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Cursed・Rebel  作者: 猫柳芽
1/1

全ての始まり

負の感情は、時に人を狂わせる。


_憎い_




_何で私ばっかり_



_あいつより俺のほうが優秀なのに_



_なんの努力もしてないくせに生意気_



_誰も認めてくれない_



_あの子さえいなくなれば_



_憎い…憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い_




…咲いた。


薄気味悪い森の中心にある、美しい泉の傍に“アメシスト”のような薔薇が咲いた。


鬱蒼とした辺りとは対照的に、開けたその場所はスポットライトを浴びたステージのよう。


四方八方から飛んでくる深紫の光を吸い込み、小さな薔薇は月光に一層輝いた。



そして…泉の水が一滴、強い風に吹かれて薔薇の花弁に吸い込まれた瞬間、にわかには信じられないようなことが起こった。


茎の部分が膨張を始めたのだ。


“身体”が膨らめば膨らむ程、薔薇はその花弁を閉じてゆき、膨張が終わる頃には蕾になってしまった。



そうして、すっかり“人型”になった茎。


その色彩は、先程と同じ植物だとは思えない程に白く、所々に紅が差してあった。



…それからは、ただ雲が流れてゆく時間が続き…


静かに輝く月が空を昇り切った瞬間、頭に小さな蕾をつけた美しい“少女”は怪しく光る瞳を開いた。


そして、黒く彼女を縛り付ける大地から体を抜き出し、何者かに導かれるようにして傍にあった大樹へ向かっていった。


「…お前は何者だ?」


大樹は問いかける。


しかし少女は答えない。答えられない。


「…言葉を知らない“呪われた”薔薇よ。この森で共に生きよう。」


少女は小さく頷いたようだった。

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