔はストリートチルドレンだったし?」
「孤児とか、、か?」
「ま、そんなとこーだね~。いい奴に出会って~、ひろってもろて~、育ててもらってなかったら、多分、のたれ死んでた~」
「・・・それは、別に、君が悪いわけじゃないだろう、おれとは・・・」
「違う?そうかな~、誰しも色んなことがあるんじゃない?生きてるとさ~。絶だって、人殺しって、いわれてたし」
「な・・・!?」
「子供の頃、戦場にいたせいだけどね~」
「・・・俺と違って、その、随分、と・・・日本は恵まれてるからな・・・」
「恵まれてる、果たしてそうかな?本当にそうなら、そんなに卑屈にはなってないんじゃないか?」
「え?」
「卑屈というか、日本は日本で問題あるよね~」
「そう、だろうな・・・だが、やはり、俺は・・・甘かったんだ」
「ん~・・・ま!そんな話してると、長くなるし、どうせ長くダベるなら、馬の話でもしようぜぇ~!」
「ぁあ・・・そうか、そうだな・・・すまない」
「謝ることでもない」
「そーそー。・・・で、おっちゃんはさっきの馬が走るかどうか見たいんだよね?」
「ぁあ」
「うんむ。ほんとは、すぐ種牡馬になってもらうつもりだったけんども、それなら、走らせてから決めようかぬ」
「そうだな、来年デビューさせて、適正を見ておいたほうがいいだろう」
セティル「というわけで、じゃ~ん、血統書!・・・ふむ、スプリンターかも、かなりのスピード血統だね」
セティル「名前はどーする?おいら達も日本で始めての馬だから、なんかいいのがいい!」
絶影「名か・・・」
セティル「おっちゃん、なんかいいのない?」
「そうだね・・・。センリツなんてどうだろう?」
「わたしの言っている センリツ とは違っているみたいだね・・・」
セティル「ん?そなの?」
「わたしは、競馬の実況や、ゲートの開く音、蹄鉄の足音が好きでね、不思議と落ち着くんだ。だから、恐怖とかの戦慄ではなく、音を奏でるほうの旋律、なんだ」
「ぁあ。最近腹が痛むんだ・・・不摂生な生活してたからだろうな」
セティル「このレースも来ない・・・。・・・俺の能力フル動因して、探してやるか!!」
絶影「やめておけ」
セティル「でもよ・・・」
絶影「・・・いつも、来てただろう」
セティル「・・・・・・」
そのまま、おっちゃんは現れることはなかった。
セティル「あ、そだ。新聞とかファンの人たちはさ、この馬のこと、戦慄って書いてたでしょ?今さらだけど、恐怖と振るえがくるとかの戦慄じゃなくて、音を奏でる方の旋律なんだよね~、戦慄もかっこいいけどね~」
センリツ スプリンターズステークス
絶影「なにか話があるらしいな」
セティル「うむ、センリツなんだけどさ、このレース終わったら、引退、、させようかなと考えてる」
絶影「そうか」
セティル「種牡馬という大事な役割がある!」
絶影「そうだな」
レース当日
セティル「うんむ、気持ちよく逃げてるね~、いい感じいい感じ」
セティル「・・・!?」
スタンド前・・・見覚えのある帽子姿、馬主席を抜けて、俺は走り出した。
セティル「ぐおっ、ひとが、、、く、、だめだ、、前どころか、途中にすらいけね~・・・」
センリツ突き放す!!センリツだ!センリツ!!これは強い!!春の高松宮記念に続いて電撃のスプリント戦も制覇!
聞いたか!俺の戦慄の音色を!!独奏の旋律が鳴り響きます!短距離路線に敵はなし!!
セティル「・・・ぁあ、この場所、一人分空けておいて~」
絶影「そうか・・・来たか」
セティル「・・・来たよ」
絶影「まだ、やれそうではある」
セティル「そうだね~、けど、スプリント戦で十分勝ってくれたし、ここらでいいべ」
絶影「そうだな。ユメカゼには、こいつをつけるのか?」
セティル「そのつもりだよー。・・・マイルはもたなかったから、スタミナはユメカゼに任せるとして、スピードは素晴らしい・・・うまく両方のいいところが伝わってくれればいいけど」
絶影「それは、天のみぞ知る、ってとこか」
セイマブライアンだ!!セイマブライアン!!後続を引き離す!!3馬身、4馬身、差はますます広がる!圧勝!!!三冠達成!!
天国のおじいちゃん見てますか、あなたの血を引き、あなたの名を持つ馬が、三冠を達成しましたよ!!
セイマブライアン三冠達成!!
ヴァルファウエル ~聖戦の統率者~
「最高の名馬に出会えました」
クロードが生産した無敗の欧州三冠馬。アレスがクロードの牧場に来たとき子馬であったヴァルファウエルをみて、この馬はすごく良い馬だといった。クロード事態もそう思っていたのでアレスが騎手になったときに主戦として乗ってもらうことにする。もっともアレスの実力を確かめた上で主戦にすることを決めるのだが。
父 フォルディングフォルディアス
欧州の年度代表馬にもなった事があるのだが、種馬としてはあまりパッとしないまま引退した。種馬引退が決まった最後の年に種付けをし、生まれた馬がヴァルファウエルである。
母 フェアリーナ
クロードが生産したがレースに出ていないので競争能力は未知数
しかし、賢いのと体も柔らかく丈夫であるので、もしかしたらかなりの名馬になりえた可能性がある。
アレス・ディアリー
欧州の天才ジョッキー、デビューした年でG1を勝つなど並外れた騎乗能力がある、デビュー2年目でヴァルファウエルに乗りラムタラ以来の無敗での欧州三冠を達成し、さらにリーディングジョッキーも獲る。顔の良く似た妹が居るが妹もジョッキーになるようである。ヴァルファウエルの勝負服は漆黒であったため、黒衣の貴公子と呼ばれることもある。
クロード・ギルティア
ヴァルファウエルの生産者で小さな牧場を持つ、元は騎手であった
若いころはあまりパッとしない騎手であったが、堅実な騎乗と勝利率の高さに気がつき始めた馬主達に良い馬に乗せてもらえることが多くなりそれにより7年目でリーディングジョッキーとなる、それから3年連続でリーディングジョッキーとなり絶賛されるが、4連続リーディングかという年に落馬して左目を失明し騎手を引退するヴァルファウエルが初めての競走馬であるが繁殖自体は初めてではなく、ヴァルファウエルの母、フェアリーナはクロードが作った馬である。
まもなくJC発走です!
スタートしました!
各馬綺麗なスタートです!
セイマブライアンは中断やや後方につけました。
ヴァルファウエルは下げて下げてこの位置。
残り1000M
ここまでよどみの無い展開で進んでおります。
最終コーナーに入る直線にはいりました!
セイマブライアンが徐々に徐々にペースを上げる!
ヴァルファウエルはまだ最後方だ!
第四コーナーにはいりまして、ここでセイマブライアンに鞭がはいる!
最終コーナーを回って、直線にはいりました!!既に日本三冠馬セイマブライアン先頭!!いつも通りのおおまくりです!
大歓声があがります!さぁきた!さぁきた!ここからが欧州三冠馬ヴァルファウエルの本領発揮!
残り200M 黒衣の貴公子!か!侍か!!
ヴァルファウエル迫る!セイマブライアン逃げ切れるか!!
これは恐ろしい末足だ!これが欧州三冠を制覇した足だ!!
残り100Mヴァルファウエルが並んだ!! このまま切り捨てられるのか!!
ヴァルファウエルが抜け出した!ここで終わってしまうのか!!
セイマブライアンもうひと伸び!!また並ぶ!!
先頭セイマブライアン!!ヴァルファウエルがまた抜き返す!!
ヴァルファウエルか!?セイマブライアンか!?
侍か!?黒衣の貴公子か!?
日本か!?欧州か!?
両者並んだままゴールイン!!
勝ったのは無敗の欧州三冠馬か!?
それとも、日本の意地をみせつけたのか!!
他の馬を置き去りにした二頭のマッチレース、最終コーナーでのセイマブライアンのおおまくり・・・・直線に入り最後方から猛烈な追い込みで追い上げて来る、ヴァルファウエル・・・・そして、直線の痺れる様な叩き合い、ゴールの後の長い長い判定、結果はセイマブライアンの負けだった、ハナ差、、たったの、2cm差・・・・
アレス「・・・・まだ体の震えが止まりません・・・・強い馬でした・・・・まだ良くなるかもしれない、初めてですよ、僕たちが本気で追い込んで、あそこまで食らいつかれたのは・・・・ハッキリ言って、怖かったですね。」
クロード「今年で引退させる、次、こんな馬と勝負したら勝てる気がしない・・・・まぁ、それは冗談だと受け取ってもらって、引退は考えていたことだ、このまま無敗で引退させてやりたい」
絶影「・・・・負けは負けだが、面白いレースが出来た、満足している」
セティル「まけちったかぁ~、でもすごかったよ~!うんうん、絶もブライアンも頑張った頑張った!お疲れ様~!」
第二章 孤高VS金翼
フェルエレス ~金色の翼~
「ごめんね・・・・次は、絶対に勝たせてあげるから・・・・もう、負けられないものね・・・・お互い・・・・」
生まれたところはクロードの牧場だが、生産と配合事態はアリアがしたといっても良い、非常に臆病な馬で体も弱く、全然勝てないレースが続いていた。だが4歳の春から急に強くなる。
本来の脚質は大逃げなのだが、体が出来上がっていないので最初から最後までスピードを維持する逃げはせずに、無理に追い込みをしていた。体が出来てきて逃げられるようになると、これが同じ馬なのかと思うくらいの強さで圧勝に継ぐ圧勝を続けた。
セイマブライアンとヴァルファウエルの戦いから3年後のジャパンカップで今までの世界競馬のなかでも異質の輝きを放つ馬と戦うことになる。ジャパンカップにした理由は、最初アリアは凱旋門賞で戦いたいと言ったが、シルフィリアが凱旋門賞での絶影達の事を気にしていて、凱旋門賞以外でお願いと言う、BCターフにしようということになるのだが、アリアがそれだと直線が短い分、逃げ馬に有利に感じる、と言い出し、(エターナルは自在に動けるので有利でもなんでもないのだが)、考えた結果、凱旋門賞と距離が同じで直線も長い、日本のレース、ジャパンカップになった。
父 ロードソード
シルフィリアの牧場に居る種馬、体がかなり丈夫で精神力もタフなのだが、スピード血統ではなくスタミナ血統であるのと、気性が激しいため、あまり種馬としては人気がない。実際の競争成績は悪くなかった。主に2400~4200という超長距離を逃げ切りで勝つような馬であった。もう少しで海外に売られるところをシルフィリアが買い取った。
母 フェアリー
クロードが生産したフェアリーナの妹、姉とは違い体も弱く貧弱であった。それゆえクロードは繁殖牝馬にはせず大事に普通の馬として育てていたが、アレスの妹である、アリアに一度だけで良いから子馬をうませて欲しいと言われ最初は断ったが、何度も頼まれ了承する。だが出産が難航し、フェルエレスはなんとか生まれたがフェアリーは助からなかった。
アリア・ディアリー
アレスとは2歳離れた妹、騎手になったばかりで最初はアレスの妹ということで、色々な馬に乗せてもらえていたが、女なのとやはりアレスほどの実力はないのとで、すこし依頼が減ってきている。
兄であるアレスは騎手になる事を反対しなかったが、やはりどこか困っていたようである、兄に対して非常に強いコンプレックスを持っており兄が乗っていたヴァルファウエルを超えるような馬に乗りたいと思っていると同時に、自分が騎乗能力では兄には及ばないのもわかっている。
兄に秘密でクロードに無理に頼み込んで、フェルエレスをつくりその馬を自分で調教し、自分で育てるという荒業に出る。しかし、フェアリーが死んだのもアリアのせいだと知ったアレスと大喧嘩になる。もともと温厚で怒ったこともないアレスにビンタされて、逆ギレしてシルフィリアの牧場にフェルエレスと出て行ってしまう。
もっとも、全部自分の我侭のせいだということも十分わかっている
エターナル・オブ・ハート ~聖少女に愛されし最強馬~
「この仔が一度でも負けたら、引退させます」
シルフィリアがつくった名馬中の名馬、シルフィリアが「この馬が一度でも負けたら引退させます」といった程。
実際物凄い強さで、ヴァルファウエルに次ぐ無敗の欧州三冠馬になる。まさに最強の名を欲しいままにしている。脚質も逃げ先行差追込どれでもでき自由自在である。クロードとアレスでさえ、もしヴァルファウエルがこの馬とレースしていたら、無敗で引退することは出来なかっただろうとさえいっている。
シルフィリア・ファインシルツ
かなり大規模な牧場を持つ。もともとはレオンの牧場だったが、レオンは日本に移ると決めたときに、シルフィリアに欧州の牧場を渡した。生産馬は年に1頭いるかいないかだが、必ずG1を勝つので最初はただの大オーナーから牧場を譲ってもらった運の良いお嬢さん、と言われてたが、生産者としての実力も認められてきていた。
物凄く優しい娘で、アリアの事もよくわかっている。馬の事も人のこともつねに見つめている少女である。主戦であるマレフィスとは幼馴染であり、一緒にいることが多いが恋仲ではないらしい。
ジェイソン・マレフィス
シルフィリアの馬にしか乗らない、絶影とおなじく本気で乗ればリーディングもとれるのにと言われている。アレスもマレフィスが出るレースでは負けていることも多く、「マレフィスさんが出てくるレースはいつも以上に面白いんですよね、ええ、燃えます」というほどである。マレフィス自体は何を考えているのか良くわからないタイプで、口数も少ない。シルフィリアと常に一緒にいるので、恋人同士だと思われているが、そうではないらしい。シルフィリアも恋人なのかと聞かれると、微笑むだけなので謎である。マレフィスは聞かれてもシカト状態である。ただ友人と認めた相手とはそれなりに話をするらしく、シルフィリアともちゃんと会話しているし、セティルには「あのさぁ~、シルとは実際どうなわけ?恋人?好き?嫌い?どうなの??」と聞かれたときに「好きか嫌いかと聞かれれば、好きだ。恋人かときかれるとそうじゃない・・・」と、応えている。セ「それはえっと・・・?告白とかして付き合ったりとかはしてないとか?」マ「そういうのとは違うな・・・違うが近い、だが仮にお互いに好きだとしても、俺たちはそうならないだろう・・・・」セ「ふーむ、お似合いだとは思うんだがね;」と、いうことがあったらしい。
大逃げをしたフェルエレスを最後のコーナーで一度も鞭を使ったことのないエターナルは初めて鞭をうって追い込んできた、残り200m・・・・まだ逃げるフェルエレス、差がどんどん縮まっていく、残り150m、残り100m、遂に並ばれた、このまま抜かれると誰もが思っただろう・・・・だが、抜かさせないフェルエレス、もう一度鞭を打つマレフィス、同じく鞭を打つアリア、追い比べの叩きあい・・・・どちらが勝つのかわからなかった、、そしてゴール直前・・・・フェルエレスの騎手、アリアのバランスが崩れ落馬しそうになる、それをみたエターナルオブハートの騎手、マレフィスは手綱から手を離し、落馬したアリアを掴もうとするが、届かず、、アリアはゴール板に激突し、助けようとしたマレフィスも腕をゴール版にぶつけそのまま落馬・・・・歴史に残るであったであろうレースは一瞬にして大惨事へとかわった・・・・、結果は二頭とも競争失格・・・・フェルエレスは心配そうにアリアに駆け寄る、エターナルオブハートは・・・・負けたことがわかったのだろう、ヒヒヒヒヒヒヒ~ン!!!と一度だけ大きく嘶いた。マレフィスは右腕の骨を折っただけですんだが、アリアは集中治療室に運ばれた・・・・
あ~・・・・ゴール版にぶつかると、馬はゴールしてるから、、、失格にはならないなぁ
集中治療室運ばれて、そのまま元気ってのも、、あれだし・・・・。
よし、こうしよう・・・・
ゴール手前、エターナルが追い込んでくる、アリアはゴール前で意識を失う、体力の限界。
それに後ろから見ていて、気が付いていたマレフィスは落馬したアリアを助けて二人とも落馬、、
アリアは意識を失い、治療室に運ばれて、マレフィス腕は折れてないで無傷、、こっちのが平和的やな。
だが、アリアは一命を取り留め、目覚めたとき周りにいたアレスやシルフィリア、マレフィス達を見た瞬間言い放った
「勝ったのは、勝ったのはどっち!?」・・・・と・・・アレスが言うレース自体は二頭とも失格だった・・・けれど・・・マレフィスさんが言うには、ゴールしたときにはフェルエレスのほうが前にいたはずだって、言っていたよ・・・・それを聞いたアリアは・・・・そっか、わたしとあの仔は、、勝てたんだね・・・あれ・・・・嬉しいのに涙が・・・・おか、しいな・・・・そんな妹をアレスは抱きしめる・・・・もう、無茶はしないでくれ、と、言いながら、それに頷くアリア・・・・不器用で意地っ張りの少女の戦いは、この時終わりを告げた・・・・
シルフィリアは最初に言ったとおり、エターナルオブハートを引退させる・・・・ファン達やマスコミたちも多少の批判もあったようだが直ぐに収まった。
そして、フェルエレスも引退を宣言し、「私が創る・・・・この仔の仔にはお兄ちゃんが乗ってね」と、レースは兄に託し、アリアは騎手を辞める。
レースの前のシルフィリアとアリアの話しで、アリアは「ごめんなさい、シルフィリアさん・・・・私、我侭で自分勝手なだけじゃなく、シルフィリアさんも裏切ろうとしてる・・・・でも、でもね!あなたを、エターナルを越えないといけないの!あの仔のためにも!だから!だから!・・・・」
シルフィリアは答える「裏切るのとは全然ちがうよ、それに・・・・フェルエレスを見たときに思ってた、きっと、あの仔と同じくらい強い馬だって・・・・だから、向かってきて・・・・あの仔と一緒に走って、あなたが心を傷つけてまで追いかけてきたこと、その全てを見せて、それが私からのお願い・・・・」
その言葉を聞いて、アリアはシルフィリアに抱きつき、・・・・涙声であったが・・・・「私、負けませんから」と言う。
外伝 友の夢
セイマブライアン
~今に残りしサムライと、共に時代を駆け抜けた英雄・・・・最後に残りし力の全てを捧げし英雄、戦友達の夢のために戦いし英雄・・・・その想い、その強さ、遠い異国の地にも響き渡る・・・・~
「さぁ、行こう・・・・戦場へ・・・・お前と一緒に戦える、最後の場所に・・・・」
4歳の時のヴァルファウエルとのレース後骨折し5歳のレースでは天皇賞、宝塚記念にでたが7着、5着と振るわなかった。有馬記念3着で今年で引退しようという話がでたが、セティルの最後の言葉「あいつが一番強いときなら、、世界がとれたかな?」
という言葉を聞いた絶影が現役続行を決める。
そしてシルフィリアの牧場を貸してもらい、そこで凱旋門賞まで付きっ切りで調教をし、レースにはでないが変わりに模擬レースのようなこともする。そして、運命の凱旋門賞が始まる・・・・。
流尾絶影
ある日セティルに寝室に呼ばれた、向かってみると扉の前にアヴェイユがいた、「絶影と話したいことがあるから、ちょっと出ていてくれって言われちゃった・・・・」
アヴェイユは笑っていたけれど、同時に泣いてもいた
その顔に俺は気がつかない振りをして寝室にはいった。
そこで昔の話を始めたセティルをみていて気がついた。
絶「お前・・・」
セ「・・・・ん?」
絶「・・・・」
セ「・・・・」
絶「アヴェイユ呼んでくるか?」
セ「いや・・いいあいつに最後は見せたくない・・・・あいつだと多分・・・甘える、こう見えても結構・・苦しいんだ・・。」
絶「・・・・そうか」
絶「・・・すまない」
セ「?なんで謝る?・・・?なんか悪いことでもしたか?・・・・・謝るのはこっちのほうだよ、アヴェイユにもな・・・・。」
絶「クッ・・・・」
セ「・・・・・・なぁ・・・絶・・・」
絶「なんだ?」
セ「あいつが・・一番強かったときなら世界がとれた・・・・か・・・な?」
絶「ああ・・・・」
・・・・・・・・・それがあいつの最後の言葉だった。だから俺は
・・・・部屋を出るとアヴェイユが言った「ありがとう・・・・セティルの声・・・聞かせてくれて、わざわざドアすこし開けて行ってくれたでしょ?」絶「・・・・あいつには、やっぱりお前が一番良いからな」ア「・・・・ねぇ、いくの?シルフィリアのところ」
俺は・・・・「勿論だ」そう、答えた。そのときアヴェイユは涙のない微笑みで答えてくれた。
セティルとレオンのそして自分の夢を叶えるために、衰えたセイマブライアンと共に凱旋門賞に臨む。
だが、彼はきずいていた、日に日に力がはいらなくなってゆく体
熱も下がらないまま、、「俺も・・・あいつと同じ・・か」
友と同じ病を抱えたまま、愛馬のそして己の最後のレースになるだろう凱旋門賞が始まる。
セティル・アズナード
原因のわからない、奇病にかかりベッドに寝たきりになる・・・。
ある日絶影だけを寝室に呼んで、昔の話をする。セイマブライアンがまだ強かったときの事などの話をし、セイマブライアンなら凱旋門賞を勝てたかな?という言葉を最後に息をひきとる。
アヴェイユ・ファストリア
セティルにベットに呼ばれた。別に呼ばれなくてももう何度行ったかわからない、そこで私はセティルと最後の話しをすることになる
セ「いままでありがとう、結構楽しかった。」とセティルにいわれた。ア「フフ、セティルは困ってたことの方が多かったんじゃない?」セ「いや・・・はは、そうかもな、でも楽しかった・・」
ア「まぁ、困ってる絶影とセティルをみるのも楽しかったよ」
セ「そうか・・アハハ・・・ありがとうな」ア「ツッ!ありがとうなんて聞きたくない!聞きたく・・・ないけれど!ないっ・・・けど・・・・」セ「・・・・ごめんな」ア「・・・・ねぇ、しない?」セ「なにを?」ア「フフ、ナニ・・・を」セ「ばぁ~か、うつるかもしれないぞ?」ア「別に、、良いよ・・・・」セ「・・・・絶影がもう来るころだ・・・アヴェイユ外で待っていてくれないか・・・?」わかってた、、彼は最後のときでもしないだろうなって、
私たちはそんな軽い関係じゃない・・・口で言っているほど軽い関係じゃない・・・でも、だからこそ最後の意地悪に今までと違う最初で最後の本気のキスをした。・・・・外に出たら絶影が待ってた
話・・・聞かれちゃったかな?まぁ、絶影ならいいけれどね。
私は笑って言った「絶影と話したいことがあるから、ちょっと出てといてくれって言われちゃった・・・・」でも、彼は気がついただろう・・・私が泣いてたこと・・・いつも隙がないように見えてこういうときは不器用だね絶影・・・・ふふ・・・ありがとう・・・。
シルフィリア・ファインシルツ
・・・・セティルの最後のために私はセティル達の元に向かった牧場をあけちゃうわけには行かないから牧場は彼に任せてあるから心配はないけれど、アヴェイユ・・・大丈夫かな、絶影も。
着いてみて絶影とアヴェイユにあったけれど、元気でよかった・・・。絶「あいつを、、凱旋門に出したい、だから暫く牧場を貸してもらえないか?」
絶影・・・・あの子を凱旋門賞にだしたいんだ・・・。
他に答える言葉はない、「うん、いいよ、わたしでよかったら何でも言ってね、出来ることはするから」
アヴェイユと絶影と一緒に牧場に戻った、ジェイソンにはちょっと悪いけれど、セティルの牧場に来てもらってセイマブライアンの母馬の面倒を見て欲しいって連絡しておいた。
暫く・・・こっちに来て4ヶ月くらいたったころだろうか・・・
絶影の様子がすこし、おかしいな・・・・どこかつらそう・・・・
・・・・やっぱり、つらいんだ・・・絶影に聞いても、大丈夫だとしかいわないけれど・・・・。
アヴェイユは・・・気がついてるよね・・・。
今日、アヴェイユが「絶影・・・セティルと同じ病気・・・」
私はなんて言って良いかわからなかった・・・・。
シ「・・・・」
ア「間違いない・・・ずっとセティルを見てたから・・」
シ「・・・・」
私は、、そういってふるえるアヴェイユを抱きしめてることしか、出来なかった。
シ「絶影・・・・」
絶「ん?」
シ「・・・・わたしにはこんなことくらいしか出来ないけれど・・・ごめんね」
絶「十分さ・・・お前も気がついてるのか・・・?」
シ「・・・・うん」
絶「そうか・・・・なにかあったら、アヴェイユとこいつのことは・・ハハ、言わなくてもお前なら心配ないか・・・」
シ「私には、そんなことくらいしか出来ないけれど、、だからこそほかの事は心配しないで・・・・あなたは、あなたとあのこのことだけを考えていて・・・・」
絶「お前が居てくれて良かった・・・・アヴェイユには悪いが・・・レースにだけ専念できる」
そう言った後、セイマブライアンを見つめ、呟く・・・・
絶「・・・・俺がこいつに乗ってやれるのは、次で最後だろう・・・・」
そして、みんなのレースがはじまった・・・・。
あの馬も色んなものを乗せて走るんだね・・・・ちょっと重いね。でも、、、乗せているものは重くても辛くないよね・・・。
だから、、レースの前に澄んだ瞳で微笑んでくれたんだよね。
浅間時雨
僕はフリーの競馬ライターだ、予想はまぁまぁあたってるのかな?一応暮らしには不自由していない、セイマブライアンの生産者でありオーナーだったセティルが死んだ・・・・あいつのデビュー戦は人気がなかったな・・・7番人気くらいだったか?おかげで上手い食い物食えたな。・・・・セティルは欧州で葬式をするのか・・・
さすがにそこまで追っかけするのは不謹慎だよな・・・。
とか思ってたら、主戦の天才ジョッキーが凱旋門賞を狙うらしい・・・いいねぇ~。周りの連中は衰えてる馬に負担をかけるだけだとか、「勝てないのわかってるよな?オーナーの遺言か?」
「いや、オーナー事態は生前引退を考えてたらしい、騎手の独断じゃない?」とかいってるが、僕は応援しちゃうぜ!日本の馬での凱旋門賞制覇いいねぇ~、そんじゃ僕も貯金はたいて、応援部隊としゃれこみましょうかねー!
凱旋門賞が始まった・・・・パドックでみたけれど、馬はいままでの燃え尽きたような感じじゃなかった。応援に単勝馬券を1000円だけ買った。これは、ギャンブルじゃない・・・・。
だから、応援の馬券だけだ・・・。
最後のコーナーで全盛期のときのように、あの馬も騎手も突き放していった・・・・これできまると、思った。
・・・・だが、馬も騎手も限界だったのだろう・・・・残り100Mであのジョッキーが空に向かい腕を突き上げる・・・・G1を勝っても笑いもすらしなかった騎手なのに、そこで彼等のレースは終わった・・・・だが、勝負はまだ終わってない・・・騎手は馬にもたれかかって動く気配がない・・それでも、馬は悲しい声を上げながら、ゴールを目指して進んでいった着順なんてどうでもよかった、力尽きて斃れた・・・・でも、僕は確信した、彼等は勝負には勝ったのだと・・・・涙を流しながら頑張れ!もう少しだ!、、そう叫んでいる観客達が、全ての馬がゴールして、それでもゴールを目指しているあの馬を見つめる、騎手や馬の瞳がそれを証明していた。その時の応援馬券はお守りにした・・・・。
・・・・アヴェイユという娘は少しの間に大切な者を失ってしまった・・・なのにこちらでのこともすぐに終わらせた。自分よりずっと若いだろうに、すごい娘だな・・・。日本に帰っても、ボクと同じマスメディアたちの報道がある。やはり人間は不謹慎な生き物だ・・・。と、言いつつあの娘が気になったのもあってか、インタビュー会場に行くことにした・・・。だが、僕がフランスに行く前に聞いたのと会場の人だかりのセリフは違うように聞こえた。
「人と馬の魂をみせてもらいました!」「ありがとう!」
と、いったような内容だ・・・現金である・・・現金であるが、良いほうに考え方が変わるのは良いことだと思う。
まぁ僕のほうは、行き遅れて会場に入れなかったから、そのあたりをブラブラすることにした、暫くすれば、会場も閉鎖するだろう、
そのときにあの娘も来るだろう。・・・・ほかのメディアはもう帰ってしまったようだ。
トンネルのような長い場所・・ここが会場の別出口だろう・・・。
雨「ここ・・・か?うん、ここで待ってればあの娘がくるかな」
すこし中をのぞいてみるか・・・あ・・・・?あの娘は・・・
シルフィリア・・・といったかな、会場では一緒に居なかったようだが・・・・。あ、あの娘だ・・・・・・・・・ん・・・・・
これは、、、、パパラッチみたいなものじゃないか・・・・
我ながら最低だな・・・・・退散・・・しよう・・・・そう思い
背を向けようとしたら、シルフィリアのほうに気がつかれてしまった・・・・あ、、カメラも持ってるし・・とってないけど・・・似たような。。もんか。でも、彼女は軽蔑したような感じではなかった・・・。
シ「あ・・・」
雨「あ!いや・・・・ごめん・・・写真撮ったりはしてないけど・・・その、したような物か・・・・」
ア「・・・・見た・・?」
雨「・・・・あ、、ああ・・・・その・・・・ごめん」
ア「ふふ、正直なんだね・・・いいよ、許してあげる」
雨「あ、ありがとう・・・」
シ「ごめんなさい、私たち、もう戻らないと・・・・」
雨「・・・・ごめん」
ア「・・・馬・・・好きなの?」
雨「え?」
ア「あなた、去年牧場にきてた・・・でしょ?」
雨「動物や自然がすきなんだ・・・・正直言うと人間は苦手かもしれないね・・・アハハ」
ア「フフフ、また、、よかったら来て・・・」
雨「そうするよ・・・ありがとう」
シ「・・・・」シルフィリアは微笑んで軽く会釈をする
ア「またね・・・」
そういって、彼女たちは牧場に帰っていった・・・・。
シルフィリア
アヴェイユに会場には一人で行く、ここで待っていてといわれた。・・・セティルと絶影がいなくなってから・・・わたしは、アヴェイユが笑ったところをみていない・・・。
帰ってきたとき・・・・。アヴェイユは私にしがみついて泣きじゃくった・・・・また、わたしは抱きしめてあげることしか出来なかった・・・・でも、こんなことくらいしか出来ないから、精一杯抱きしめる、、いまのアヴェイユは・・・すごく小さいから・・・。
アヴェイユ
恥ずかしいところ、みられちゃった・・・かな・・・
でも、今のなんとなく、セティルに雰囲気にてた。
・・・・これから私だけで、牧場しないといけないのかな・・・?
さっきのらいたーさんに手伝ってもらっちゃおうかな。
牧場に来たとき馬を見ていた瞳が、絶影とセティルに似てたから・・・・。
外伝 砂塵の幻影
麗華・霧月・ブラッドレイン
レオンの娘で日本で父が死んだことを知り、愕然とする。
アメリカに住んでいて、レオンの持つもう一つの牧場の一応のオーナーとなる。このアメリカの牧場にはレオンの馬やシルフィリアなどレオン達の親友の馬が放牧されたり、アメリカのレースに出るために預かっていたり、引退してのんびりさせる為の牧場であり、生産はあまりしていない。だが、父がナリタブライアンと同じく惹かれた馬・・・・最強と言われていたが米国3冠の1冠目を圧勝した後、次の2冠目のレースで骨折、長い闘病生活を送ったがオーナーやファン達の努力もかなわず空に旅立った馬・・・・。
父が創りたいと思っていたもう一頭の理想の馬、バーバロ・・・・だがナリタブライアンとは違いバーバロは血を残すことが出来なかった。娘である麗華はバーバロの血が流れていなくとも、バーバロのような馬を創れば空のお父さんも喜んでくれると思い、セティル絶影、シルフィリア、アヴェイユ達に相談しつつ、一頭の馬を創りだす。
そこには、父の馬と対決を繰り広げた、一人の男の姿も合った。
バーバロ・メモリーズ ~想いを届けた、風~
「・・・・折れる音が聞こえた・・・・それでも、止めなかった・・・・アイツは、ずっと前を見ていたから・・・・」
麗華が空の父へのプレゼントのために創り出した馬、芝ダート不問で、昔にいた伝説の馬バーバロよりも強いかもしれないと言われるようになる。伝説の名馬バーバロと同じく米国三冠に挑戦するが・・・・。
父 トキイズルツキ
アメリカの牧場の数少ない種牡馬でダートでかなり強かった馬
生産者はレオン。体も丈夫で普段であれば気性も穏やかで大人しいしかし一度火がつくと並みのジョッキーでは抑えられないくらいの闘争心を剥き出しにする。
母 アンリエッタ
アメリカの芝レースで牝馬最強と言われていたが、牝馬三冠の最後のレースで子関節炎を発症し引退する。気性は大人しいが、、、まぁ、高飛車とでもいうのだろうか・・・・お嬢様みたいな気性である。
アメリカの三冠レースの一冠目を圧勝した後、バーバロ・メモリーズとその相方である絶影は、次の二冠目のレースにでた。
最後の直線に入り、いつもの様に他の馬を突き放し、ゴール目指して疾走していった・・・・だが残り100mというところで異変が起きた、バーバロが失速したのである・・・・明らかに故障であった・・・・だが、絶影はそれでも馬の手綱を扱き続け、馬も止まることがは無かった、ゴールしたときには、アタマ差にまで後続に追い上げられたが、2冠目を制覇する・・・・。
しかし、バーバロの足の骨は完全に折れていた、、レースが終わり
馬運車で馬房へと帰り、、そこで出された決断は・・・・安楽死・・・・それを言い出したのは、絶影であった。麗華はそんな絶影に詰め寄り胸に縋り付く様に叫ぶ「やめて!お願いだから、この仔を助けて・・・・」と・・・・それでも、絶影は自ら薬の入った注射器をバーバロに打つ・・・・バーバロは骨が折れたときも激痛で暴れてもおかしくなかったのに、この時でさえも、大人しく、穏やかに自らの運命を"戦友"に託し、、そして、その戦友が薬を打ち終わり、その顔を撫ぜると、眠るように、静かに息を引き取った・・・・。
セティルは、麗華が騎手を探しているときに絶影が良いよといって、麗華は絶影に騎乗を任せることにしたのである。
セティルはそのとき、「絶は馬に無理をさせないから、安心できる」そういっていた・・・・。
セティルと絶影の会話
セティル「・・・・」
絶影「・・・・」
暫くの沈黙の後
絶影「・・・・すまん」
セティル「・・・・・・いや、俺に謝ることなんて得にないと思うぞ・・・・」
絶影「お前の期待を、裏切った・・・・」
セティル「う~ん・・・・確かに絶なら乗る馬に無理はさせないと思っていたよ・・・・普通、なら・・・・止めなかったのも、馬のためだったんだろうし・・・・」
絶影「・・・・折れる音が聞こえた・・・・だが、止められなかった・・・・アイツがずっと前を見ていたから・・・・」
セティル「そっか・・・・」
埋葬がおわり、その日の夜、墓の前で麗華は絶影と二人で話をする・・・・
麗華は言う「返してよ!あの仔を、返してよ・・・・」と、だが
絶影は答えない・・・・それでも麗華は絶影に縋り付く様にその胸に顔を埋め、力なく言う「返して・・・・返してよ・・・・」やがてその声は嗚咽に変わっていた・・・・絶影は、麗華の事をそっと抱きしめる、そのまま、時間だけが過ぎていった・・・・
麗華がまた口を開く
麗華「・・・・ごめん、とか、すまない、とか言ってくれないんだね・・・・」
絶影「・・・・・・」
麗華「・・・・ふふ、やっぱりお父さんが選んだ人だ・・・・あの仔の為に、してくれたことなの?最後まで走らせたのも・・・・あの仔が、、選んだこと、なの?」
絶影「・・・・・・」
沈黙が答えであるように絶影は麗華を見つめる
麗華「・・・・正直すごく、すごく悲しいよ・・・・でも、そんなんじゃ、天国のお父さんが悲しんじゃうよね・・・・あの仔もきっと、あなたを責めることなんて望んでないと思うから・・・・」
絶影の胸元から、離れ、いつものように笑顔で麗華はそう言った
絶影「・・・・・・・すまない」
麗華「え?」
絶影「お前につらい思いをさせたことは、謝る」
麗華「クス、クスクス、あはは・・・・でも、あの仔のことは謝ってくれないんだよね?」
麗華はすこしおかしそうに笑いながら、話をぶり返す
絶影「・・・・・・あの時」
麗華「いいの!言わなくても、ちゃんと、、解るから・・・・」
絶影に近寄り、あの時の話をしようとした絶影の唇に人差し指をあてて、話すことをやめさせ、麗華は絶影に呟く
麗華「ただ、あの仔が居なくなったこと・・・・お父さんと同じ所に逝っちゃった事、それがすごく悲しくて・・・・私の方こそごめんね・・・・あの仔と一緒に走っていた、あなたも悲しいのに・・・・」
絶影「・・・・・・」
そうして、二人は暫く見詰め合う・・・・そして、麗華は空を見ていう・・・・
麗華「私の想い、おとうさんに届いたかな・・・・」
絶影「ああ・・・・アイツの脚なら、もう着いてるさ・・・・」
夜の星空へ、、想いを乗せて天馬は駆ける・・・・想いを届ける風になって・・・・。
外伝 ~風の歌声~
足利義春
トキツカゼ
父 アツグモ
母 アヤナミ
牡馬、血統にボンネビルレコード。鹿毛。
アマツカゼ
父 ハヤテ
血統にナリタブライアン
母 ユウダチ
牝馬、血統にブルーコンコルド。雪の様に白い、白毛。
レオン
トワノハコブネ
父 マイウェイ
母 ルールオブローズ
義春「二頭掛かりで負けたか・・・」
レオン「・・・・・・」
ユキカゼ
父 トキツカゼ
母 アマツカゼ
レオン
アンドゥリル
父 トワノハコブネ
母 エルフェンリート
義春「おわったな」
レオン「いや、始まりだ・・・っ、グ・・・!?」
義春
「っ、どうした!?」
レオン
「・・・なんでもない」
義春
「本当か?」
レオン
「ああ・・・。それより、ハヤテの血統にある、、ナリタブライアンという馬・・・俺の理想に近い」
義春
「ん?・・・ああ、ナリタブライアンは強かった・・・晩年はダメだったが、俺はその部分も含めて好きだった。直系の子は走らなかったんだ」
レオン
「そうか」
義春
「・・・それより、約束だったな。勝った奴が相手の馬を一頭もらうってな。・・・どれがいい?」
レオン
「・・・ユキカゼを」
義春
「容赦ないな・・・ま、約束だしな」
レオン
「その代わり、アンドゥリルをお前に託そう」
義春
「託すって、、いいのか?・・・そいつは、お前が・・・」
レオン
「ユキカゼも同じだろう、それに、作ってみたくなったのだ、ナリタブライアンのような馬を」
義春
「そうか・・・。手伝えることがあったら言ってくれ」
レオン
「・・・楽しかったな」
義春
「ああ、楽しかった」
最終章 あの人の影
「いやぁ、あっぱれというしかないですね。これが女性騎手初のクラシック制覇そして、G1制覇ですね」
「ええ、本当に、日本のジュリー・クローンとなるか、この先の活躍が楽しみですね」
ハルカゼ ~語り続けよう、凱旋門の伝説を・・・・~
「みんなの・・・・"夢"だから!」
父 セイマブライアン
凱旋門賞の後引退した。日本の名馬、絶影とセティル、そしてレオンの夢を乗せて今度は種馬世界で頑張っている。人気は非常に高いのだが、種付けは年に数頭にしか行わない。
走る力が残っていないので、あまり無理をさせないようにしているためである・・・走れるには走れるのだが、他の馬に比べると全然走れないのである、まるで走る力を何処かに置いてきたように・・・・
母 シルフィーナ
父はいわずと知れた、エターナルオブハート。
レースにはすこし出ていたが、重賞にはでていない。ちょっとはしって直ぐ引退させた。
騎手 夢美
12歳くらいのときに、たまたまセティルの牧場にいきセティルや絶影と話したりした。セイマブライアンが放牧中であったので絶影
も牧場にいた。そのときに馬に魅せられて「わ、、わたし!騎手に騎手さんになりたいですぅー!」といって騎手を目指すことをきめる。それから毎日のように牧場に通い、絶影に騎乗を教えてもらっていた。馬の扱い方もセティルに教わったりもしたし、馬房の掃除とかもした。セイマブライアンとユメカゼの馬房しかなかったが。
それから6年、夢美は騎手としてデビューする、デビューしたては全然勝てないし、初勝利も遅かった4ヵ月後くらい、しかしそもそもが良い馬でなかったし、16番人気とかで2着ということも結構あった。そんなことから良い馬に少しずつ乗せてもらえるようになり、デビュー初年度は女性ジョッキーながら24勝ともうすこしで新人賞がとれるところだっだ。
絶影とセティルの死を知らず、絶影達に合えるのを楽しみにしていたがシルフィリアやアヴェイユとの出会いで、絶影もセティルももう居ないことを知らされる、ショックを受けるが、シルフィリアに絶影のレースを見せてもらい・・・・。そして絶影もセティルも凱旋門賞を目指していたことを知り「わ、わたしも頑張って凱旋門賞勝ちたいです!」という、シルフィリアとアヴェイユと話していくうちに、アヴェイユに「本当に勝ちたい?」と聞かれる。
夢美「はい!わたしまだヘタっぴですけれど、教えてもらったことを頑張ってもっと上手くなるです!」
シルフィリア「・・・・それは絶影達のため?」
夢美「はい!でも、みんなのためです、絶影さんの最後のレース・・・・あれをみていたら、上手く説明できないんですけれど輝いてました!絶影さんは一人じゃなかったって・・・寂しくなかったのが見えました!」
アヴェイユ「・・・・ねぇ、シルフィリア?ハルカゼ・・・・乗ってもらおうか?」
シルフィリア「わたしは、、アヴェイユがよければ全然いいよ」
アヴェイユ「じゃあ、決まり・・・だね?」
夢美「え?え?なんですか?」
アヴェイユ「もう、、かわいいなぁ・・・わたしの所にこれからデビューする子がいるから、それに乗ってもらおうかなって」
夢美「え!?わ、、わたしなんかでいいんですか!?」
シルフィリア「あなたにだから、乗ってもらいたいんだと思うよ、わたしもあなたなら乗ってもらいたいから」
夢美「は、はい!がんばるです!」
アヴェイユ「キラキラしてて、、かわいいなぁ・・・ふふ」
シルフィリア「そうだね、綺麗な瞳・・・・レオンみたいだった。
見つけた、本当に作りたい馬をって、日本に向かったときのレオンの瞳もあんな感じだった」
そうして、セイマブライアンの子ハルカゼと絶影とセティルの教え子的少女の新しいレースが始まる。目指すは凱旋門賞!
フェルアクア ~金色の風纏いし戦乙女~
「その馬の仔と、また・・・戦ってみたくなりましてね・・・・」
騎手 アレス・ディアリー
アレスとアリア、そしてクロードが世に送り出したフェルエレスの娘、
日本に小さな牧場を創り、ハルカゼを試すように同じレースに出馬してくる。
父 フェルエレス
唯一、エターナルオブハートを破った名馬
種牡馬としての人気はエターナルオブハートよりも劣るが、それでもなかなか良い人気である
母 フェアリーテール
クロードがフェルエレスの為に血統配合した牝馬、地味な血統な上レースには出してはいない
血統自体は、地味であるが、それは母方のほうだけであり、父はヴァルファウエルである。
シルフレイン ~聖なる炎~
騎手 ジェイソン・マレフィス
ハルカゼと同じ年に、シルフィリアとアヴェイユが生み出した馬
真っ白の馬体で美しい、直線から追い込み他の馬を置き去りにする走りと強さ、シルフレインの纏うオーラから最初は聖なる風、といわれていたが、レース中などに朱く燃えるような瞳になることから、そして、名前のニュアンスから炎と言われるようになった。
父 エターナルオブハート
伝説となった欧州三冠馬、種牡馬としての人気が最も高い馬
母 ルナティックムーン
トキイズルツキとアンジェリカの子供、アンジェリカはアンリエッタの子供である
母の父はヴァンピール
ザンマ ~夢の続きを・・・・~
騎手 鬼嶋時継
時雨が知り合いの老夫婦から譲ってもらった馬、どこをどうみても走りそうな血統ではなく、老夫婦も競走馬にするために持っていたわけではないが、時雨は何か特別な物を感じたらしい。
その見立ての通りに突然変異ともいえる強さを誇り、最終コーナーから追い出し、全てを切り捨てるようにそのまま圧勝してしまう
騎手は時雨の親友でもある地方騎手、鬼嶋時継
父 オニ
内国産馬で地方でしか名前の知られていない馬
(血統に、ナリタブライアンの血)
母 トオリャンセ
内国産馬で体は頑丈だが、能力自体は微妙な馬
(血統に、シンザン、シンボリルドルフ、ミスターシービー)
オニの馬主とトオリャンセの馬主は夫婦
その馬は地方での戦績があり、強いので出走を回避する馬もいたほどだった
にもかかわらず、挑み続ける馬主もいた、その一人がトオリャンセの馬主だった
当時の馬はコモリウタという・・・・勝てるどころか、掲示板に乗るのもやっと・・・・そんな、トオリャンセの馬主になぜ、あの馬が出るレースにばかり出走されるのかと聞いた、他のレースであるならば勝てる可能性はずっと上がるのに、と・・・・それはそうだ、あの馬に対抗出来うる馬ばかりが
集まっているのであるから・・・・その問いにトオリャンセの馬主は答える「あの馬が好きだから」
と・・・・。
その馬 ユメオイビトの馬主はコモリウタである馬主に、ユメオイビトの引退式にコモリウタの馬主にコモリウタに種付けをさせてほしいと、声をかける・・・・。
やがて二人は夫婦となった。
・・・・・・だが、ユメオイビトは、最初の種付けを終えると、胃破裂が原因でこの世を去る
コモリウタも子供を生むと、、後を追うように去ってしまった・・・・。
時が過ぎ、二人は老人となった。
二人を結んだ夢の糸は今だ切れてはいない、そして血を紡ぎ、ザンマという馬を生み出した。
二人はザンマのデビュー戦を待つことなく、寄り添うようにして、同年にこの世を去った
・・・・時雨は二人の夢の続きを紡ぐ為に、そして、自分自身の夢を追うために
かつて彼があのときに見た、彼等の道を見るために・・・・。
去年の暮れに騎手を引退した友人、、鬼嶋時継に主戦を依頼した・・・・。
地方から中央へ、そして、、世界へ、、この引退したはずの義足の騎手が跨る馬が、老夫婦の紡いだ血統から生まれた馬が、すべてのターフを沸かせることになるとは、時雨と主戦騎手意外は誰も予想はしていなかっただろう。
凱旋門の伝説を知っていますか?セイマブライアンと彼のレースの後から噂になっている伝説があります。
凱旋門に勝った騎手が言う話では、第四コーナーから直線へ向かうとき、その時に後ろから風が来た、まるで疾風のような風が・・・・気がつくと前に一頭の馬と騎手がいた・・・・どんどん離されて行って、それでも負けじと自分の馬を走らせて気がついたらゴールだった・・・でも、前をみてもあの馬と騎手はどこにもいないんだ・・・・他の騎手もこう言っていました、勝てないんだ、抜かせないんだ・・・・あの風を・・・・と、どう思います?僕も去年の凱旋門賞でその風を見ました、接戦に負けてしまって、2着でしたけれどね・・・・確かに、僕たちの前をまるで走るような、そんな風が駆け抜けていきましたよ・・・・僕の考えですが、待っているんじゃないですか?あの娘を・・・・彼の教え子である、夢美さんを・・・・。
「風が・・・・来ました・・・・その風は私たちを追い抜いていきました・・・・私とハルカゼはその風を追いかけたんです、そしてその風と、並んだんです・・・・そのとき何も、何も、聞こえなくなったんです、私たちの走る音も、声も・・・・そして、私たちの隣に、絶影さんがいました、、セイマブライアンも・・・・一緒に、まだ一緒に走ってました・・・・絶影さんは、私の方を見て、、、、言ってくれたんです、「力が入りすぎている、もっと力を抜くと良い」口が動いただけで、声は聞こえませんでしたけれど、不思議となんていっているのかが、わかったんです・・・・私は絶影さんの言うとおりに、力を抜いて、いつも通りの、騎乗をしたんです、そしたら「そう、それで、いい」そう、言ってくれたんです・・・・私たちは、その風を追い抜きました、私は、後ろを振り返りました・・・・絶影さんは私たちに向かって手をあげると、笑って、そして、セイマブライアンと一緒に・・・・消えていきました・・・・私は泣いてました、泣きながらゴールしたんです・・・・ゴールした後、ハルカゼを見ると、、ハルカゼも泣いてました・・・・そのとき、、「ありがとう・・・・」そう、、聞こえたんです・・・・ありがとうって、ありがとうって、言って、、もらえ、たんです・・・・」
「あの最後のレースで絶影はセイマブライアンにごめんって言ってた、でも、あの子は本当はごめんなさいじゃなくて、ありがとうって言ってほしかったんだね・・・・」
ハルカゼが凱旋門賞にでるために、シルフィリアの牧場につれて来た時、一緒につれて来た、父セイマブライアンと、元々シルフィリアの牧場にいた、母シルフィーナ、そして、アレスとアリアの意向でハルカゼの応援の為につれてきていた、フェルエレス、そして、ハルカゼと戦った、フェルアクアがいた。
ハルカゼが凱旋門賞を勝った、その日の夜・・・・馬房に見当たらない、セイマブライアンを探していた、アヴェイユとシルフィリアはセイマブライアンを見つける、、セイマブライアンは牧場の丁度真ん中あたりに座り込み、凱旋門の方向を見ていた・・・・正確には、向いていた・・・・セイマブライアンの体は、既に呼吸をすることをやめていた・・・・。
「おやすみなさい、ブライアン・・・・今まで、ありがとう・・・・疲れたでしょう・・・・?こんなに、こんなに頑張ったんだものね・・・・」
「あっちは皆がいるから、寂しくないよね・・・・でも、私は、、寂しいな・・・・ほんと、みんな先に逝っちゃうんだから・・・・」
セイマブライアンを撫でる、アヴェイユとシルフィリアの元に、エターナルオブハートとフェルエレスが馬房を抜け出し、近づいてきた。そして、まるでこの戦い続けた戦士をいたわる様に、顔を近づけ、優しく語り掛けるように嘶く・・・・。やがて、シルフィーナ
そして、フェルアクアもやってくる・・・・そして、ロードソードも・・・・いつの間にか、シルフィリアの牧場に居る馬全てが、孤高であるが、多くの友に恵まれた馬を・・・・最強でありながら、弱さをも知っていた馬を・・・・その馬を囲み、静かに嘶く・・・・それはまるで、鎮魂歌のようであった・・・・。
セイマブライアンが生まれた日本の牧場に彼は眠っている・・・・その隣には、一頭の馬に魅せられ、その馬の血で理想の馬を創ることを夢見た男と、その想いを継ぎそして叶えた男・・・・そして、その馬と共に戦い、共に散った戦友が、眠っている・・・・そんな、彼の墓標にはこう記されてある
~友と共に~
一言だけ、そう、記されている・・・・
外伝 ~それぞれの想いと、夢をこのレースに・・・・~
ドリームレース、定春記念・・・・ハルカゼが凱旋門賞を勝ったあとに出走したレース
そこには、いままで戦い続けた者、そして、始めて戦う者がいた
シルフレイン ~聖なる炎、深紅に染まるその瞳が見据えるは・・・・~
さぁ、やってきたのは誰もが知るあの世界最強馬の跡継ぎ、蒼き瞳が深紅に染まるとき
その瞳が見据えるは、ここに集いしすべての想い!聖なる風となりて、聖なる炎となりて全てを見据え、全ての背を駆け抜けろ!シルフレインです!
「このこが見ているのは、、、きっと・・・・みんなの想いだと思う、いいよね夢をみんなで追いかけることって、勝つとか負けるとか、そういうのじゃなく、、もっと高め合える様なそんなみんなと一緒にいれて、わたしはとても嬉しい」
「馬と人でも、これだけの愛と優しさを紡げるのなら、同じ人同士でできないはずがないと思う。・・・わたしは、みんなと作りたい、優しさであふれた世界を・・・・そんな小さな世界を、小さいけれど大きな大きな希望を・・・みんなで育てて生きたい」
ハルカゼ ~日本初の凱旋門賞馬、いくつもの想い・・・・~
父の、そして、みんなが追い求めた夢と幾つもの想いを背負い、遂にそれを叶えました。
そしてこれが最後のレースだ!同じ重さのぶつかり合い、同じ想いの比べ追い、さぁ、語り明かそう!凱旋門の伝説を!先日旅立った偉大なる父!その夢を叶えた自分自身の神話を!ハルカゼ!
「シルフィリアさんの、アヴェイユさんの、、セティルさんの、絶影さんの、、レオンさんの
麗華さんの、、アレスさんの、、みんなみんな大切な夢、想い、だからわたしも一緒に追いかけるのですよ、みんなで楽しく、一緒に夢に追いつきたいのです」
ザンマ ~地方から、中央、そして世界へ、夢を追う者だけがたどり着ける・・・・~
生みの親はもういない、だが共に戦う戦友達がいる!地方から世界へ羽ばたいた伝説!
その体に流れるのは脈々と受け継がれて来た三冠の血筋!シンザン、ミスターシービー、シンボリルドルフ、そして、、ナリタブライアン!その血に目覚めた今、夢の続きを追い続けよう!
地方の、、いえ世界の英雄、ザンマ!
「人は、多分、みな夢追い人だと思う、僕もこいつもみんな、夢は見ているだけじゃ
叶わない、追いかけ続けたものだけがきっと、その夢の先にたどり着くことが出来るんだ」
フェルアクア ~金色纏いし戦乙女、あのときから、ずっと変わらない・・・・~
その体にはセイマブライアンとの伝説のレースを制した、欧州三冠馬、ヴァルファウエルの熱き想いとエターナル・オブ・ハートに唯一勝つことの出来た馬、フェルエレスの血が流れております!そして、ハルカゼのライバル!!女だからと甘く見る者などいない!!
金色を纏い、今日もターフに咲き誇れ!フェルアクア!
「僕も、妹も、クロードも、みんな変わらない、そして馬も、変わらないものを追い続けますよ」
バルカンドアレグロ ~古馬となりて花開く、勝っても負けても、遺恨なし・・・・~
友人達と語り明かした夜・・・・まだ若かった頃・・・・戦争で全てを失い、やがてたどり着いたのがここだった・・・・友と語り明かした話は、競走馬の話・・・・その勇士空に届け・・・・その勇士!誇りとなれ!死すら断ち切れえなかったその絆!バルカンドアレグロ!!絆の結晶!!
「勝ち負けなど小さき物、わしが追い求めていたものが、ここにはある」
ヘルアンドセブン ~地獄の業火、・・・・されど優しき灯火を・・・・~
少女の家族が思い描いた夢は、競走馬としてではなったのかもしれない・・・・、だけれど・・・・
この馬は、ここまで来た・・・・今はもう、馬と少女だけの二人だけの家族・・・・少女と馬は二人でここにたどり着いた・・・・だが少女達は決して二人ぼっちではない!!眼を閉じれば見える!
見守り続ける家族達の姿が!灯火となりて、全てを明るく照らせ!そして二人の未来も!!
ヘルアンドセブン!七つの灯火!
「明るく照らしてあげたい、暖かく・・・・みんなのことを夢を紡いだ人たちのことを・・・・わたしの家族がそうしてくれたように、明るく足元を照らしてあげたい」
アナザーヘブン ~天の国、・・・・いつかそこへ・・・・~
この馬の牧場は、今はもう無い・・・・この馬がデビューを果たす前に倒産し、牧場の関係者はすべて自殺した・・・・たった一人、残された馬主だけを除いて、さぁ、土産話に暗い話などいらない
幾多の勇士が集うこの場所で、比べた想いのその絆を話そう、その重みを話そう!
いつかたどり着くそのときの為に!アナザーヘブン!
「たどり着いた時の為に、土産話の一つでも・・・・ボロボロになりながらも正々堂々と戦ったと、友人達に、な」
アズラエル ~死を司る天使、優しい抱擁を・・・・~
死を司ると言われる天使の名を冠したその名を、悪く言われることもあったでしょう!
軽い軽いその言葉、その言動、だが!彼らにもまた物語があります!!
先に逝った学友たちに・・・・若くして不慮の事故によりこの世を去った友たちに!!
死を司る天使の別名を、その意味を!ここで聞かせよう!!決して見せ掛けだけではない!!
その内に秘めた想いを!言葉を!そしてその真実を!!
アズラエル!!全ての魂を優しく包む天使!!
「なんか、俺の馬は縁起の悪い名前だけど、、まぁ、カッコイイから良いけど実際そういう意味の名前だし、、、俺、、熱がでて修学旅行にいけなくて・・・・先生もあいつらもみんな良い奴だったんだぜ・・・・だからさ、男の俺が言うのもキモイけど、なんていうかな、優しさで包んでやりたいって、、あはは、意味わかんないうえにやっぱりキモイや、あはは・・・・それと、勘違いされてっけど、別の意味だってあるんだぜ?こいつの名前には・・・・」
トキカゼ ~時の風は、あの馬を・・・・、やっと、、追いついたのかな?~
一人の男の言葉から、いくつもの物語が始まりました・・・・そして、記憶にも新しい、、あの伝説の馬の物語も・・・・次の夢、次の想い、、繋がり続け途絶えることの無い愛とそして、夢と熱い熱い戦士たちの絆を!この馬にも垣間見ることができます!!届け届けこの想い!どこまでも!!風となって駆け抜けろ!!トキカゼ!!
「追いつけた、わよね、、お父さんの、みんなの夢に・・・・ううん、わたしはあのときにもう追いついていた、、だから、今度はわたしの夢を・・・・」
アマツキ ~天月、その光が照らすのは・・・・~
故セティル・アズナードと流尾絶影のもう一つあった小さな牧場を譲り受けたことからこの少女の物語は始まりました!今はまだ若く、そしてまだまだこれからだが!その先は明るい光が照らしています!!アマツキ!ファストリアの妹です!!
「みんなよ、ここにいるみんな、ふふ」
ファストリア ~朱詠の月、あの時の少女が描いた夢は・・・・~
彼の一番近くにいました、ずっと・・・・その少女が描いた夢は、想いは、、いまもこうして輝いています!幾つもの伝説紡ぐその想い!ファストリア!!強き少女達が紡ぎだした輝きを眼に焼き付けよう!二つの月が明るく照らす!その先へ!
「ふふ、それは、アレスが言っていた事と同じだよ、わたしもあのときから変わらないよ・・・・
変わる必要、ないもの・・・・そう想うよね?あなた達も・・・・?」
フェリックス ~偽者、フロックそんなものは存在しない、いつも、あいつの背中を・・・・~
ずっと一頭の馬を追い続けていました、その馬は大成する前にこの世を去りました
ずっと追い続けてきたライバル、現実からいなくなってからもずっと・・・・。
そして、彼を超えたことを知った・・・・。
サニーからスズカへ、スズカからエルへ!これはわたしの憶測ですが彼も彼らと同じように
強い者の背中を追って伝説になったのでしょう!!
さぁ!今度は己の背中を次の世代に見せ付けるのだ!!後に続く者に見せ付けろ!!
フェリックス!!
「このこは不器用でね、、圧勝したとおもったら、ボロ負けしたり・・・・フロックやマグレだと何度言われたか・・・・でも、そんなものは存在しないんです、少なくともここには・・・・」
主な人気馬はこのあたり、、だけれど、このレースに出走する全ての馬に、馬主に騎手に応援をするものに・・・・
勝負という名の夢をお互いの想いを、勝っても負けても恨みなどない、暖かな、お互いが喜び合える、そんなレースを・・・・全てに紡がれる、本当の勝負を・・・・捧げたい。
横一線にならんだ写真判定の結果、頭差抜け出したのはハルカゼだった。
引退レースを、有終の美を飾ったのだ・・・。そして、彼は種牡馬となった。
ハルカゼが引退してから、数ヵ月後・・・それは、唐突に訪れた・・・。
「夢美騎手落馬!!一番人気ラレンティア落馬です!!場内騒然!これは大変なことになった!!」
「レースが終わっても夢美騎手は動かない!大丈夫か!?大丈夫か!?救護班が駆けつけてい・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「夢美、今日はいい天気だね」
「・・・ぁ、今笑ったね」
「どんな夢、みてるんだろうね」
「シルフィリアさん。わたし、双子のお姉ちゃんがいるんです」
「うん」
「二人とも、親がいなくて・・・だから、施設に預けられていて・・・」
「お姉ちゃんは、学校に行かないで、舞踊してて、わたしは牧場で馬を見て、お金がかからないって知って、競馬学校に行ったんです」
「最初は、そんな危険なことをさせられないって、お姉ちゃんすごく反対したんです・・・」
「だから、だから、頑張るって、頑張るって決めてたんですぅ」
「夢美・・・頑張らなくいいんだよ」
「でも、でも!」
「・・・気づいてたよ。きっと、なにかを背負ってるんだって・・・」
「え・・・?」
「夢美・・・一人のとき、すごく考え込んでるときがあったから」
「・・・・・・」
「馬に乗ってるときは、そんなの感じてないよね?」
「・・・はい、馬に乗ってるときは、すごく、楽しいのです」
「だからね、頑張る必要ないんだよ。夢美は、いままでと同じように、馬に、あの子たちに乗ってくれれば、いいよ」
「でも、わたし、何も知らないで、ハルカゼの大事な、大事な・・・」
「・・・勝ち負けよりも、ずっと大切なことがあるって、わたしは知ってるから」
「でも、わたし、怖いです・・・自信がない、です・・・」
「それじゃ、少し休もう」
「」
「あの子は、諦めてない。夢美とレースに出るのを待ってるよ」
「でも、でも、わたし、怖い、怖い・・・」
「なにが、怖い?」
「・・・馬に、二度と乗れなくなることが、怖い・・・なのに・・・乗るのも、怖いんです」
「・・・夢美が、乗れなくなっちゃったら・・・あの子も、引退、かな・・・」
「え・・・」
「ごめんね。よけい、焦っちゃうよね・・・。一度、その馬に乗ってもらったら、その子には、その人しか乗せるつもりはないから。それに、わたしは・・・夢美は、また乗れるって、そう思うから」
「・・・・・・頑張る、です」
「ふふ、頑張らないでいいよ。・・・どこか、行きたい所とかある?」
「・・・お姉ちゃんに、会いにいきたい、です・・・」
「うん。行っておいで」
「お話は終わったみたいだね」
「アヴェイユさん」
「はい。これ」
「これ・・・」
「手作りのハルカゼキーホルダー。ふふ、お土産にもっていくといいよ」
「ありがと、です」
「その馬の仔と、僕が戦ってみたくなりまして」
「夢美さん・・・怖いですか?・・・そうでしょうね。けれど、周りを見てください・・・ここには貴女を責める人なんて誰も居ません」
「そうだぜ嬢ーちゃん!いつまでも縮こまってると、俺がその馬とっちまうぞ~!」
「そもそも、お前なんて乗せてもらえねーよ!」
「安上に対しての嬢ちゃんへの執着心はつえーつえー!俺なんて、ここぞとばかりに頼みに行ったら、すごまれちまったぜ!」
「だよな!記者会見みたか?みてねーだろうな、それどころじゃなかったろうし?ま、今は勝負に集中集中」
「誰しも一度は挫折を味わっています・・・痛みを知っているんです。ここは戦場でもありますが、同時に・・・思いを叶える場所でもあるんですよ」
「・・・ふふ、そういえば、初めてですね・・・僕達が、あなた達の前を走るのは・・・」
只野秀明
ゴシップ屋 非常に口が悪い。だが、決して悪人ではない。
「馬にのれなくなっちまったんだろ?いいじゃねーか変わりの騎手なんていくらでもいるんだし?・・・ルックスはいいし、いっそアッチの相手でもすれば、騎乗はもらえるんじゃねーの?」
「っと、、、つめーてー!!ちっと口が滑りすぎちまったかな?」
「あー、それにな、あの譲ちゃん、若い上に美人だろ?そんなのが、おめー、牧場引き継いでとかなんかなったらよ・・・わる~い虫がたくさんついてくるわけよ」
「そんで、出来てる奴が憎くなったってわけか・・・おめぇ、俺に似てるな?」
「俺は確かにただのゴシップ屋だ。だがな、嘘を書いたことは一度だってないぜ?ただち~っとばかし、面白おかしく誇張して書いてるだけさ」
「・・・あー、まー、泣かしちまったし?どっか呑みいくか?」
「ぁー・・・じゃーよ、なんか食いに行こうや」
フェルエレス
物語中盤の主役。体が出来上がっていない為、追い込みをしていたが、完成されてからは大逃げに変わる。
クロード・ギルティア
姫咲凪夢美
絶影とセティルの牧場に来て、騎手になりたいと夢を見て、騎手となった。
勝ち数は殆どないが、不思議と馬を楽しませて走らせることができる才能の持ち主。
それを、シルフィリアとアヴェイユが見際め、ハルカゼの専属騎手となる。
ハルカゼ無敗での三冠をくび差届かず負けた後は、散々にバッシングされ、馬に乗れなくなる。
シルフィリアやアレスたちの助けもあり、馬に乗れるようになる。
三冠しかも無敗、そして、父子制覇、というものがどれだけのことなのかをよくわかっていなかったり、絶影とセティルの死を知らず、騎手になった後、しばらくして知る、など、かなり抜けているところがある。
だが、ハルカゼに跨り、日本発の凱旋門制覇を成し遂げることとなる。
ハルカゼの引退レースの次の年に、落馬。
2年以上もの間、意識不明で生きながらえていたが、ハルカゼの仔のデビューを待たずして、24歳でこの世を去る。
定春
「落馬が原因で引退を余儀なくされたり、死亡したりするケースは、日本だけでなく、海外でもあることです。中には十代で亡くなった方もいますし、女性ジョッキーも含まれます」
ハルカゼ
物語後半の主役。セイマブライアンの子。
無敗で父子三冠制覇を成し遂げられるか?となるが、ここで、初めての敗戦をする。
騎手と馬が長いレースを楽しみながら走ってしまったのが敗因。戦いの中で戦いを忘れてしまったのである。
霧島大和
ハルカゼのレースに衝撃を受け、夢美のファンとなる。
その後、騎手を志、ハルカゼの仔、カミカゼに騎乗することとなる。
夢美からもらった鞭を直し続け、ずっと使い続けている。
夢の続き、そして想いを伝える最後のキャラクター。
カミカゼ
ハルカゼの子。最終章にチラリズム。
無敗での2冠、日本ダービーのみに登場。
ここで牝馬ながら、果敢に挑戦してきたアメイジンググレイスの名を出す。
アメイジンググレイスを見つめたまま、カミカゼは動かない。
何かを感じているのだろう、という大和のセリフ。
日本ダービー発走でこの物語を終える。
夢璃
「生命維持を・・・はずしてください」
女性初のクラシック制覇、そして、日本初の凱旋門賞制覇を成し遂げた夢美は・・・。
ハルカゼの引退レースから半年後に落馬。脳死状態となり、ハルカゼの父、セイマブライアンの死から4年後、ハルカゼの子がデビューする年に、24歳でこの世を去った。
「みてる?夢美・・・あの子の仔がダービーに出るよ」
「三冠制覇が期待されてるよ」
「いよいよ、ですね」
「大和・・・うん」
「夢美さんの、遺影ですね」
「うん」
「夢美さんが見ててくれるなら、勝てそうです」
「ふふ、気をつけて走ってきてね」
「報道では前哨戦って言ってますけれど、ダービー馬のオーナーになるのは一国の首相になるよりも難しいって言われてますから・・・全力で乗ってきます」
「・・・いいよ」
「・・・はい」
「楽しんできて」
「そう、ですね・・。夢美さんが使っていた鞭、、これを見ると、全力過ぎて周りが見えてないことに気がつくときがあります」
「・・・いってきます」
「いってらっしゃい」
カミカゼ ~和国の神風~
父 ハルカゼ
母 フェルアクア
母の父 フェルエレス
「さぁ、いよいよ始まります!日本ダービー!!・・・ハルカゼの子 カミカゼ と 霧島大和騎手 が出走いたします!ここを勝つと二冠達成ですが、彼等が目指すのは三冠です!皐月賞を圧勝した今、ここは前哨戦でしょう!」
「ですが、私が気になる馬がいます!カミカゼを向かいうつ代表格といえるでしょう! アルドゥイン NHKマイルチャンピオンシップ圧勝からの参戦!変則二冠を狙います!」
「そして、もう一頭!牝馬でありながら、このレースに果敢に挑んできた馬がおります!!アメイジンググレイス!!この馬からも目が離せないでしょう!」
外伝~アメイジンググレイス 後悔の残照が遺したもの~
足利義春
アヴァロンのオーナーであり足利牧場経営者。
かつてレオンとお互いの馬をかけて、賭けをした。
勇次に牧場に火をつけられ、1頭の仔馬をだけ残し、牧場の馬は全滅。
唯一生き残ったその馬が、アヴァロンだった。
山石勇次
社会不振、人間不信から、暴走し、近くにあった足利牧場に火をつけて全焼させた。
義春たちにつかまり、殺せ!と叫ぶが、名前をきかれ、答える。
いさましさ を つぎ に伝える、いい名前じゃないか。
お前は、優しさに恵まれなかった、これから、それを知るべきだと諭される。
やったことの責任を果たせと、牧場を再興させるために働くこととなる、
やがて、牧場は少しづつ持ち直し、自分が特に可愛がっている馬に、アメイジンググレイスという名前をつける。
その後、街で喧嘩に絡まれた義春を守り、刺され、絶命する。
「あいつは、過去の俺だ・・・。これで、すこしは、恩を返せたかな」
「さぁ、まもなく発走となります!日本ダービー!!スタートのファンファーレが鳴り響きます!!」
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私はかつて、そして今も罪を犯している。
罪深い咎人である。
いつかきっと、安らぎが来ることを願って、この物語をここに残そう。
日本でも馴染みの深いカミカゼのオーナーである、シルフィリア・ファインシルツ氏、病魔に侵され死去。36歳という短い生涯だった。
常に欧州種馬界のトップに君臨していた エターナルオブハート 生産者シルフィリア氏の後を追うように先日死去。
種馬成績では父の後塵を拝していたが、跡継ぎとしてシルフレインに更なる期待が集まる。
市議会議員から衆議院議員へとなった 天月詩織氏 暗殺、凶弾に倒れる。
このまま政界に立ち続ければ、いつかは女性初の日本首相になれるとも言われていた、天月詩織議員が演説中に銃で撃たれ死亡した。
犯人はその場で取り押さえられ、その後の事情聴取で殺人の動機は、やくざと癒着しているのにもかかわらず、過度に弱者の味方をする姿勢が気に入らなかった、などと供述しているとのことです。
天月詩織議員暗殺の犯人、寺島昇が刑務所内で死亡。
天月詩織議員殺害の犯人である、寺島昇受刑者が刑務所内で死亡するという事件が起きました。
天月詩織議員の関係者からの手紙を読んだ直後に自殺したものとして、警察では調べが進められております。
セイマブライアン 凱旋門、そして、絶影の死
ハルカゼ誕生
只野と一人の少女の物語。
ハルカゼ凱旋門
セイマブライアンの死
フェルエレスとエターナルオブハート シルフィリアとアリアの物語
姫野優香の物語。親友りつこ。優香の後輩であるトップアイドル。
ハルカゼ最後のレースでの夢美と大和
夢美の死
時雨の物語
天月詩織の物語。
詩織=うつ病になった詩織を朱が時雨が贔屓にしている、牧場へとつれてくる。
「詩織、ちゃん?・・・なに、してるの?」
「・・・ぁ・・・なんでもない」
「なんでもないって・・・手首から血がでて・・・」
「ぇ・・・?ぁ・・・わたし、何してるんだろう・・・なんでかしら、こうしたら、おちつい、っ!?」
「ばかぁ!!!」
「いつも、いつも、私たちがどんな気持ちでいるのか、わからないの!?」
「だったら、そっとしておいてよ!!こんなところに連れて来られたって!!」
「詩織ちゃんなんて、もう知らない!!・・・っ、それ、渡して」
「・・・・・・」
「・・・いたんだ、しおりん」
「っ・・ぇ・・っ・・・」
「・・・しおりん」
「あゆちー」
「手首、自分で切ってたんです」
「あゆちーだって、ちょっと前までは、間延びしたしゃべりかたしてたのに、いまは、一生懸命、普通に話そうとしてるよね」
「だって、私たちはもう大人なんですよ!」
「だったさ、やめちゃいなよ」
「・・・ぇ?」
「しおりんが元に戻るようにすることも・・・しおりんの友達でいることも」
「ぇ・・・?なんで、そんなこと、言うです、か?」
「しおりん、泣いてたよ」
「あの時と同じ顔してた」
「いいよね、僕たちは・・・あゆちーは家がお金持ちだし、僕もそうだし・・・」
「家族とも仲がいいし・・・。でも、しおりんには 家族 は居ない」
「ねー、あゆちー・・・あの時は僕たち、小学生に上がる前だったよね。しおりんが立ち直るのは、中学校にあがるくらいになってからやっとだったよね」
「あの時だって、すごく時間かかった・・・それでも、しおりんはちゃんと」
「でも!!わたしたちはもう、お仕事とか大学とか、っ・・・もう大人なんだから、あのときとはちが」
「それができないならやめちゃいなよ!!・・・あゆちーがやめても・・・僕はやめないから、心配しなくても大丈夫だよ」
「ぁ・・・そんな、こと・・・」
「・・・えいっ!!」
「はぐっ!!」
「ぇ・・・?なぐっ・・・なにするですかぁ~!!!!」
「しおりんは、もっと痛かったと思うよ」
「・・・・・・」
「このまま、見捨てるの?僕たち、しおりんの家族になってあげるって、あの時言ったよね」
「・・・・・・」
「ここで見捨てるなら・・・そんなの、家族でもなんでもないよ」
「ごめんね、詩織ちゃん・・・つい、カッとなっちゃって・・・」
「しおりんが、また、元気になるまで・・・僕たち、ずっと一緒だからね」
「わたしに、そんな価値なんて・・・」
「詩織ちゃんに 価値 なんて、つける人がいたら、ぶん殴るですぅ~」
「でも、でも・・・誰も私を必要となんて・・・」
「僕にはしおりんが必要だよ」
「なんの役にも立てない、から・・・」
「いままでも、詩織ちゃんは、すっごく役に立ってくれてるですよ~」
「ぉ~、なんか、大きな声が聞こえたと思ってきてみたら・・・美少女3人おそろいで~、おじさんの顔、覚えてる~?」
「わっ!顔が、近い近い!」
「ん?クンクン・・・風呂くらい入れてやれよ。物がいいのにもったいないぜ~?そんなんじゃ、股開かねーと誰も相手してくれなくなっちまうぜ?」
「・・・そう、すれば・・・私を必要としてくれる?」
「ぁ?・・・あらま、こりゃ重症だな」
「物は良いんだから、んなことしなくても平気だよ」
「・・・でも、わたし、彼氏とかできたことない、し・・・誰も、わたしを必要となんてしてくれてない」
「はぁ~?・・・そりゃお前、男のほうに見る目がないだろ・・・ってか、マジで言ってんのか?だとしたら、もうちょっと、回り見たほうがいいと思うけどねー」
「はぁーやれやれ、馬の話を聞きにきたつーのに・・・。それより、マジなのか?あの娘がだれにも相手にされなかったっての」
「そんなことないですよ。詩織ちゃん、告白とかされて、告白してきた人が、学校内でも特に人気のあった二人で・・・でも、その二人共を詩織ちゃんは断ったんです」
「あーそれで、その男を振ったことで逆恨みされたとかか?」
「逆です。男の子の方も恨み言なんていってないですし、周りの人もそうです。でも・・・高嶺の花だって、思われちゃったんです。詩織ちゃん、委員長もしてて、頭もよくて・・・すごく頼られてたんですよ」
「なるほどな・・・でも、あーなっちまうんだよな・・・」
「経験があるみたいな、言い方ですね」
「ま、長く生きてるとな」
「詩織ちゃんが言ってる、相手にされてないとか、誰からも必要とされてないとか、根も葉もないことなんです。本当は全部その逆なのに・・・」
「そうなんだよな。けどよ、そう・・・思い込んじまうんだよな」
「ぁあ、そうです・・・言い忘れる前にいっておくです。詩織ちゃんは、私の、私たちの大事な 家族 です。 だから、次にあんな事いったら・・・ぶん殴りますよ?」
「あ?あんな、こと?」
「股を開かないと相手にされない」
「ぁ?・・・あぁ~あれは、言葉の綾だよ・・・あそこで食って掛かって、くるとかなら、そこまででもなかったんだが・・・ありゃ時間かかるぜ?」
「覚悟の上です」
「・・・幸せな奴だな、正直、羨ましいぜ」
「それ以上の幸せを、私たちは詩織ちゃんから、もらってますから・・・それと、もし、なにか辛いこととかあったら、話くらいは聞いてあげますよ」
「ちょっと前なら、その言葉に甘えていたかもな・・・だけど、まぁ、いまは、なんつーか・・・間に合ってるつーか・・・でもまぁ、ありがたく受け取っておくぜ」
アレス・ディアリー騎手、年間最多勝利及び、重賞勝利数で歴代の記録を更新する。
ヴァルファウエルなどの名馬を送り出した、クロード・ギルティア氏、イギリス女王よりサーの称号を賜る。
サイアーラインにエターナルオブハート系が確立。
殺害された天月詩織氏所有の天月牧場で生まれた クルセイド G1オークス勝利。
天月詩織氏が所有していた牧場をその後も維持し続けた 新地あゆ、浅間朱氏 二人の軌跡と故天月詩織氏との関係を今夜ノーカットで放送。
「その筋の人と仲がよかったて言われてますけど、その通りなんです。けど・・・詩織ちゃんの事を知ってる人や知ろうとしてる人なら、きっと気づいてるはずです」
「そーそー、しおりんが殺されて、ボクたちより怒ったのって、時津組とかやくざの人たちなんだけど、、なんでかって言うと、しおりんは、ただやくざとかを責めているだけじゃ駄目だって、気がついてたから」
「うん、だから、そういう人たちから、話を聞いて、それで、ああいうことしてたの。あの人たちも、本当は・・・。みなさんは考えたことがありますか?もし、そうなるしかない、そんな状況だったらって・・・」
寺島昇受刑者に自殺を決意させた手紙を書いたのは、あゆ氏だった!?
「・・・そうです。きっと、あの手紙を読んで、自分で・・・わたしも考えました、わたしが殺しちゃったのかなって・・・。でも、やっぱり、許せなかったんです。けど、本当に許せないのは、詩織ちゃんを死なせたことじゃなくて・・・。なにが、あの世に詫びに行くですか・・・そんなこと望んでたわけじゃないです。自分が殺した人は、本当は自分を一番理解してくれた人かもしれない、それを知って、あの人は死んだんです」
「くそずるいよね」
「本当に、くそずるいです!」
「・・・実は、わたし・・・詩織さんが議員をしているときに、失業してまして・・・。食べるものにも困りホームレスに・・・そのときに、詩織さんが、炊き出しをしていて・・・何度もそこで飲食を・・・後から詩織さんが私財を投げ打ってやっていたのだと・・・っ、できれば、本人に・・お、ぉ例をしたかっ、た!」
「あのなかには、こわーいおにーさんたちも混ざってたんだよ!」
「でしたねぇ~・・・その後、やくざをやめて、人のためになるようなことをしだした人も、いましたね」
「フラグメンツブルーと~、そうですね~、インタールードですね」
その番組は、涙と笑いが一つになる、そんな終わり方だった。
「ちょいと、まった!聞きたいことがあるんだが、いいかい?」
「あの二頭以外に、もう一頭いいのがいるんじゃねーかぃ?」
「・・・そのこは、、たぶん、走らないです」
「へぇ~、そうかい?あれだけの血統だぜ?」
「レースではない、別の場所できっと、花が咲くと思います」
フラグメンツブルーはその後、桜花賞とオークスを勝ち、三冠は取れなかったものの、エリザベス女王杯を制した。
「霧島大和騎手は前日のレースで落馬、騎手は変わりましたが、さて、どうでしょう、同郷のフラグメンツブルーに続けるか、楽しみですね」
「ええ、そうですね。大和騎手もひどい落馬だったのにもかかわらず、暫く安静にしていれば、とのことですし、不幸中の幸いでしたね」
インタールードは、日本ダービーを勝ち、天月牧場はオークスとダービー同時制覇となった。
そして残った一頭・・・アマツキとハルカゼの血をひいたアマカゼは・・・あゆのいうとおり、レースでは振るわなかったものの、その血筋から顕彰馬を何頭も送り出す大種牡馬となった。
今年もカミカゼ!これで10年連続リーディングサイアー達成。
カミカゼの父 ハルカゼ 7度目のブルードメアサイアーリーディングに。
日本初の凱旋門賞馬 ハルカゼ 22歳で死去。
「詩織さんは・・・初恋の人だったんですよ」
「新しく牧場をやるというので、募集をしていて・・・今考えれば、経験のある人を雇えばって、思うんですけどね。ほとんど何も知らない僕を、牧場で雇ってくれて、あゆさんと朱さん達とも一緒になって、色々勉強して・・・」
霧島大和騎手、引退を表明。悲願の日本ダービー勝利は叶わずとも、競馬界に大きな軌跡を残す。
「今年もこの男だ!!菊花賞制覇の代行人!!!霧島大和騎手!これで4年連続の勝利です!」
「ぼくは、騎手人生で遂にダービーを制することはできませんでした。ですが、悔いはないです」
「菊花賞を4年連続で勝たせてもらって、その後も3度勝ちました・・・7度も同G1を制した騎手なんて・・・夢美さんへの良い贈り物になったと思っています」
その後、霧島大和騎手は調教師の道ではなく・・・騎手を育てる道へと進んだ。
カミカゼ主戦 霧島大和元騎手 競馬学校校長となる。
「アヴェイユさん・・・。あの時の記者会見では夢美さんへ贈り物と言いましたけれど・・・本当は、ぼくが贈り物をもらっていたんだと思っています」
「ダービーでインタールードに乗るはずだったのに、前のレースで手ひどい落馬をしましたからね。死んでいてもおかしくはなかった・・・きっと、夢美さんが護ってくれたんです」
「夢美?詩織の間違いじゃない?・・・立ち直る為の時間にはなったんじゃないかな」
「そう、かもしれませんね。・・・じゃあ、両方の、です」
「ふふ、欲張りだね」
「それに・・・アヴェイユさん。僕は、立ち直る事ができなかったんですよ」
「・・・やっぱり、そう?」
「ダービーの日が近くなると、思い出してしまって・・・」
「本当に 愛 してたんだね」
「・・・いえ、最初で最後の恋です」
「お互いに・・・意地っ張りで頑固だね」
「そうですね。きっと似ているんです。詩織さんはその生涯を恵まれない人に捧げました。・・・僕は馬に乗る人の為に生涯を捧げようと思っています」
サイアーラインにセイマブライアン系が確立。
シルフィリア氏の牧場を引き継いだアヴェイユ・ファストリア氏 次の世代に夢を託し引退を宣言。
アヴェイユ氏から牧場を引き継いだのは、日本に牧場を持つ 浅間時雨氏の孫 浅間初美氏。
牧場の運営は、初美氏と婚約中の足利義光氏がおこうなうとのことです。
・・・人の歴史と共に、サラブレッドの歴史も続いてゆく・・・。人と馬の織り成す物語は、綴られてゆく。そこにある想いとともに・・・。
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センリツ
血統にフランケル
主戦騎手 流尾絶影
マイルは持たなかったものの、短距離路線では無敵の強さを発揮した。
セイマブライアンの父である。かなりのスピード血統であり種牡馬としてもある程度の成功を収めている。ある程度と言うのは、セイマブライアン以外に子供を作らなかったのが大きい。もしもまともに種牡馬として活躍出来ていたら…と思わせる一頭である。
モデル馬 フランケル+サンデーサイレンス
セイマブライアン
父 センリツ
母 ユメカゼ
母の父 ユキカゼ
物語前半から中盤の主人公。クラシック三冠を制し、同年の有馬記念を楽勝。
その後、阪神大賞典で圧勝、、その後故障が判明、長期療養の後、ターフへと戻ってきたが、成績は振るわず。
だが、その年のJCにで、欧州最強といわれるヴァルファウエルとの死闘の末、ハナさ2センチ差の2着となる。
・・・馬主であるセティルの死後、騎手の絶影と共に、凱旋門賞へとゆく。
レース終盤、絶影は親友であるセティルと同じ病にかかっており、力尽き、レースは最下位に終わった。
力尽きた絶影を背に、それでも歩いてゴールした・・・。この時のゴール時間は世界一遅い凱旋門賞のタイムとして記録されている。
そのレース振りは、サムライ の名の下に欧州競馬ファンに軌跡を残した。
そして、物語は、その息子たちへ・・・ここから、新たなドラマが始まる。
馬主 セティル・アズナード
主戦騎手 流尾絶影
モデル馬 ナリタブライアン
能力的に言えば、潜在能力は最高のものがあるが、ムラがある。
最高の騎手である絶影が乗っても、G1を取りこぼすなどしている。
が、それは故障明けということで仕方が無いとも言える。
ヴァルファウエル
欧州三冠を無敗で制し、その後、JCへとコマを進め、セイマブライアンとの死闘を演じた。
その後、無敗のまま引退。種牡馬となる。
初年度からフェルアクアの母などを輩出・・・だが、その3年後、マリー病を発症・・・立ち往生するという英雄に相応しい最期をむかえた。
馬主 クロード・ギルティア
主戦騎手 アレス・ディアリー
モデル馬 ダンシングブレーヴ
ジョッキーのアレスは天才的だが、まだまだ経験が無かった。
それでも、無敗の欧州三冠馬になったあたりは流石の能力だが、潜在能力はセイマに劣り、精神力はセイマを上回るという評価。
バーバロメモリーズ
馬主 霧月麗華
主戦騎手 流尾絶影
モデル馬 バーバロ
絶影ともっとも、相性が良かった馬。芝ダート不問であり、アクシデントさえなかったらと悔やまれる。
なお、絶影はメモリーズなどの幾多の名馬に乗ったが、その中でも、セイマが一番気負いなく乗れると語っていた。
フェルエレス
馬主 シルフィリア・ファインシルツ
主戦騎手 アリア・ディアリー
モデル馬 サイレンススズカ
未熟な騎手、才能も無い。そんな少女が育て、この物語では最強であるエターナルに唯一土をつけた。
・・・もし、この馬に、逃げの天才であった絶影が乗っていたら・・・?IFは起きないが、それを考えずにはいられない馬である。
エターナルオブハート
馬主 シルフィリア・ファインシルツ
主戦騎手 ジェイソン・マレフィス
モデル馬 エクリプス
云わずと知れた世界最強馬。引退した後も、世界そのものの血統図さえ塗りつぶしかねない勢いだ。
生産者、シルフィリアの死と同じ頃に世をさった。父の後はシルフレインが継ぐだろう。
アヴァロン
父 アンドゥリル
母 シマカゼ
モデル馬 タマモクロス+エリモジョージ
人為的事故から、唯一生き残った馬。
悲しみの連鎖は、彼から始まり・・・そして、娘が終わらせた。
トキカゼ
馬主 霧月麗華
主戦騎手 姫咲凪唯
モデル馬 なし。あえて書くならば、、幻の三冠馬、トキノミノルだろうか・・・。
アメイジンググレース
物語最終版に登場。牝馬でありながら、ダービーへと出走する。
父 アヴァロン
母 イカヅチ
母の父 ナガト
父の父 アンドゥリル
アヴァロンの娘。アヴァロンの仲間を死なせた者が育て上げた。・・・悲しみの連鎖は彼女で終わった。
まるで、カミカゼの父、ハルカゼに競りかかっていったフェルアクアを髣髴とさせる・・・。
いや、フェルアクアよりも、もう少し、野蛮な強さがある。
個人的には、彼女とカミカゼの子を見てみたいものだ。
カミカゼの父、ハルカゼ、その父、セイマブライアンにはナリタブライアンの血が入っている。
そして、アメイジンググレースには、ナリタブライアンに真っ向勝負を挑んだ女傑、ヒシアマゾンの血が入っているからである。
馬主 足利義春
主戦騎手 姫咲凪唯
モデル馬 ヒシアマゾン+ウオッカ
ハルカゼ
父 セイマブライアン
母 シルフィーナ
騎手 有馬夢美
日本初の凱旋門賞馬・・・。未熟な騎手を背に世界をかけた。
三冠こそ取れなかったが、その後は無敗街道を突き続けた。
・・・私個人の観点から言えば、この馬が一番の能力を持っていると考えている。
凱旋門賞に勝てたのは、ライバルとの死闘があってこそだろう。
カミカゼ
父 ハルカゼ
母 フェルアクア
母の父 フェルエレス
霧島大和騎手を背にクラシックロードを駆け抜けた。
日本ダービーで後塵を喫したが、その後は無敗を突いた。
アルドゥインとアメイジンググレイスをはじめとした、数々の戦友達・・・。
生涯の負けは一度きり、その後は無敗・・・まるで、父であるハルカゼをみているようだ。
ハルカゼの子であり、生涯の成績での黒星は日本ダービーでの負けのみ。その後日本の血統図を塗り替えた。
祖父は三冠馬 セイマブライアン、父は凱旋門賞馬 ハルカゼ
カミカゼ自体は無類の強さを誇りながらも父と祖父のように歴史に残るような勝ち鞍はのこしていない。
もっとも、二冠馬であり、有馬、天皇賞、宝塚と勝っているため、歴史には残る馬である。
だが、種馬になってから旋風を起こし、彼は父と祖父のように名を遺すこととなる。
海外遠征の話ももちろんあり、父子での凱旋門制覇挑戦もあったが、元々が全力で走りすぎる性格なのか、
レース後の体調悪化や脚部不安を発症することがあった為に、海外遠征をすることなく現役を終えている。
アルドゥイン
カミカゼが三冠を達成するのが当たり前だといわれている中、突如として現れた馬。
日本ダービー勝利後に故障、予後不慮となる。
この日本ダービーがカミカゼ唯一の敗戦であり、唯一勝てなかった馬が彼であり、そして・・・三冠馬になれなかった原因でもある。
死ぬまで走られたらなぁ・・・と、後に大和騎手は語る。
完成する可能性が低いので、未完成のままのせてます。ちょうどウマ娘も流行ってますし。